走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

白衣を着ない病院 - 初台リハビリテーション病院

2009年02月02日 23時05分21秒 | その他
 講談社発刊の「セオリー」2009 VOL.1 を手にして見ていたら、その中の特別企画「最高の病院を求めて」の中に酒向正春先生の初台リハビリテーション病院の紹介記事が出ていました。

 酒向先生は愛媛県出身で、「健康医療福祉都市構想」の生みの親でもあります。
 私たちは、それがご縁で超多忙な酒向先生に無理を言って、松山で勉強会を開催しています。
私の仕事とはジャンルがまったく異なるのですが、その勉強会に参加していると先生の話の見識の広さや経済的な感覚等など、新しい発見やさまざまな学びがあります。

 さて、酒向先生のおられる初台リハビリテーション病院がどんな病院かについて、ご紹介しましょう。
同病院は、2000年に回復期リハビリテーション制度ができ、全国のモデルケースとなるべく誕生した総合リハビリテーションの専門病院であります。
この病院は、長嶋茂雄氏やオシム氏の社会復帰に大きく貢献したことでも知られています。
 そして、酒向先生はこの病院を引っ張るリーダーであります。

 この記事で知ったのですが、同病院では白衣を着たスタッフが一人もいないということです。
制服はカラーシャツにスラックスという軽快ないでたちです。(写真で観ると)
これは、リハビリをする人自身に「患者」という意識をなくしてもらうためだというのです。
なんというきめ細かい演出でしょう。
でも、なんでもないことですが本当に大切なことだと思うのです。

 なによりもスタッフの充実ぶりが凄い。
酒向先生をはじめとする12名の病棟医師、リハビリ専門ナース・ケアワーカー157名、理学療法士83名、作業療法士76名、言語聴覚療法士28名という破格な数のセラピスト陣など、総勢416名という「圧倒的マンパワー」を擁しています。
初めてこの話を聴いた時には、本当に経営が成り立つのかと思ったのですが、ユニークな経営ノウハウが十分採算の取れる病院経営へとつなげておられます。

 またこの強力なマンパワーによって、「朝から晩まで病院生活すべてがリハビリ」という発想で、リハビリルームでの訓練に留まらず、実生活の環境を持ちこみ行動すべてが訓練になるようにしておられます。
私も、スウェーデンでリハビリ訓練を見たことがあるのですが、退院後のことが大事だと言っていたのが思いおこされました。
このことを実践している病院が日本にあるというのは驚きです。

 酒向先生の中には、絶対治す、絶対に寝たきりにさせない、そして再発を予防するという強い信念がいつも話の中に出てきます。
私は、こんな酒向先生が大好きですし、なんとか愛媛県の人たちにこの環境が味わえるようにお手伝いできればと思っています。