モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

植物の知恵と戦略 ② 植物が“時”を認識する仕組み

2009-02-02 09:07:57 | 植物の知恵と戦略

サクラはどうして同じ時期に咲くの?
花は“時”を告げてくれる。
フクジュソウが咲き、梅が咲き、チュウリップが咲き、サクラが咲く。
そしてだんだん春らしくなっていき、カレンダーがなくとも季節の推移がわかる。

時計のように正確ではないが、大体同じ時期に芽を出しそして花を咲かせる。
これを不思議とは思わないであるがままに受け入れてきたが、“どうして同じ時期に花が咲くのだろう”という疑問をもってしまった。

植物たちは、“時”を知っているから大体同じ時期に花を咲かせるのだが、この仕組みをひも解いてみることにした。

(写真)待ち遠しいサクラです(2008年4月清水公園のサクラ)


植物の“時”の認識
植物はその長~い長~い歴史の中で、天動説などに惑わされることもなく、地球は自転しながら太陽の周囲を回っているということをわかっていたようだ。

つまり、「冬至(12月22日頃)からは昼が長くなり、夏至(6月21日頃)から夜が長くなる。」というメカニズムを認識して活用していたことになる。

エジプトのピラミッドが東西南北の方位を正確に認識して作られていたとか、古代マヤでは惑星の軌道から“時”を計算していたなども不思議だが、植物が地球の自転・公転を活用して“時”を認識していたことには驚いてしまう。

ということは、「温度」もある程度はこれに関係してくるが直接的ではなく、「光」を感受して“時”を認識しているというのが答えになる。さらに驚くことは、“光”の明るさではなくその逆の“夜”の長さを認識しているという。確かに、昼間は、かげったりさえぎられたり光は不安定なので“夜”の長さの方が安定性がある。

言い換えると、植物は夜の長さを認識し花芽を形成する。という。
このことを「光周性(こうしゅうせい)」というそうだが、1920年に米国の植物学者ガーナー(W.W.Garner)とアラード(H.A.Allard)によって発見された。
この発見者も植物の賢さに驚き、あまりのすごさに絶句したのではないだろうか?

人間社会では、地球が太陽の周りを回っているという地動説がバチカンの教皇庁に認められたのは、なんと1992年だったのだから。

いまではこのメカニズムを利用して、電照栽培という電灯の明かりにより出荷時期に合わせてつぼみを作らせる花卉生産がされている。キクなどがその代表だが、年中花が出回ることになった。

人間にとってはハッピーだったが、植物にとっては知られたくないことが知られてしまったと臍をかんでいるかもわからない。
植物は、自分を残すために花をつける。正確には自分の遺伝子を残すために花を咲かせ実をつける。しかし、実・種子は人間の食料ともなるので花を咲かせることがコントロールできるようになれば、 『植物工場』が可能となる。
産業革命、IT革命のつぎにプランツ(植物)革命が来る可能性がある。IT革命の省資源化・低エネルギーのさきは、省資源化・低エネルギー・地球環境の保全(酸素を供給し、地球の温度を下げる働きもある)のグリーン革命かもわからない。
太陽光をエネルギー源とし、植物をソフトマシーンとした工場が出来上がるのだろう。

コメント