むかーしむかし、あるところに若い先生がいました。
荷物は、まるで旅行鞄のような大きなバッグと、これまた大きなトートバッグを持って通勤してました。
大きなバッグには、A4ノートパソコン、ノートパソコンと同じくらい大きなモバイルプリンター、ジャージ上下、その他仕事道具でパンパンでした。
トートバッグの中には40名近い子どものノート、宿題で出している日記、テストやプリント、校務分掌の仕事が入っていました。
残業して家に帰ると、夕食だけ急いでたべて、12時過ぎまでノートに丸つけ、間違い直し、日記のコメント、テストの採点、校務分掌の文書作りをしました。
12時過ぎてから風呂で烏の行水をして、布団にバタンキュー。寝るのは毎日1時〜2時でした。
同じ荷物を持ち帰っても、週に何回かは疲れて寝てしまい、夜10時過ぎに起きて、深夜2時3時まで仕事をした事もあります。
これ、僕の若い頃です。僕の若い頃は、若い先生はみんなこんな生活でした。
当然ですが、病気になりました。健康診断で要精密検査と判定された時、まだ講師だったので、もしかしたから首を切られるかもと、真っ青になりました。
そんな生活を続けて10年ほど経った時、教室で突然倒れました。
立ち上がれなくなり、呂律が回らなくな。ました。
病院に運ばれ、点滴を打ち、1日、病室のベッドで安静にしていました。
幸い、この時は何でもありませんでしたが、
無理をしたら、身体がどうなるか、身をもって体験しました。これからも無理を続けたら、脳梗塞などでの突然死があると医者に言われました。
それから、ライフワークバランスを整えるようになりました。
1番は、仕事を家に持ち帰らない事です。
持ち帰らないと決めると、それに合わせるように、仕事を改善しました。
丸つけをしないよう、プリントを極力減らしました。
ドリルの丸つけは子ども自身でできるよう、システム化しました。
テストは勤務時間内に評定処理しました。
校務分掌の文書は、休み時間や放課後の勤務時間内に書きました。そのため、同僚との無駄話を避けました。
パソコンは持ち歩くのをやめ、USBメモリを持ち歩きました。
地域でUSBメモリを紛失した先生が処分された後は、それすら持ち歩かなくなりました。
こうやって、持ち帰り仕事を一切やめたのです。
持ち帰り仕事をしなくなって思うのは、今まで仕事に無駄が多かった事。やりくりすれば、勤務時間内になんとかできるのです。
たまに、仕事が重なり、定時に帰れない日がありますが、それでも「6時には退勤」と机に貼り、それは守っています。
おかげで、帰宅後は、寝るまでの時間を悠々自適に過ごしています。体調もすこぶる良好です。
あなたも、持ち帰り仕事をやめたら、仕事が効率よくできるかもしれませんよ。