すい臓と腎臓の同時移植手術直後
無菌室で
一時期、13本のさまざまな薬剤の入った点滴スタンドに
ベッドの周りを囲まれたことがある。
そのすべてが常に順調に作動するとは限らない。
点滴のどれかが不具合になり
水滴の管へのスムーズな流入が滞ることになると
「ピュルリ。ピュルリ。ピュルリ。ピュルリ・・・・・」
と、延々と警報音が鳴る仕組みになっている。
すると、
看護師が来て、問題の点滴を直しにくるのだが
これが
四六時中で毎日だった。
看護師も仕事だから
別に私に対して
「ったくもう。他の仕事やってたのに」
なんて気持ちはないのだろうが
なんか気まずい気持ちになる。
また
とにかく
いつあの音がなるんじゃないかと思うと
落ち着いて食事もテレビにも集中できない。
今でも
定期健診で病院へ行って
たまに
点滴を傍らに廊下を歩く入院患者から
「ピュルリ。ピュルリ」
と聞こえると
嫌~な気持ちになり
きつい入院中を思い出してしまう。
二つ目は
スーパーでバイトしてた時である。
グロサリーといって
主に一般食品の品出し作業をしていたのだが
客が混んでくると
ピロピロピロピロ~ン、ピロピロピロ~ン
と、呼び鈴が鳴る。
レジ係りの女性が
「応援にきて」
というメッセージなのだが
品出しの作業がリズムに乗ってるときに限って
あの呼び出し音が来る。
品出しが遅れると
「おまえは仕事ができないやつだと周りから見られる。
呼び出し音を無視して、レジに応援に行かなくて
自分の品出しの作業に専念して
その日のそいつのノルマを早々に果たしたやつほど
仕事ができるやつと褒められ
グロサリー担当上司の覚えよろしいのだから
まったくもって納得がいかない。
なぜならば
私はというと
女性の助けに弱く
あのピロピロピロ~ンが鳴ると
すかさず
レジへ応援に行ってたからだ。
三つめは
妹の発する鼻を鳴らす音である。
バスルームにいる妹は
自分の発する音が誰にも聞いていないと信じ込んでいるらしい。
バスルームの中は乾燥してるから
そこからの音や声というのはより響いて
より鮮明に聞こえてしまうことになぜ気づかないんだろう。
昭和の時代には、お風呂で浪花節を歌って
俺の歌もまんざらではないと悦に入るオヤジがいたが
アレも
バスルームの中は音や声が響くからである。
で。
妹は
鼻を
フン!フン!フン!
ときには
ズンコ、ココココ、ジュルジュル
という激しい音を発して
鼻くそを吐き出す作業にいそしむのである。
うら若い女子中学生、女子高生のおなごが・・・。
あれはやめてほしかったが
直接には注意できなかった。
そんな彼女にも
今では孫がいる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます