ひびこれこうじつ

とりとめなく、日々の覚書です。

ぽんぽん、ピアノを習う

2019-04-07 12:53:09 | art
小学校の時、
「バイエルまで終わったら、やめていいから」
と、大して興味のないぽんぽんにむりやりピアノを習わせたら、
「今日バイエル終わったんで、辞めていいですか」
とその日に言われ、どうぞ、としか言いようがなく(笑)

「でも、音楽は好きだよ」
というぽんぽんは、今日からピアノを習うことになった。
私のピアノの先生のコンサートに何度か通っているうちに、この先生にならと、習ってみたくなったらしい。
やっぱり人を動かすのは人の在り方なんだなと思う。

そういえば土曜日の始業式、花見でうろついている私に、ぽんぽんからラインがきた。
「担任、H先生になった!!」
受け持ってもらいたかった世界史の先生だ。
「まじか!よかったね!」
先生に恵まれるって、何よりもありがたいことだ。

「ピアノ、どうだった?」
「うん、楽しかったよ」
というぽんぽんは、
「10月の発表会に出ませんか?」
と先生に誘われたらしい。さすがに、
「ちょっと考えさせてください」
と言ったらしいが、帰りがけに、
「10月の発表会に出ましょうか?」
とさらに一押し。
「あの人、出す気だわ」
とぽんぽんが苦笑していた。
高校生は、普通にベートーヴェンのソナタを三楽章引いちゃったりする教室なので、
「さすがに心、折れない?」
と心配したら、
「あー、もうそれは、予備校の講評その他でバッキバキなんで、慣れてます」
と、遠い目。
強い。

桜、桜、桜

2019-04-06 12:44:11 | お出かけ
チューちゃんのお見送りも済んだ。
今年は桜の遠出は諦めていたけど、奇跡的に花が長くて、今こそ見頃。
「千鳥ヶ淵に夜桜を見に行こうか」
とぽんぽんと言っていたのだけど、朝になって、
「ごめん、今日の夜、予備校だわ」
「お前、スケジュールもうちょっとちゃんと把握しとけや……」

で、思い立って、先日、お友達が行ってラインで桜の写真を送ってくれた昭和記念公園に。
(たぶん)初めて行ったけど、ものっすごい広くて、綺麗だった。二匹の猫と一緒に歩く、という妄想を楽しみながら、桜の他にも、菜の花、山吹、チューリップ、雪柳、ミツバツツジと、春の色を、樹々の若芽の柔らかな緑と一緒に堪能。



あまりの綺麗さと、暖かさに、普段なるべく飲まないようにしている昼ビールに、つい手が出た。



案の定、歩くのがだるくなるw

そして、ぽんぽんからメール。
「予備校、ガイダンスだけだった。夕方に終わるんすけど……」
「お前、スケジュールもうちょっと(以下略)」

行きは西立川口から入り、帰りは玉川上水の方向の出口から出た。最寄りの駅まで、川沿いの道を結構歩いたけど、そこが見事な桜並木、さらにその川が玉川上水に直角にぶつかるのだけど、玉川上水の堤も見事な桜の大木で、チューちゃんからのプレゼントかなあなどと、勝手に妄想する。
だるいだるいと言いながら、4時間近く、歩き回ってしまった。
一人で歩いていると、休むタイミングをいつも失う。

で、その後新宿御苑でぽんぽんと夜桜……と思ったら、御苑は18:00 で閉園だそうで、蛍の光とともに追い出された。



「桜は地面に着くくらい、枝が横に長く伸びてるのがかっこいいね」
「あと、空が見えないくらいに高い桜に覆われるのもいいね」
「やっぱり老木の迫力というか」
「あと枝垂れも……」
「八重も……」
と、桜談義をしながら、まだもう少し物足りない気分。
何しろ、明日はもう散ってるかもしれないからね。

「ここからバスに乗ったら、都内のお花見ドライブできるかな」
という思いつきで、御苑から適当なバス停でバスに乗ったら、品川行きだった。
が、日が暮れきって、桜は見えず(もう少し街灯で明るいかと思ったけど、車内からだと見えないのね)。でも、青山とか広尾とか、道路沿いにレストランとかブティックとかが並ぶオサレな町並みを車窓から堪能。

「一回、いわゆる『お花見』を見てみたい」
というぽんぽんの、よくわらからないリクにお答えして、上野の夜桜を保護者付きで見学。
「ぽんぽん、これが酔っ払いというものです」
「ほう」
私は子供の頃から、父に潰されて、大騒ぎをしたあと半死半生になった大人を山ほど見て来たが(そして自分も何度か潰れたが)、ぽんぽんにとっての酔っ払いは、ただのよくしゃべるおばさん(母と私)なんだろうと思う。
上野で軽くご飯を食べて帰途へ。


今年の桜、満足。

乗り物好き?

2019-04-05 18:18:59 | 日々のこと
ミラクルが死んだ時には、外を歩いている時に、
「あれ?いる?」
みたいに思うことがあったけど、
今日、バスに乗ってたら、
「あれ?いる?」
チューちゃんが横にいるような気がした。
ビロードみたいに光る、グレーの綺麗な前足を、私の足の上において。
胸からお腹の毛が、とてもあったかいんだよな。
チューちゃんは乗り物好きだっただんだろうか。
私が、そばにいてほしいと思うだけなんだろうか。
それでもいいや^^
一緒にお出かけしよう。


チューちゃん

2019-04-04 18:17:17 | 日々のこと
チューちゃんがお空に帰ってしまった。
先週の木曜の夜、いつもは私のベッドで寝るチューちゃんが、なぜか母のベッドで寝た。チューちゃんは冬の昼間はいつも日当たりのいい母の部屋にいる。もうかなり弱っていたので、動くのが億劫だったのかもしれない。
夜中に水音がしたので、起きてみたら、母が洗面所にいた。チューちゃんがベッドの上に吐いたそうだ。

「そんなこともあろうかと、ベッドカバーしておいたからセーフ」
「お母さん、ナイス」

その後チューちゃんは私のベッドの上に移動し、また吐いた。そのあと、
「ごめん、もうダメだわ」
とでもいうように、チューちゃんが静かに過ごせるようにと母が準備した、おこもり用のダンボール箱に自分から入って行った。

その後、チューちゃんはほとんどそこで過ごした。
私は、皮下点滴も無理やり口に餌を突っ込むのもやめた。
それでもチューちゃんは、何度も何度も吐きながら、一週間頑張った。
「もういいよ、ママ、大丈夫だから、先に行ってていいよ」
と何度も言った。
肉体に私が投影している恐怖を赦してほしいと、何度も聖霊に訴えた。

そして昨日、チューちゃんは突然ダンボールを抜け出して、トイレに行った。そこで行き倒れた。抱きかかえて連れ戻したけどほとんど意識がなかった。でも撫でると、
「くぅ……」
と、子猫みたいな声で鳴いた。
そしてもう一度、トイレに行って、また行き倒れた。少し待ってからまた連れ戻しに行った。今度はもう、鳴かなくなった。

ペットボトルにお湯を入れて湯たんぽがわりにした。フリースの下にホッカイロを入れた。もうそれくらいしかしてあげられることがないのが辛い。

それでも夜を越して、朝はまだ息をしていた。母とぽんぽんと朝ごはんを食べて、その後様子を見に行ったら、もう息をしていなかった。

「お母さん、チューちゃん死んじゃったよ」
「あらまあ。ずいぶん頑張ったね」
母の声もホッとしていた。
泣かないかと思ったけど、チューちゃんを撫でてたら、やっぱりボロボロ涙がこぼれてきた。大人しくて、優しくて、本当に手のかからない猫だった。こんなことならもっと、鰹節でもチュールでも猫懐石でも煮干しでも、好きなものを食べさせてあげたかった。お外にも出してあげたかった。

しばらくして、家の空気が変わったことに気づいた。
無機質になった。
これは、ちょっと堪えるな、と思った。

こんな、桜が満開の綺麗な春の日に、いなくなっちゃうなんて。


花見

2019-04-02 10:01:02 | 日々のこと
チューちゃんはもう、歩けなくなってしまったようで、階段下のスペースに設置した箱の中に入ったまま。時々苦しそうに吐く。母や私やぽんぽんが代わる代わる覗き込んでは頭を撫でると、
「くぅ……」
と鳴く。

あまり長い時間家を空けたくないけど、家にいると母に文句を言いたくなる確率が確実に上がるので、夕方、気分転換にウォーキングを兼ねて近所にお花見に行った。
厚い雨雲がシュークリームの皮みたいに浮かんでて、ポツポツと雨粒が落ちるけど、風で流されて太陽が顔を出すと、眩しいくらいの夕日が差す。
やっぱり空が見える家に住みたいなあ……。

写真の公園はこの辺では有名なお花見スポットで、父が元気だった頃に一緒にお花見に行ったなあ。
選挙期間中で、花見客に向けて選挙カーが演説をしていて、花見酒でいいご機嫌になった父が、
「うるせーぞ、花見してんだから、あっち行け!」
と、底抜けに明るい声で文句を言ったんだった。
ほかの花見客が、わはは、と笑って、選挙カーも、
「あ、なんか、野暮でしたね、失礼しました」
みたいな感じで、去って行ったっけね。

帰り道、青とオレンジが綺麗に混ざった、キラキラの空を見上げて、
「ああ、今だったら、このまま消えてもいいな……」
となんとなく思った。



夕日を浴びて神々しいメタセコイア