東京都指定障害福祉サービス事業者LLCてくてくゆかりのブログ

東京都指定障害福祉事業者LLCてくてくのスタッフや周辺の人々が週変わりで語るブログです。

重度訪問介護の画期性

2014年11月04日 | てくてくのまいにち
先週の日曜日10月26日、ケアマネージャーの試験(正式には介護支援専門員実務研修受講試験)を受けてきました。
自己採点では合格点を大きく上回っているのですが、さて、どうなることやら?
12月10日の合格発表を楽しみに待ちたいと思います。

介護保険と障害福祉サービスの制度を合併して一本化しようという動きがずっと前から厚生労働省にあるという話を聞き、以前から気になっていました。
制度の枠の中で日々のサービスが提供される以上、制度改革の動きには無関心ではいられません。
ケアマネージャーの試験の勉強をはじめたのも、制度のことをできるだけ詳しく知りたいと思ったことが動機の一つでした。
とにかく、現行の制度について知らないことには、改革の方向性にどのようなメリットがあり、どのような問題点があるのか分かりません。
ケアマネ試験の勉強をしてみて、現在の介護保険の制度のあらましを理解することができ、自分としてはプラスになったと思っています。

勉強したおかげで、介護保険の問題も見通せるようになってきました。
たとえば介護保険の「訪問介護」などは、利用者目線で視るとなかなか使いづらいもののように感じられます。
訪問介護のサービスとして「できること」と「できないこと」が事細かに分別されていて、たとえば「家具の移動」や「窓ガラス拭き」などは日常の家事の範囲を越えるので訪問介護の枠の中では提供できないことになっています。
普通に生活していれば窓ガラスくらい拭くだろうと思うのですが、介護保険の訪問介護では提供できません。
他にもいろいろと細かい制約が山のようにあり、身体介護と生活援助を微妙な違いで区別したり、加算算定要件も細かく設定されていたりして、全体を把握するとなると大変です。

制度がこのように複雑で分かりづらいものになっていると、利用者がサービスについて受け身になってしまう恐れがあります。
「利用者が主体的にサービスをつかいこなす」という状況を理想とするなら、制度はなるべくシンプルで融通の利くものである方が良いのです。
そうでないと、「つかいこなすのが面倒だから、適当にお任せします」と利用者が主体性を放棄してしまう可能性があります。

介護保険のしくみと比較すると、障害福祉サービスが持っている「重度訪問介護」というサービスの画期性が鮮明に浮かび上がってきます。
重度訪問介護は、屋内での介護はもちろんのこと外出も含めて日常生活全般を支えるためのサービスです。
「あれはできない」「これはできる」などという細かい指定はなく、利用者のその日その日の状況の中で生まれるニーズに柔軟に対応できるものです。
このようなサービスの最大の利点は、利用者の主体性を基点としたサービス提供が可能になることです。

現行の介護保険は(給付抑制という意思のもとにだと思いますが)複雑で給付上の制約が多い制度だと思います。
障害福祉サービスとも比較しながら、よりよい制度が設計されることを願っています。
(安田)
コメント
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