はな兄の1分で読めるエッセー

ふと脳裏に浮かんだ雑感を気ままに綴った日記

家庭の味?

2022-02-24 13:08:12 | グルメ

冷蔵庫を開けると

今ではもはや使う当てのない

いくつもの調味料が

ふてくされて眠っている。

「さあて捨てるかな」

と思ったが

「いや待てよ」

はてさて

これら調味料は、すべて約15年は立っている。

この自分の15年の人生と重ね合わせ

凝縮された15年の人生の味を味わおう

と思い立った。

 

大鍋に水を入れ

冷蔵庫の<牢名主>調味料のすべてを投入する。

 

すべてだ。

 

そこに冷ご飯を投入する。

で。

ガスレンジを点火。

 

グツグツ...。

 

約30分間で、まさに我が家の

『家庭の味』が出来上がる。

 

名付けて

『15年おじや』

 

味は...。

う~む。

 

そうか。

 


小説『小鳥たち』

2022-02-22 00:57:42 | 小説

81才の母の罹ったガンは

早期に発見することが多い腸のガンだったが

患部がその多くを占める大腸ではなく、珍しい小腸のガンであったために

発見が遅れ

気づいたときはステージ4になっていた。

緩和病棟に入院した母は

朝ご飯を食べるとエレベーターで屋上に出て

プランターに水をやるのが日課になった。

実をいうと

関係者以外に屋上に上がれない規則になっているのだが

病院長が母の卒業した高校の後輩ということで

特別な許可をもらっているのだ。

「わがままは、最初で最後だから」

私に向かって、母は人差し指を唇の前に立て、ウインクをした。

「アタシがここで育てたミニトマトを目の前で

孫に食べてもらって。『美味しい』って言ってもらえれば嬉しいな」

 

ある日。

見舞いに行くと

浮かない顔をしている。

私を屋上に連れてゆくと

プランターの中で育つミニトマトの苗を

両手で二つに分けて見せた。

すると。

そこには小指の先ほどの卵が四つ鎮座していたのである。

「どうしようか」

母は私の顔をのぞき込む。

私はしばらく思案の後

こう答えた

「天国ってやつを『浦島太郎』の竜宮城に例えたとしたならばよ

この卵からかえる小鳥たちは、ちょうどカメにあたるんじゃないかな。

つまりさ、お母さんが幽体離脱したら

この小鳥たちが天国へと誘ってくれるわけよ」

「はあ?そ、そうか...」

母は首を傾げていたが

やがて大きく頷いた。

その時、私たちの目の前の中空を

二羽の小鳥たちが旋回し

「チチチチ...」

と威嚇の声を発した。

「あの夫婦の卵らしいね」

ポツリと母が言った。

 

母は、残る力を振り絞り膝をガクガクさせながらも

後輩の病院長のもとに駆けつけた。

そして

『なにびとも屋上に行くことを禁ずる』お触れを出すよう要請し

その最後の願いはなんとか受け入れられた。

その日、帰路につくクルマの中で私は

「あの小鳥たちは、キセキレイって鳥なのかも。

お母さんの病気が完治して、文字通り、奇跡例(きせきれい)の一つ

になるといいんだが」

そう呟いていた。

 

 

 

母の命がそれから一か月先にまで延びたのは

まさに奇跡としか考えられなかった。

 

 

担当の医師から母の臨終が告げられた時である。

病室の窓の外を

小鳥たちの群れが飛翔してゆくのが見えた。

 

 

 

 


やっぱり寂しい

2022-02-21 01:33:56 | 

ママ猫は一匹で来るが

子猫が来なくなった。

向こうの飼い主が

子猫の里親を見つけたのだろうか。

 

このごろ

ママ猫は子猫に冷たくなっていた。

いっしょにカラダをくっつけて寝ようとすると

「あっちいって。もう!」

とばかり

軽いジャブを放っていた。

そこで子猫はママ猫が寝静まるまで距離を取っていて

眠ったらそぅ~っと近づき

慎重にお尻をくっつけて一緒に眠るということをしていた。

子猫はまだ甘えたい模様だ。

 

 

 

親猫の、子離れの時期なのか。

次のオスとの恋のためには

避けて通れぬ段階というべきなのか。

そうはいっても

唐突な感じを受ける。

ついこのあいだまでベタベタしていたのに...。

じょじょに疎遠になるのならまだわかるが

ある日を境にパタリというかんじで

ママ猫の「猫かわいがり」が消滅する。

犬については

市井のドッグ専門家と自負するぐらいに詳しいつもりだが

猫はよくわからない。

 

おとといまで

つぶらな瞳で見上げていた子猫の

無邪気な顔が忘れられない。

 

話は急展開するが

人間に他の動物とは比較にならないぐらい身近な犬や猫の存在は

この世を支配するおてんとうさまか神様が

人間社会に派遣した

『リットン調査団』だと思っている。

犬や猫は絶えず人間の行動をチェックしていて

神様に報告している。

 

犬や猫の幸福度は

その国、その地域が優しく愛情あふれる社会かどうかの指標であると

信じて疑わない。

 

もらわれたらしい子猫の幸せを祈るばかりの今日この頃。

 

それにつけても

やっぱり寂しい。

 

 

 


うれぴ族

2022-02-14 13:39:01 | 競馬

パリピに対抗して

私は土日は『うれぴ族』だ。

「うれしい」

と手放しで喜ぶほどじゃないが

鼻歌をつい口ずさんでしまいたくなる気分の人々を

『うれぴ族』

と勝手に名付けた。

 

なぜならば

以前書いたように

私が応援している

ハーツクライ産駒が活躍しているからである。

昨日は

ダノンベルーガが豪脚を見せて

他馬をねじ伏せた。

東京新聞杯は

イルーシヴパンサーが

切れ味鋭く差し切った。

 

ハーツクライ自身は

若い頃

のど鳴りとか

ハンデがあって

ダービーは

キングカメカメハに負けたが

素質は変わらないし

健康面の不安が解消されてゆき

かてて加えて

元々、大器晩成型なので

時間がたてばおのずと

成績は伸びると信じていた。

 

で。

三歩すすんで二歩下がり、また三歩

というわけで

有馬記念で

ディープインパクトを

破りましたからね。

そういう挫折というか

たんなるエリート街道ではなく

地味ながら

文字通り健康不安に打ち勝ち

徐々に体質を強化して

地道に頑張ってきた馬に対して

自分の人生を重ねるたびに

なにか

尊敬と愛情と哀切の情が入り混じった気持ちを抱きますな。

ちょうど

ディープインパクトという

華やかなスポットライトが当たる馬にがいたから

余計にそう感じるのかもしれないんですが。

 

 

リスグラシューを超える大物を輩出してほしいです。

 

追伸

もちろん、ダノンベルーガとイル―ヴパンサーの単勝は

買いました。

逆に

ダノンベルーガの新馬戦の映像を観たにもかかわらず

共同通信杯を買わなかった人がいるということが信じきれません。

ガハハ。

 

 


今日は雨

2022-02-10 14:31:39 | 買い物

午前中に近所のスーパーに行く。

いつもの

白菜4分の1コが58円

えのき1袋90円×2

ラーメンの具の定番だから欠かせない。

 

きょうは

『抹茶』に恵まれた。

パンコーナーでは

木村屋総本店の新商品

『蒸しパン・抹茶』

食品売り場では

オリヒロの

『蒟蒻ゼリー・抹茶』

そして

アイス売り場では

最近見当たらなくて寂しい想いをしていた待望の

パルムの

『抹茶味』

が再び販売を始めて

「やれうれしや」

と、それらをカゴに入れる。

ネコのフードコーナーに行ったのだが

いつも同じものを買いたくないのだが

それしかないんだからしょうがないといつも思いつつ

いつものやつを買う。

スーパーにお願いだが

月ごとにアイテムの

総入れ替えまではしなくてもいいから

三分の一入れ替えをして

バラエティにとんだ品ぞろえをしてほしい。

近所に一つのスーパーしかない

田舎の愛猫家共通の悩みではないだろうか。

 

ついでに

ウエルシアにも立ち寄る。

『ブレンディ・スティック・エスプレッソ30本入り』1箱が

378円と安かったので3つ購入。

『ラ王・柚子しお』6袋も298円と安かったので2つ購入。

 

レジが終わり

(ウエルシアの)入り口付近で

買ったばかりの品物を

私の愛用の買い物用カートに詰め込んでいると

私よりかなり年上だと思しき妙齢の女性に話しかけられる。

「あら。それスチュワーデスさんがよく使ってるものでしょう。

私も買ってみようかと思ってるんだけど。運ぶの楽なのかしら?」

と尋ねられる。

ふつうは

というか

多くの人はたいがい

手拍子に

「楽ですよ~」

となどと安易に答えるもんだろうが

そこは私

「いや。意外と引っ張るのに重いです。

でも自転車よりも多くのモノを持ち運べるでしょ」

女性「あ、ワタシ、後ろの荷台に段ボール箱つけて

   そこに入れてるんだけど」

私「自転車だとホラ、バランスが崩れて

  ヒモがほどけてしエライことになる場合があるじゃないですか。

  これだと確実だし。別に急がないんだったら歩く方がいいと思いますよ」

女性「そうですか」と笑みを返し去っていった。

女性は免許の返納かなんかを考えてるのだろうか。

 

それにつけても

コチラは

うさんくさい汚い貧乏な中年男にしか見えないだろうに

いきなりはなしかける女性は

寂しいのか

ざっくばらんなタイプの人なのか

どうかしちゃってる人なのか

はてまたは

キャットフードの袋がちらりと見えたので

自分も猫が好きゆえに親近感を抱いたのか

 

そのうちのどれかだと思うが

どれなんだろう。

と思いつつ帰途についた。

 

 

 

テレビをつけると

女芸人

『まちゃまちゃ』が出ていた。

きょうはつくづく

「まっちゃ」

に恵まれた日だ。