天津ドーナツ

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サークルを、ノリだけで運営しないでください

2012-08-23 15:03:38 | 顧問・アドバイザーから
国際的な学生サークルという触れ込みの団体が、「日本語教師インターン」というプログラムを作成し、一人の女子学生をルーマニアに送り出しました。

とはいっても、実際の手続きは、本人が現地の事務所と連絡をとって進めなければいけないようです。

その結果、現地の空港に深夜に到着、そこから自力で駅に移動し、3時間の列車による移動をすることになりました。



ところが、空港についた所まではツイッターで確認できていたものの、その後、行方不明になり、

捜索の結果、暴行された後、殺害された状態で見つかりました。

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この事件が起きる前から、日本では「海外に行け」「自分を磨け」と言う人が多くなっています。

「海外に出た経験が成長につながる」という人もいます。



しかし、私が初めて海外に行きたいと思ったとき、職場の上司は「何も特技がない人間は、海外でも相手にされないぞ」と言って、自分をある程度磨いた上で海外に行くように諭してくれました。



今は、日本語教師としての勉強をしなくても、サークル活動のノリで、海外で日本語を教えることができるということに驚きましたし、何より、送り出すほうも迎えるほうも、全く組織としての体をなしていないということに、憤りを憶えます。

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多くの学生たちは反対するでしょうけれど、学生達が自分たちのノリだけで行動をしたら、どういう結果になるのかを想像してほしいと思います。

今回のように、女性一人を海外に送り、深夜に行動させるという発想は、社会通念から大きく外れています。

もし、一般の旅行会社がこのようなスケジュールを組んで事件を起こしたら、その会社は間違いなく潰されますが、学生サークルであれば許されるのでしょうか。



ここ天津でも、「学生たちの受けがいい」「学生たちのノリにあわせられる」「学生たちをノセラレル」先生が、いい先生だと思われているようです。

日本語が多少上手になっても、ノリでしか行動できない人間を大量に作り出す、それがまっとうな日本語教育だとは私には思えません。



この国際的な学生サークルの日本における責任者は有名大学の教授との琴ですが、

社会に通用する組織は、学生サークルや熱血教師のノリでは作れないということを、私自身が肝に銘じたいと思います。

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