モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

フルーツセージ(Fruit sage)の花

2009-02-01 07:50:13 | セージ&サルビア

厳しいニュースが多いこの頃ですが、フルーツセージの花でほのぼのとなっていただけたら幸いだ。
世の中には、まだまだ灯りをともすものがある。
くじけず、諦めず、この花を思い出して微笑むことが出来れば春が来る。
そんな、のどかな和みをくれる花のようで、セージの中でもめずらしいタイプだと思う。

(写真)美しいピンク色のフルーツセージの花


2年ぶりにフルーツセージの花が咲いた。
昨年は、カッティングでさし芽を作っただけで終わってしまったが、やっとつぼみをつけ開花した。

この花の原産地は中南米のホンジュラスで、暖かい環境で冬から春にかけて開花する。
日本では、冬場は室内の窓際で育て、5月頃からは外でたっぷりと陽にあてるとよい。その際にカッティングで来年の苗を作っておくと良さそうだ。

なんといっても、フルーツセージの特徴は名前どおりのフルーツの香りであり、
パイナップルorグレープフルーツの甘い香りがする。
室内に取り込んでいるので、水遣りがてらベルベット状の明るい緑色の葉を軽くこするとこの香りがしてくる。

フルーツセージの花も素晴らしい。
セージ特有の口唇形の花型で長さは4-5cmと大きめでつや消しされたピンクがかかり、トロピカルな雰囲気がある花だ。多少乙女チックかもわからないが、セージの花色としてユニークな花色だ。

こんな素晴らしい花なのに由来がよくわからない。インターネットで検索するとほとんど同じ内容が書かれていて、アメリカからセージの専門書を取り寄せてみたが同じ内容でありこの本が出典元のようだ。

この花が学名として最初に登録されたのが1950年であり、アメリカの植物学者で中南米の植物相の研究に貢献したスタンドレイ(Standley, Paul Carpenter 1884-1963)
によって命名されている。彼が発見・登録したものと思われる。これ以前にさかのぼることが出来ないこと自体不思議だ。

種小名のdorisianaは、ギリシャ神話の海の妖精Dorisから来ており、野性的なセージ類が多い中で女性的なところがある。しかもただの女性ではなく50人の妖精の母でもあり大家族を束ねるシンボルとなっている。

(写真)フルーツセージの立ち姿


フルーツセージ(Fruit sage)
・シソ科アキギリ属の耐寒性が弱い常緑多年草。
・学名は Salvia dorisiana Standley。英名は Fruit sage, Peach sage。種小名のdorisianaは、ギリシャ神話の海の妖精Dorisから来ている。
・原産地はホンジュラス。
・草丈100-120㎝で灌木状に育つ、現在は30cm程度。
・薄黄緑色のスペード型の大きな葉、葉の質は柔らかいベルベット状で触るとパイナップル、グレープフルーツのようないい香りが漂う。
・開花期は、原産地では2月から5月までだが、耐寒性が弱いため日本では室内或いは温室で育てる必要があるので多少早めに咲く。
・花色は淡いピンクの美しい花が咲く。香りとあいまってファンタジックな雰囲気をかもし出す。
・春以降は戸外で育てることが出来るので、日光にたっぷりと当てる。
・殖やし方は、わき芽をとり株を分けるかカッティングでさし芽で簡単に殖やせる。霜などでやられるので、どちらかの方法で必ず殖やしておいた方がよい。

命名者スタンドレイ(Standley, Paul Carpenter 1884-1963)は、アメリカの植物学者だが、メキシコの大学で学位を取得し米国の国立博物館勤務など経て、中南米の植物探索を行い1957年にホンジュラスに引っ越してそこで亡くなるまで住んだ。

コメント