べっぴん
2012-02-25 | 徒然
顔面ぴくぴくになりながらも、せっかく朝方までかかって書いた
大量の手紙を出したくて、またもや週末の郵便局本局。
そのあと京成関屋から、青砥経由で京成成田まで。
これ結構快適かも。車内には大きなスーツケースごろごろ。
ああ。飛行機乗りたい。パリ行きたい。
成田からバスに乗って、ハナエさんの病院へ。
病室が別の階に移っていた。ちらっと悪い事も想像したが、
思いのほか、元気そうなハナエさん。ああよかった。
が、今日はお昼ゴハンが無かったなんて言ってる。
ご家族が、出たけど食べなかったんでしょうと言うと、
「食べさっしゃらんかった」
そこにちょうど看護婦さんが来た。
「お昼食べたでしょう?」
そんなどこかで聞いたような会話を聞きながら、
私はちょっとさびしかった。
いつも頭脳明晰なハナエさんなのに。。。
ところが、看護婦さんがテレビの話。テレビはいつも消えている。
「明日はのど自慢が有るから見なくちゃね。ハナエさん歌上手なの?」
するとハナエさんはニコニコ笑って照れた。そして私を指差して、
「この人は歌手なんだよ」
泣きそうだった。
私は思わずハナエさんの手を自分の両の手で握った。
「ありがとう。ハナエさん」
わかっているんだ。わかってくれているんだね。
ハナエさんの顔を上から覗き込みながら、
つくづく綺麗な人だと思った。
「べっぴんさんだねぇ。ハナエさん」
バラ色の唇をぺろっと舐めて、長いまつげをぱちぱちさせて、
まあるい目で私の顔をじっと見つめ返し、
ふわぁ~っと、花が咲くように笑った。
いつもの、ハナエスマイルであった。
これでまた元気になってしまった、私。
ありがとう。べっぴんさん。