モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

1973年の珈琲が飲める。 銀座「カフェ・ド・ランブル」

2007-03-28 00:54:37 | グルメ
珈琲専門店の生存が難しくなっている。

銀座8丁目にある「カフェ・ド・ランブル(café de L’AMBRE)」は、
珈琲専門店を越えて、<珈琲【だけ】の店>と自己の特色を強調している。
【だけ】ということは、ケーキなどで売上を上げることをいさぎよく断念しており
コーヒーのためだけの店作りになっている。

いにしえのモダニズムが感じられる店先から中に入ると、
そこはもうなつかしのスコッチカウンターバー風になっている。
カウンターに座り正面の壁を見ると、そこにはたくさんのガラス容器に多くの種類のコーヒー豆が入っており、
その下には、氷で冷やす昔からの冷蔵庫が鎮座している。
電気冷蔵庫ではだめでこれが良いらしい。

メニューは、ラベル別にグリーン3種、オレンジ3種、ブラウン8種、ブラック13種、ゴールド5種のストレートコーヒが記載されている。

これを上から順番に飲み比べてみようと思い、グリーンラベルのNo1から始まり、
今日は、ブラックラベルの9番目にある73年のコロンビアまで来た。
73年となるとさすがにかび臭さがすこし感じられたが、30数年前の出来の良い豆が現存していることがすごい。

毎回同じ飲み方をしているが、50ccくらいのデミタスカップで、中濃、砂糖・ミルクなしのストレートで飲んでいる。
苦味、酸味などそれぞれに特色があるが、全てに共通するのは後味のおいしさである。
後味には苦味も酸味もなく、なんともいえない甘味が残る。
この甘味は寒暖の差がある南面のがけで育てられた、やせたキャベツを食べたときにもあった甘味に似ている。
自然が作り出したうまみを引き出すと、なんともいえない甘味につながるのであろうか!

また、お水を飲んでも薄まらない高品質のカフェイン感がたまらない。
持続力10時間(?)はあるのではないだろうか?
73年コロンビアはシングル840円であり、毎朝買っているスターバックス
「本日のコーヒーSサイズ」 280円の値段では3倍分に当たるが、
コーヒーを飲んだという満足感があり価値はある。

ドリップ式のインスタント珈琲が出回っており、コーヒーの入れ方は誰にも簡単に出来そうだが、
この店に来ると奥が深そうになってくるから不思議だ。
確かに、この店で飲む珈琲はエッセンスを上手に搾り出したという感じがする。
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