女社長のブログ《伴海日記》

おかげさまで今年は10周年を迎えます
伴海エンタープライズ株式会社の社長であり歌手
浜砂伴海の日記

先生のお誕生日に

2011-05-29 | 

尊敬し、お慕い申し上げた、

清水末子先生が亡くなって、もう10年になる。

お誕生日と、命日、そして海外に行くとき時や帰って来た時など、

鎌倉霊園にお参りするのは、楽しい遠足のひとつだ。

京急で金澤八景。そしてバスに乗って行く。

峠を吹き渡る風は、身も心も洗い流してくれる。

やはりあそこへは、青い空の日に行きたい。

 

いつもピアノの上にある先生の写真を、窓辺に持って来た。

先生の好きなガーベラを飾る。

ご主人が出征なさる時、お家で撮った写真に、

ガーベラが映っていたそうだ。

モノクロの写真だが、

それが真っ赤なガーベラだったことを覚えてるとおっしゃっていた。

私がいつかガーベラの花束を差し上げた時に聞いたお話。

 

戦争で、愛する人を亡くし、

「髪の毛1本も帰って来なかった」

感傷も愚痴も無く、クールだった。

「だけど、この胸の扉をぱっと開けると、いつもそこに居るのよ」

 

厳しくて厳しくて、「歌=悩み」

私にとって歌なんて苦しみの他なかった・・というほど厳しかった先生。

いつになっても「OK」が出ない。

いつになっても納得がいかない。終わりなんて無い。

それはそのまま私に受け継がれた。

だから、今私は歌ってるのだと思う。

 

先生の写真と形見を目の前に置いて、

私には何も良い報告が無い。

叱ってもらいたいのだな。

先生に、まだ甘えている。

 

 

先生に頂いた、ブローチ。私の上着の襟にご自分でつけてくださった。

ネックレスは、形見分けでいただいたもの。トルソーの色のトーンとそっくりだ。