立秋を過ぎ、どうなるのかと思った今年の酷暑も
秋風が暑さを和し、虫の声も秋を告げはじめました!
西暦ではお盆休みで、家族や親せき、友人がみな故郷に集まり、
ご先祖さまのお墓参り供養をして、日本中そこかしこで輪になって盆踊りが行われました!
古来日本の先祖供養は、
旧暦七月七日のタナハタのホシマツリから十五夜のシムのマツリ。
満月の下、みんなで仰ぎ踊り、アイ(天の意、思い)を得る、、と記されています。
やがて仏教と結びつき、現在の習わしへと移り変わってきたようです。
また、お盆の時期は、明治改暦前は七月でしたが、
西暦の七月はまだ農繁期のため、ひと月遅れの八月に移行したようです。
◎ヲトタナハタのホシマツリ:旧暦七月七日(弓張・2018.8.17)
まをまゆみ ゐとおつむぎて
たくはたや あわのほぎうた
かぢにおし トシウチニナスコトのアヤ
ゆみはりにうむ
いうとあさ をとたなはたの
ほしまつり ミカサフミナメコトのアヤ
タナハタのホシマツリは、天の川のはるか彼方の宇宙の源、イノチの源、
「アモト」(アウワ・アメミヲヤ)とのつながりを思い、感謝するお祭りです。
「ユミハリ」とは、弓張月(上弦七日)のこと。
「マヲ」とは、麻の繊維を細く裂き、長くより合せて糸を績むこと。
「ヰト」(ゐと・糸)はツナガリの象徴です。
ヒト(人)のイノチは、「アモト」より「タマ」が分け降され、
「クニタマ(地球)」で、母のコミヤ(子宮)に宿ったコタネと結び、
やがてひと(ヒト・人)として誕生し、
イノチが尽きると「タマ」は解かれ、「アモト」に還ってゆきます。
「アモト」は宇宙創造祖アメミヲヤの位置であり、
北極星を中心に天体が反時計回りに動いて見えることから、
北をネ(根・根本)として、太陽も月も地球も「アクタ(天の川・銀河)」のナカ、
私たちを取巻く見えるもの、見えないものすべては、「アモト」からのもたらし、守りの内にあります。
北天の日周運動(手前は乗鞍コロナ観測所)
(写真:国立天文台)
今の世は、ご先祖さまたちの献身の礎の上に在り、
今のわたしたちが在るのは数え切れないご先祖さまたちのイノリの証し、
「タナハタのホシマツリ」には、
ご先祖さまからの尊いイノチのつながりを思い、感謝を込めて麻糸を績みます。
写真:ドキュメンタリー映画『麻てらす~よりひめ岩戸開き物語~』より
ハタオリは、「アメのノリ(宇宙の法則・自然の理)」を目に見える形に整えていく、
女性に託されたもっとも神聖な仕事でした。
たて糸は、ご先祖さまとのつながりを表します。
そこにきれいに歪みのないように、よこ糸を織り、アヤをなします。
たて糸・よこ糸踏み分けてヲリヒメが美しい文様を織りなすさまは、
恵み・教え・導き(たて糸)に、社会のつながりを整える(よこ糸)、
クニを運営して治めゆくことにも準えられます。
星を奉り、梶、楮、大麻などの上等な織布をお供えします。
梶の葉に、アワ(天地自然)を讃えるウタや願い事を記して捧げ供えます。
ホツマツタヱ二十三アヤに、衣服が華美・贅沢になり過ぎぬよう、
アマテルカミが基準を定めた「ヲリノリ(織法)」の記述があり、
布の巾や身分や用途ごとに、より糸の本数や色数、織り文様などが明記されています。
心を込めての祈りのためには、ニシコリ(ニシキオリ・錦)を着ます。
ニシコリは、ユキスキ(アユキ・ワスキ、オオナメヱ(大嘗祭))の時の衣服です。
※アユキ:アメのタナハタカミ。ワスキ:大地のタハタカミ。
タナハタは、オオナメヱ(大嘗祭)に祭るユキ・スキノミヤのうち、
ユキキのミチを司るユキノミヤと同じカミを祭っています。
アメトコタチと呼ばれるコホシ(九星)で、中心の「アモト」と、
方位方角、季節(時間)、の守り「トホカミヱヒタメ八神」、合わせて九座です。
古の斎宮のあたりは、麻が広く栽培され、日々ハタオリの音が響いていたようです。
二〇一八年八月、
三重県の認可を受けて栽培された「伊勢麻」が、初収穫を迎えました。
収穫直前の伊勢直撃台風の洗礼を受け、計画の半分程の収穫だそうですが、
収穫と乾燥作業をへて、来月中旬頃には伊勢麻の精麻が完成するそうです♡
※参考:「ゆう(木綿)」※ウィキペディア
古来日本の木綿(ゆう)とは、楮(こうぞ)のことであり、それを原料とした布のこと。
楮の木の皮を剥いで蒸した後に、水にさらして白色にした繊維。
伊勢神宮の神事など、麻を原料として単に木綿(ゆう)と記される。
神宮式年遷宮や他の神社でも遷座では頭に巻いたり、たすき掛けにして用いられる。
真麻木綿(まそゆう)ともいう。
参考文献・参考資料
◎『ホツマ辞典』池田満著・展望社
◎ヲシテ文献の世界へようこそ-日本ヲシテ研究所「ヲシテ文献・大意」
http://www.zb.ztv.ne.jp/woshite/index.html
◎『記紀原書ヲシテ』上・下巻 池田満著・展望社
◎よみがえる日本語:青木純雄・平岡憲人著・明治書院
◎よみがえる日本語Ⅱ:青木純雄・斯波克幸著・明治書院
※ヲシテフォントの商標権、意匠権は、日本ヲシテ研究所にあります。
編集:冨山喜子