最後の魚
2011-08-03 | 美味
父は釣りの名人だった。
そう、釣りバカの浜ちゃんだった。
魚用の大きな冷凍庫から、父が釣った最後の魚が出て来た。
7月に釣った「イサキ」を、解凍してお皿に。
うーむ。これがラストか。
当たり前だった、父が釣ってきた魚。
私たちはいつも、新鮮な、美味しい魚を、当然のように食べていた。
ゴージャスな金目鯛。かわいい花鯛。アジやイサキ。
時には烏賊を釣って来て、沖漬けを作ってくれた。
父は釣った魚を、自分で調理した。
さばいて、お造りにしたり、形よく焼き上げたり、からりと揚げてくれたり。
父の最後の魚。
味わって、味わって、しみじみと。
美味しいなぁ。
お正月は、化粧塩も美しく、鯛の尾頭付きが定番だった。
来年から、淋しくなるね。