(写真)室町砂場の店舗入り口
神田駅から中央通りを歩いて日本橋方面に向かう裏手に『室町砂場』があった。
カピタン宿『長崎屋』を探して、三越、日本銀行本店、三井別館あたりをうろうろしていて地図をよく見るともっと神田よりで歩いて3分もかからないところに『長崎屋』跡地があり、その裏手にあったのが『室町砂場』だった。
この界隈は、江戸時代ならば繁華街の中心にあり、老舗和食のいい店が残っているところだがいまは寂れている。でも何かあるだろうと思い探したが、時間が3時を過ぎていて昼休みの店が多かった。
そんな中で、『室町砂場』が開いていた。
「天もりの大盛り」を頼んだが、出てきたのを見ると天ぷらがない。
そのうちくるのだろうと思ってそばを食べたら、つゆの中に何かが入っている。
なんと、海老のかき揚げが入っていた。
(写真)しるの中にあるのがこれが天ぷら
これは意外な展開になった。
期待したのは、冷たいそばをしるで食べ、ビールの肴に天ぷらをつまむ。こんなイメージだったが、海老のかき揚げが入った温かいしるでそばを食べることになった。
本日の1食目なので、味わうまもなく食べてしまい、さらに冷たいそばが食べたくなった。
キョロキョロと物色をしたが、3月で終わる季節商品「あられそば」が気になった。
大根おろしを荒くすりおろした丁度みぞれのような「みぞれそば」は、どこかの蕎麦屋で食べたことがあるが「あられ」は食べたことがない。
聞いてみたら、貝柱を卵でとじこれを上にのせた温かいつゆそばのようだ。
つゆそばは好みでないので、貝柱を肴としてもらい、もりそばを追加した。
この貝柱が美味しかった。生きのよいモノが手に入らないとやらないというだけのことがあり、かなり評価しても良さそうだ。さらに、付け合せの岩ノリが絶品だった。
(写真)あられそばの具だけ、貝柱
この店での通常の「もりそば」と「天もり」を比較すると、はるかに「天もり」のほうが美味い。どこが違うかというと、そばとしるの組み合わせにあり、普通の「もりそば」はつけじるがさほどでもなかった。
この『室町砂場』は、明治の初期に創業した老舗のそばやで、「天もり」発祥の店と自負している。たしかに自慢の逸品であることは間違いない。店からは値段が高くなる「天ざる」がお奨めのようだが、かかっているノリが不味いと台無しなのでもりしか食べないことにしている。しかし、岩ノリのレベルが高かったのでひょっとしたら大丈夫かもしれないと思いなおすことにした。次回は「天ざる」が楽しみになった。
付け加えると、1階には内庭があるのでゆったりと食べられる雰囲気があるのもいい。
生臭さが取れた大人のお忍びのデートにはいい店かもわからない。
150年も生き残った『天もり』のオリジナリティは強い。知らない人間になんか違うということを気づかせ、違いが理解できるとフアンにさせてしまいかねない。
いやまだまだ「神田まつや」の天もりの方がいいぞと思いつつも認めるものがあった。
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