男はつらいよの第2作は
いろいろつっこみや賛否両論はあろうかと思うが
ボク個人は
「あらすじを読んだだけで、ジンときてしまった」
くちである。
寅さんの天然ぶりは愉快だが
たんなる
ドタバタのお笑いに終始しない。
心に沁みる
練りに練った無駄のない
一つ一つのセリフは、今でも時折反芻できる。
今回は
一番印象深いシーンが
東野英治郎演ずる坪内先生が
縁側で椅子に座ったまま
心地よい眠りに誘われるように
静かに『旅立って行った』シーンだった。
ある映画評論家が
山田洋次監督が、自身が理想とする旅立ち方を
表現してみたかったんでしょうと述べたが
まさにそうだと思う。
これからも
このシーンを何度も何度も観るだろう。
何度も観て
そのことが
『門前の小僧習わぬ経を読む』とばかりに
自分のカラダ各所に指令する脳みその奥底に対して
「このように死ぬのだぞ」
と、植え付け学ばせる。
だからって、そうそう都合よく
このシーンのように死ねるわけじゃないとは思うが。
なんとなく
「あ~いいな~。あのように人生の幕を下ろせたら」
と願っているのと
ただ漫然とその時を待ってるのでは
結果が違ってくるような気がする。