モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

2013年(平成25年)の出来事ランキング

2013-12-01 22:23:02 | 街中ウオッチング
“光陰矢のごとし”(time flies like an arrow and wait for no man)を特に感じる時期となりました。2013年もあとわずかとなり、特定機密保護法案、TPPなどこれからの日本の行き方を左右する大きなテーマが現在進行中ですが、この1年を振り返ってみました。記憶よりは記録というのが脳の老化防止に役に立つかなという意味でのメモです。

1位: Buy my Abenomics. (ニューヨーク証券取引所での安倍首相スピーチ)
2013年は、明るい話題が目につくようになりました。暗く長いデフレスパイラル下にあった日本に、アベノミックスという心地よい春一番が吹き始めました。円安・株高は輸出企業の決算を改善し、過去最高を記録する企業も出始めました。デパート等では高額商品が売れるようになり、凍りついていたタンス預金が春一番で融けはじめつつあるようです。
このまま春に向かって欲しいなと思いながらも、気象庁の「春一番」の定義をみると、「季節の便りであるが、災害予防情報でもある。」と書かれている。なるほど押えるところはしっかりと押さえているようだ。浮かれるだけでなく、災害の予防もしておきましょう!

2位: 2020年 夏季オリンピックが 東京で開催
夜道でも進む先に明かりが見えると心が勇気づけられます。2020年の東京オリンピックの決定は、7年先に向かっての日本に希望と勇気を与えてくれました。
この決定に先立つプレゼンテーションが素晴らしかったですね~。目標を達成するために計算された構成と内容もさることながら、特に注目されたのは、日仏のハーフである滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」でした。ともすると忘れがちな日本人の美徳を国際舞台で埃やカビを払い落しリニューアルしてくれた感があります。この「おもてなし」は、日本が輸出し世界で感動を生みだす最高のソフト商品ではないかと言われてます。
1964年に開催された東京オリンピックでは、首都高速道路・地下鉄・モノレール・ホテルなどが整備され、テレビアニメ、「サザエさん」、「ちびまる子ちゃん」などに見られる生垣に囲まれたのどかな生活の原風景はコンクリートで覆われかき消されました。
“コンクリートから人へ”という名文句で登場し2012年末に消え去った政策がありましたが、7年後の東京オリンピックの舞台は、人に優しいバリアフリーなどの都市デザインも含めた、これぞ「おもてなし」のお披露目となると良いですね。

3位: 富士山、世界文化遺産に登録
富士山がユネスコの自然遺産ではなく文化遺産に登録されました。文化遺産としては日本では13番目の登録で、“信仰の対象と芸術の源泉”という幅広い概念で日本のシンボル富士の霊峰が世界の遺産として認められたことは喜ばしいことです。
しかし、自然遺産に登録できなかったのは、“ゴミ問題”が解決できないという理由からですが、人が生活するところにゴミが付きまとうのは人類の歴史そのもので、貝塚など古くなればなるほど貴重な価値が生じます。しかし、今のゴミは大問題で、登山者・観光客のモラル・エチケットだけでは解決しそうもありません。3年後には登録見直しがあるので抹消という危惧さえありそうです。

4位: 消費税増税に!
平成26年4月1日から消費税が5%から8%に増税となります。安倍政権でのこの増税決定について、読売新聞の全国世論調査では、53%の方が「評価する」と答え、「評価しない」の41%を上回りました。増税前に財務省から国の借金額が1000兆円を超えたというニュースが流布され、“増税はしょうがないか”という環境づくりが反映したのでしょうか? 
しかし、資産の額はあまり知られていません。2011年度「国の財務書類(一般会計・特別会計)」では、負債は1088兆円で資産は629兆円。つまり、債務は459兆円ということになります。しかし、629兆円の資産の中には、橋・道路・防波堤など市場で値段がゼロに等しい“死産”が結構ある。というのが財務省の弁明ですが、それならば外郭団体・特殊法人・独立行政法人などの資産・負債などを加味したらどうなるのだろうか?
これを明らかにした公務員・マスコミは、機密保護法違反になるのだろうか?

5位: 参議院選で自民・公明が圧勝し、衆・参でのねじれが解消
これまで衆議院と参議院でねじれがあったため、“決められない政治”が長く続きました。これからは、過半数以上の賛成で成立する議案であればかなりの事が決められるようになります。 手はじめに「特定秘密保護法案」を衆議院・参議院でスピーディに通過させました。その後の共同通信社での世論調査では、「修正する」54%、「廃止する」28%と通過した法律への不安・反対が多い法律が出来上がってしまいました。この状態は次の衆議院選まであと3年間続くので、“決められない政治”も困ったものですが、近隣諸国から危惧される“決めこみ過ぎる政治”はもっと困ったことになりそうです。

6位: 問題山積の福島原発の汚染水対策・廃炉対策
なかなかうまくいかないのが福島原発の汚染水対策です。人為的なミスで汚染水が流れ出る事故ニュースが頻繁にあり、何かがおかしい? どこか違っているのではないか? など漠然とした疑問・不安を抱えたまま十数年を過ごしかねません。最前線の現場では、放射線被爆量が限度を超えた作業員は解雇となるので、ベテラン・熟練者を育てられないため、これからも人為ミスによる事故は起きそうです。
1960年代に始まった月に人を送り込むというアポロ計画は、不可能と思われていることを可能にしました。対処療法ではなくこのような新たなアプローチを採って欲しいなというのが疑問・不安を抱える人の願いではないでしょうか。

7位: 20年に一度の伊勢神宮の遷宮
伊勢神宮では、20年ごとに内宮・外宮等を造り替えて神座を遷す「神宮式年遷宮」が行われます。始まりは690年というので1300年以上の歴史の重みを持った行事ですが、この総費用が550億円というのも驚きです。
今風にいえばリフォームでやれば安上がりなのに、全てを20年ごとに造り替えるのはなぜか?という疑問があります。この理由として諸説あるようですが、大工として若い時に1回、熟練してもう1回たずさわれるので伝統技術を守り伝えていけるという説もあるそうです。
伝統を守るだけでなく、江戸時代に大ブームとなった“お伊勢参り”は日本初のツーリズムを生み出し、江戸からは片道15日間の徒歩旅で、1705年(宝永2年)には300万人以上(当時の総人口の約12%)が参拝したそうです。この道中の“弥次さん喜多さん”の騒動を描いたのが、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』で、その後に続く“旅の恥はかき捨て”という団体観光旅行の原型を作ったようです。確かに神社・仏閣の界隈には歓楽街があり、“キヨメ”と“ケガレ”は表裏一体ということなのでしょうか?

8位: 底なし沼になりつつある「食の偽装」
“阪急・阪神ホテル”から始まった、使用している食材と調理された料理名・商品名との不一致、いわゆる「食の偽装表示」問題が拡大しています。同業のホテル業界に横広がりし、さらにはデパート・有名レストラン・酒造会社・養殖業者など他業界へと飛び火・拡大しています。 根っこは、長く続いたデフレスパイラルの中で、値上げをしたいが出来ないので、原価を下げ利益を確保するという過程で、原価がさらに安い違ったものに変えて表示はそのままに。ということだったのだろうと思います。 ということならば、これからも続々とお詫び会見が続きそうだが、お詫びで終わらせて良いのだろうか?というのが素朴な疑問です。虚偽の表示は明らかな犯罪のはずなのに。

9位: TPP(Trans-Pacific Partnership )交渉に参加
世界の経済活動の中心は、地中海から大西洋に、そしてこれからは太平洋にという大きな流れがあり、TPPは、この太平洋を囲む国々が自由にヒト・モノ・カネを交流させるために、阻害しているコトを限りなくゼロにしていこうとする交渉で、合意形成されると巨大な自由貿易圏が誕生します。競争力のある産業・企業は伸び、競争力のない産業・企業は他国のライバルに置き換えられることになります。それだけに、生殺与奪を持っ存在なので、来年以降が厳しい戦いになりそうです。

10位: 今年のヒット商品は、コンビニコーヒー
煎れたてのコーヒーは、喫茶店・レストランなどの飲食業のものだったが、コンビニがこの常識を強烈に破壊し始めた。これを“際崩し”というが、セブンイレブンはレギュラーサイズ100円で今年初めに参入し、今年1年間の目標を4億5千万杯に上方修正するほどヒットした。
タバコ、おでんだけでなくコーヒーもコンビニにやられましたね。
1974年に施行された大規模小売店舗法で出店した郊外に立地するスーパー、ディスカウント店が、30年で駅前商店街をシャッター商店街にしたが、コンビニは、残った書店・タバコ屋・喫茶店のシャッターを閉めてしまうのだろうか? 


かみさんが運転できなくなり、63歳で初めて運転免許をとった私は、幸いにも買い物弱者にならないですんでいるが、大型商業施設を誘致した行政は、いまや、街の活性化と買い物弱者を救うために四苦八苦し始めている。便利・機能的・合理的という尺度だけでは30年は持たないということだろう。
TPPは、農業・漁業・林業などのいわゆる一次産業を根底から変えそうだ。シャッター商店街ならぬ電動シャッター標準装備の住宅街や広大な荒地とならないことを祈りたい。後継者がいない、後継者を育てられない家業・社業は残念ながら滅びてしまいそうだ。
このように2013年を俯瞰してみると、破壊・崩壊を伴っているがゆえに、これまでの枠組みでは捉えられない構造的な変化が起き始めているようだ。安住の地は格闘する場にしかないのだろうか。というのが〆になってしまった。


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