HEY HEY MY MY

和・洋問わず音楽を聴いて、思ったこと、感じたことを時々、こそっと、書きます。

浜田省吾 『JBOY』

2008年02月04日 | JPOP
 アメリカで、ブルース・スプリングスティーンが、「Born in the USA」を歌い、その後、一時、「アイデンティティー」を歌うような曲がブームになった。
 ナショナリズムを鼓舞するような歌も出現した。

 最近は、過去の日本の歴史の解釈を「自虐史観」とする思想潮流もあるが、少なくとも80年代の日本は、今以上に過去の歴史に無頓着であった。森村誠一氏が「悪魔の飽食」という著書で、日本軍の関東軍731部隊の戦時中の悪行が、驚きをもって世間に明らかになった頃でもあった。

 浜田省吾は、明確に戦争を否定し、個々を競争原理によってコントロールする日本の社会体制に対しても、明確なスタンスを持っているソングライターであろう。
彼は、『J-BOY』というアルバムを発表し、強いメッセージを発した。
 その後、時代はバブル経済に振り回され、能天気な歌が日本の音楽業界を圧巻した。逆流に逆らうように、ブルーハーツ、エレカシなどが骨のある歌を引き継いだようではあったが。

 時を経て、浜田省吾はまだ現役である。ぜひ若い世代に、バラードだけではなく、もう一つの彼の側面にふれてほしいと願っている。

『J-BOY』(Youtube)

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