女子体操の宮田笙子選手が
タバコと飲酒をしたといって
五輪出場を辞退した。
実質的には
「辞退に追い込んだ」といってさしつかえない。
記者会見。
ちょっと
不思議というか
こっけいまではいかないかもしれないが
協会のお偉方もコーチも
みんな泣いている光景。
「あ~あ。こりゃ典型的日本人だわ」
と呟いてしまった。
好きだねえ。
日本人は。
『泣いて馬謖(ばしょく)を斬る』
って言葉が。
「ちしょう!つれえなあ」
夕焼け空に顔を向け
鼻水を手のひらでズズっとすする。
俺もさ斬りたくねえ
斬りたくねえけど
仕方ねえんだ
可愛いからこそ斬るんだぜ
コレが男のつれえところよ
わかっておくんなせえ
と
協会の会長とコーチらの背中は語っている...
ように見受けられる。
大衆演劇の
『国定忠治』か『子連れ狼』気取りかよ。
協会のお偉方&コーチは泣いていて
そりゃもちろん今回の件は残念至極な気持ちもあるだろうが
一方で
心の中の13パーセントぐらいは
ナルシシズムにも似た
あえて
あえて、涙を呑んでつらい決断を断行したという
そういう自分自身の『断固とした潔さ』に
ちょっと酔いしれているといったら変な表現だが
日本人にはそういうマゾヒズム的な部分があると思う。
さて一方オランダでは
10年前に児童レイプで服役したビーチバレーの選手が
今回のパリ五輪に出場するという。
なにか割りきれない。
そう思いませんか。
こういうときに
戦前生まれの
どちらかというとスポーツに興味のない
ラジオ人気パーソナリティが
「真面目な日本人らしくていいじゃないんですか。ハハハ」
なあんて
そっけない突き放した言い方をすると
無性に腹が立ってくるのは私だけでしょうか。
なんで戦前生まれのジジイは
昭和から街頭インタビューなんかで
「だれが首相になっても同じじゃないですか」
みたいに
バカの一つ覚えの如く
他人事のように
「~じゃないですか~」
という言い方をするんだろう。
「自分だけは世の中を冷静に、かつ俯瞰して眺めている」
という、スカシタ人間のつもりなんだろか。
話はそれたが
宮田選手は辞退すべきではない。
サッカーだって
レッドカードの前にイエローカードがあるわけで
よほどの重罪なら一発レッドだけれど
今回はイエローカードでしょ。
なら
こと五輪に関しては今回は厳重注意にして
帰国してから
次の国際大会は出場できません。
という風に柔軟な対応ができないものなんだろか。
体操協会の頭がかたいのか古いのか
クソ真面目なのか
前述のように
『泣いて馬謖を斬る』ことに酔っているのか。
選手の進退は選手自体が決めるのではなく
あくまで
選手の生殺与奪は協会の手のひらの上にあるのだという
権限を思い知らせるためなのか
そこらへんは定かではないが
外国の選手及びコーチの大半は
この日本の対応をどう思ってるかというと
「日本人の誠実さ正直さに敬意を表する」
と、インタビューなどで表向き、口では言いつつも
腹の中では
「あらら...あきれた」
というのが本音なのである。
ところが
日本のニュースなどでは
上記の「さすが真面目で誠実な日本人」という
外国人のコメントだけを取り出し放送して
日本のジジイババア世代の視聴者をホッとさせているのが実態なのだと思う。
裏ではあざ笑われてるとも知らずに。
あんまり真面目真面目もいいけどさあ
日本人はもうちょっと
したたか
図太さ
押し出しの強さ
あつかましさ
も必要なんじゃないか。
これからの時代。
「コチラが誠実さを貫いていれば周囲もいずれはわかってくれる」
それは日本人同士だから通じる話。
これからの百鬼夜行の厳しい国際社会
クソ真面目な日本も
ある程度図々しくやるべきだと思うがね。
とにかく
宮田選手の情報に
すぐ過剰に右往左往する協会は
喝!
だ。