今や、全国的に行われている自学ノート。
B5ノートに子ども自身が、自分で課題を見つけ、1ページまたは数ページ、家庭でやってきます。
学校全体で宿題として、取り組んでることも多いです。
ネットや教育論文を見ると、自学ノートの素晴らしさがたくさん書かれています。
では、本当に、自学ノートは子どもに学力をつけるのでしょうか?
僕が担任していた子達の様子をお知らせしましょう。
ちゃんとやる子もいれば、お絵かきで終わったり、「今日は何もなかった」と大きな字で書いて平気で提出する子もいました。
先輩の先生にどうしたらよいか相談すると、
「たった一行でも、その内もっと書く様になるから、丸つけてアドバイスを書きなさい」と言われました。
でも、だんだん書くようになる子は、ほとんどいません。
子どもからすれば、この程度で宿題は○なんだと誤学習して、いい加減な内容が続くだけです。
毎日しっかりやってくる子と、いい加減な子の二極化していきます。
自学ノートは否定しませんが、いい加減な内容は否定します。
それは自学、つまり自主学習では無いからです。
いい加減な子には、休み時間にやらせたいところですが、無理強いする時点で自学ではなくなります。
なぜ、子どもは自学ノートが書けないのか?
なぜ、家庭で自主学習ができないのか?
自主学習は、学び方を身につけてないと出来ません。
かしこい子たちは自然と自力で出来ますが、下位の子たちは、そもそも何をやっていいか分かりません。
さらに、インプットが少なければ、当然アウトプットはできません。
小学校低学年は、授業等による、学習のインプットによる内部情報が少ないです。
当然、自学ノートにアウトプットできません。インプットの少ない高学年や中学生も同じくアウトプットは難しいでしょう。
自学ノートは、
1.自主学習の仕方を身につけている。
2.アウトプットできるほどの大量の内部情報がインプットされている。
ができていないとかけません。
だから、自学ノートは大変高度な学習で、家庭でやるのには無理があるのです。
もし、やらせるのなら、以下の手立てを取ります。
自学のメニュー例を書いたプリントを1ページ目に貼らせます。
毎日、上手な子のノートを紹介します。
出来れば、学級通信などに載せて、保護者にも知らせます。
普段の授業でも、見開き2ページノートまとめなど、自学につながる内容を教えます。
上記のような手立てをとっても出来ない子は、自学プリントを配布してノートに貼らせます。自学ではなくなりますが、やらないよりマシです。
または、自学ノートをやめてしまう。一斉指導する学級では、全員が出来ないことをさせるのはナンセンスだと思います。
自学ノートをやらせるなら、自学が出来るまでの技能をしっかり教室で身につけさせる。それができないなら、やらせない。
なんでもそうだけど、教えてないことを、自分で考えてやれと言うは無理です。
大人でもそうでしょ。
いい加減にやっていいと言う、誤学習だけはさせないようにしましょう。