コロナの感染拡大で中止となった今年の祇園祭、本来なら今日が山鉾巡行でした。
それで今年は巡行の代わりに、23基の山鉾保存会の代表約50人が四条烏丸に集まり、山鉾の代わりに榊を手にして約700メートル離れた「御旅所」まで進み、拝礼しました。
「チリン棒」と呼ばれる長さ1.5メートルほどの金属の棒を道路に打ちつけ、音を響かせながら進みます。
後ろには山や鉾に見立てた榊を持った保存会の代表が続き、小雨が降る中でも大勢の人が集まって拍手を送っていました。
画像拝借
私は祇園祭が好きで、退職後の7月はほぼ祇園祭の追っかけをしていました。
なんとも残念でなりませんので、昨年の前祭巡行(23基)の投稿を短く再編集してみました。
長刀鉾
鉾頭に疫病邪悪をはらうとされる、大長刀をつけている長刀鉾。
蟷螂山
蟷螂とは「かまきり」のことで、別名「かまきり山」と呼ばれています。
芦刈山
故があって妻と離れて難波の浦で芦を刈る老翁が、やがて妻との再会を果たす謡曲『芦刈』にちなんだ山です。
木賊山
世阿弥の謡曲「木賊」に由来し、信濃の国で子どもをさらわれた翁が、独りで木賊を刈る様子を表しています。
函谷鉾
古来中国、斉の孟嘗君が函谷関で家来に鶏の鳴き真似をさせ、難を逃れた史話から「函谷鉾」と付けられました。
郭巨山
中国の史話に基づき、別名「釜堀り山」といわれ、金運招来の山とされています。
綾傘鉾
山鉾の非常に古い形態を残す傘鉾の1つで、大きな2つの傘と棒振り囃子が特徴です。
伯牙山
琴の弦を絶ったという中国の故事『知音』にちなんだ山。
菊水鉾
菊水鉾は町内金剛能楽堂にある「菊水井」という井戸に由来しています。
油天神山
油小路綾小路通りにあることから、油天神山」と付けられました。
太子山
聖徳太子が四天王寺を建てる際に、自ら良材を求めて山中に入り、大杉の霊木を教えられ、京都に六角堂を建てた伝説に由来します。
保昌山
古くは「花盗人山」と呼ばれていました。
鶏鉾
鶏鉾は中国・尭の時代の太鼓に鶏が巣をつくったという史話『諫鼓』に由来しています。
白楽天山
唐の詩人・白楽天と道林禅師が問答している場面を現している白楽天山。
四条傘鉾
応仁の乱以前の古い山鉾の形態を持つ四条傘鉾です。
孟宗山
呉の国の孟宗が病気の母が欲しがる筍を雪の中から奇跡的に掘りあてたという中国の故事から、別名「筍山」とも呼ばれています。
月鉾
鉾頭に「三日月」をつけていることから「月鉾」と呼ばれ、山鉾の中で最も背が高く、さらに重量も12トンを超える最も重い鉾。
山伏山
ご神体が山伏の姿をしていることから、「山伏山」と呼ばれています。
占出山
神功皇后が海外出兵の際に「肥後国松浦川で鮎を釣って戦勝の吉凶を占った」という故事に由来する「占出山」。
霰天神山
別名「火除天神」ともいわれ、火除けの神様として信仰を集めています。
放下鉾
街角で芸をしながら説法をといた放下僧の像をまつることから、「放下鉾」と付けられました。
岩戸山
天岩戸を開いて、天照大神の出現される日本神話『天の岩戸』にちなんだ山です。
船鉾
『日本書紀』に記される神功皇后の説話に由来する鉾で、別名「出陣の船鉾」と呼ばれています。
来年は再開できますように。