2011年12月6日(火)天津財経大学 川端敦志
1.会話の能力をあげる方法は?
(1)国際交流基金のスタンダードを参考に、練習してください。
①正確さ ②流暢さ ③いろいろな話題 ④さまざまな場面
(2)2と3の方法を組み合わせて、実行してください。
2.日本語の映画を見ることは、会話と聴解に役立ちますか?
(1)ただ見ているだけでは、役に立たないと思います。
(2)役立つと思われる映画・ドラマ・アニメを見る方法。
①まず、基本的な日本語力を身につけます。
みんなの日本語1・能力試験N3~N2・新編日語1の聴解テープが聴き取れるレベル。
シンクロリピート・シンクロリーディング・リピート・シャドーイングが出来るレベル。
☆実例:聴解テキスト 第5課 自己紹介
②メモ用紙とペンを使います。
⇒「おもしろい」「きれい」「感動」「使える」表現を書き取ります。
⇒台詞以外に気がついたことをメモします。文化・習慣・方法・地名・ブランド名など。
☆実例:「曲がれ、スプーン」
③台詞を80%ぐらい覚えるまで、繰り返して見ます。
④ただし、「友達言葉」が多いものはお勧めできません。
同年齢の主人公が、いろいろな立場の人と話をするものがいいと思います。
⑤アフレコに挑戦します。
3.日本に留学しているとき、どうすれば会話の能力を上げることが出来ますか?
(1)日本人の友人(話し相手・相談相手・同じ趣味・ゼミ仲間・バイト仲間・ボランティア仲間)を作ってください。中国人同士だけで行動していたらだめです。
(2)いろいろな立場の人と、いろいろな話題で、いろいろな場所で会話をしてください。
(3)おしゃべり~スピーチ~討論まで、いろいろな「話し方」にチャレンジしてください。
4.どのぐらいのレベルの日本語力だったら、認めてもらえますか?
(1)逆に聞きたいのですが、どのぐらいの中国語だったら認めてもらえますか?
これは、認めてもらいたい人によって違います。社会人でしたら、ニュースを理解し、自分の意見を客観的に説明でき、相手の意見も理解することが出来る、というあたりでしょうか。ただし、辞書的な意味を理解するだけではなく、日本人の習慣・考え方・マナーも含めて理解していることが必要です。
(2)能力試験で言えば、N2の日本語が使える、N1の日本語が理解できる、というのが最低ラインだと思います。
(3)ただし、本当に活躍できる人材は、日本語だけではなくほかの力(知識・知恵・教養・思考など)も備えています。
☆実例:日本語で暮らそう4 15:45
5.単語を記憶する方法を教えてください。
(1)忘れるのを前提に、方法を考えてください。
(2)「繰り返し」・「イメージ」・「五感」・「創作」・「使ってみる」がポイントです。
①繰り返し…単語帳を5回繰り返す方法を考えます。一回目は知っている単語に印をつける、2回目は知らなかったけれど大事な単語を覚える、三回目は面白そうな単語を覚える、4回目は忘れてしまった単語を確認する、5回目は覚えていない単語を覚えていく…などです。
②イメージ…「りんご」という単語を聞いたら、「苹果」ではなく、りんごそのものを頭に浮かべます。できたら、色も香りも感じてください。あるいは、「りんごがある場面」を思い浮かべるのもいいと思います。
③五感…視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚をできるだけ使います。
④創作…例文・会話を作成します。
⑤使ってみる…実際の場面で、使ってみます。(相手が日本人じゃなくてもいいと思います)
☆実例:Lが持っている単語帳
6.簡単に聴解力をアップする方法を教えてください。
(1)簡単に、というのは難しいと思います。
どうしても、というのであれば、音楽を勉強してください。
(2)1で紹介した方法を試してみてください。
7.日本語に略語はありますか?
(1)はい、あります。KYが有名ですが、他にもMMなど、いろいろあります。
これは、若い人に聞くのが一番いいと思います。
8.日本に留学後、どうやって日本での生活に慣れたらいいですか。どんな政策がありますか?
(1)まず、自分の周りの人がどのように生活をしているのか観察をして、生活のルールを覚えてください。ごみの出し方・電車の乗り方など、中国と違う習慣があります。
(2)日本人は、いきなり友達にはなりません。知人から始めてください。相手が友達言葉を使うようになるまで、礼儀正しく接するのがいいと思います。
(3)特に女性は、清潔感・身だしなみが重視されるような気がします。
(4)日本にすでになじんでいる先輩がいたら、その人に助けてもらうのもいい方法だと思います。
(5)中国の文化を紹介するイベント・ミニ講座を開いて見たらどうでしょうか。
(6)日本人はお祭りが好きです。地域のお祭りにぜひ参加してみてください。
(7)政策については、自分が留学する地域の役所に問い合わせるのがいいと思います。
9.どのようにしたら、日本語学習環境をよくすることができますか?
(1)それを考えるのが、学習係の仕事ではないでしょうか。
(2)「ないものねだり」をしないでください。
財経大学とその周辺にある資源を活用する方法を考えたほうがいいです。北京にある資源を頼りにしていてはいけない、ということです。
(3)他の大学の学生と協力するのもいい方法だと思います。
10.質問にはなかったけれど、大切だと思うこと
(1)考えるための日本語
考えない日本語・覚えるだけの日本語は、電子辞書・パソコンに負けます。
また、コミュニケーションで必要なのは、相手の意見とその根拠を理解するということですし、自分が意見を言うときも、事実と意見を整理して話す必要があります。
ニュースや調査結果を分析し、分析の結果から考えられること(考察したこと)を、いろいろな立場の人と討論してみる、ということが必要になってくると思います。
(2)4年先・5年先の自分のために、勉強をする。
4年先・5年先の研究・開発をしてない会社はだめだそうです。それは、今はよくても、4・5年後に「時代遅れ」になるからです。
みなさんは、5年後に必要な日本語力というものを考えたことがありますか?
1.会話の能力をあげる方法は?
(1)国際交流基金のスタンダードを参考に、練習してください。
①正確さ ②流暢さ ③いろいろな話題 ④さまざまな場面
(2)2と3の方法を組み合わせて、実行してください。
2.日本語の映画を見ることは、会話と聴解に役立ちますか?
(1)ただ見ているだけでは、役に立たないと思います。
(2)役立つと思われる映画・ドラマ・アニメを見る方法。
①まず、基本的な日本語力を身につけます。
みんなの日本語1・能力試験N3~N2・新編日語1の聴解テープが聴き取れるレベル。
シンクロリピート・シンクロリーディング・リピート・シャドーイングが出来るレベル。
☆実例:聴解テキスト 第5課 自己紹介
②メモ用紙とペンを使います。
⇒「おもしろい」「きれい」「感動」「使える」表現を書き取ります。
⇒台詞以外に気がついたことをメモします。文化・習慣・方法・地名・ブランド名など。
☆実例:「曲がれ、スプーン」
③台詞を80%ぐらい覚えるまで、繰り返して見ます。
④ただし、「友達言葉」が多いものはお勧めできません。
同年齢の主人公が、いろいろな立場の人と話をするものがいいと思います。
⑤アフレコに挑戦します。
3.日本に留学しているとき、どうすれば会話の能力を上げることが出来ますか?
(1)日本人の友人(話し相手・相談相手・同じ趣味・ゼミ仲間・バイト仲間・ボランティア仲間)を作ってください。中国人同士だけで行動していたらだめです。
(2)いろいろな立場の人と、いろいろな話題で、いろいろな場所で会話をしてください。
(3)おしゃべり~スピーチ~討論まで、いろいろな「話し方」にチャレンジしてください。
4.どのぐらいのレベルの日本語力だったら、認めてもらえますか?
(1)逆に聞きたいのですが、どのぐらいの中国語だったら認めてもらえますか?
これは、認めてもらいたい人によって違います。社会人でしたら、ニュースを理解し、自分の意見を客観的に説明でき、相手の意見も理解することが出来る、というあたりでしょうか。ただし、辞書的な意味を理解するだけではなく、日本人の習慣・考え方・マナーも含めて理解していることが必要です。
(2)能力試験で言えば、N2の日本語が使える、N1の日本語が理解できる、というのが最低ラインだと思います。
(3)ただし、本当に活躍できる人材は、日本語だけではなくほかの力(知識・知恵・教養・思考など)も備えています。
☆実例:日本語で暮らそう4 15:45
5.単語を記憶する方法を教えてください。
(1)忘れるのを前提に、方法を考えてください。
(2)「繰り返し」・「イメージ」・「五感」・「創作」・「使ってみる」がポイントです。
①繰り返し…単語帳を5回繰り返す方法を考えます。一回目は知っている単語に印をつける、2回目は知らなかったけれど大事な単語を覚える、三回目は面白そうな単語を覚える、4回目は忘れてしまった単語を確認する、5回目は覚えていない単語を覚えていく…などです。
②イメージ…「りんご」という単語を聞いたら、「苹果」ではなく、りんごそのものを頭に浮かべます。できたら、色も香りも感じてください。あるいは、「りんごがある場面」を思い浮かべるのもいいと思います。
③五感…視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚をできるだけ使います。
④創作…例文・会話を作成します。
⑤使ってみる…実際の場面で、使ってみます。(相手が日本人じゃなくてもいいと思います)
☆実例:Lが持っている単語帳
6.簡単に聴解力をアップする方法を教えてください。
(1)簡単に、というのは難しいと思います。
どうしても、というのであれば、音楽を勉強してください。
(2)1で紹介した方法を試してみてください。
7.日本語に略語はありますか?
(1)はい、あります。KYが有名ですが、他にもMMなど、いろいろあります。
これは、若い人に聞くのが一番いいと思います。
8.日本に留学後、どうやって日本での生活に慣れたらいいですか。どんな政策がありますか?
(1)まず、自分の周りの人がどのように生活をしているのか観察をして、生活のルールを覚えてください。ごみの出し方・電車の乗り方など、中国と違う習慣があります。
(2)日本人は、いきなり友達にはなりません。知人から始めてください。相手が友達言葉を使うようになるまで、礼儀正しく接するのがいいと思います。
(3)特に女性は、清潔感・身だしなみが重視されるような気がします。
(4)日本にすでになじんでいる先輩がいたら、その人に助けてもらうのもいい方法だと思います。
(5)中国の文化を紹介するイベント・ミニ講座を開いて見たらどうでしょうか。
(6)日本人はお祭りが好きです。地域のお祭りにぜひ参加してみてください。
(7)政策については、自分が留学する地域の役所に問い合わせるのがいいと思います。
9.どのようにしたら、日本語学習環境をよくすることができますか?
(1)それを考えるのが、学習係の仕事ではないでしょうか。
(2)「ないものねだり」をしないでください。
財経大学とその周辺にある資源を活用する方法を考えたほうがいいです。北京にある資源を頼りにしていてはいけない、ということです。
(3)他の大学の学生と協力するのもいい方法だと思います。
10.質問にはなかったけれど、大切だと思うこと
(1)考えるための日本語
考えない日本語・覚えるだけの日本語は、電子辞書・パソコンに負けます。
また、コミュニケーションで必要なのは、相手の意見とその根拠を理解するということですし、自分が意見を言うときも、事実と意見を整理して話す必要があります。
ニュースや調査結果を分析し、分析の結果から考えられること(考察したこと)を、いろいろな立場の人と討論してみる、ということが必要になってくると思います。
(2)4年先・5年先の自分のために、勉強をする。
4年先・5年先の研究・開発をしてない会社はだめだそうです。それは、今はよくても、4・5年後に「時代遅れ」になるからです。
みなさんは、5年後に必要な日本語力というものを考えたことがありますか?