走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

再生の町

2009年09月19日 22時05分25秒 | つぶやき
 土曜日の夜にNHK総合で「再生の町」というドラマをやっています。
 市長公約の宅地開発とその裏に潜む利権闘争、一方それを実現するためには多額の借金を抱えなければならない。
しかし、町の財政状況は悪化の一方で、その財源を生み出すためは、さまざまな事業の廃止や延期、削減をしなければならない。

 行財政削減に取り組む担当者は、現場を見て、現場の声を聴くたびに苦しくなる一方である。
その立場に立ったことのある者として、切なくなる。
ストレスが異常なまでにたまった時期である。

 このドラマの台詞の中に、「宅地開発は確かに地域経済に活性化を与えるかもしれない。しかし、火事や地震になった時、消防自動車も入れないところがあれば市民の生命が守れない。どちらを優先するかということを考えた時、私は市民の安全や生命を優先すべきだと思う。」
 確かにそう思う。  
 事業に優先順位をつけてきた者として、でもこの観点が徹底できていたかというと首を傾げる。
 むしろ、前職にあるときは経済最優先で、そのような言動や行動をとってきた。
教育の場に身をおき、自分の幼稚さにやっと気づく。
自分の思い込みだけで判断していたような気がする。
もっと多面的に判断すべきだったのではないかと後悔する。
 そして、もっと時間軸を延ばした発想すべだったと思っている。

 高度成長期が続いた時期、マンモス校が増えた。
 子どもたちに好い教育環境を整備するという目的のもと学校を分離し、新設校を作った。
 その時の校区の決め方は、道路など地図でわかりやすいように境界線を引いた。
 その地区の歴史や伝統芸能、風土といったものを「煩わしいもの」として排除して、こちらの事情で線を引いた。
 その結果、公民館区と中学校区の境界線にひずみが生まれる。
 そして、地区の体育祭と小学校区の体育祭の集まる人たちが一緒にならなくなった。
 昔からこの小学校で地区の体育祭に参加している人たちが、時間経過とともによそ者のように見られる。
ほとんどこちらの勝手だけで引いた境界線のために一部の地区でコミュニティが壊れ始めている。
 「先人がやったことで...」と言いたいところだが、口が裂けてもいえない。
 自分たちが今何気なくしている仕事で、後輩たちだけでなく、市民にどれだけ影響がでるかくらいは、もっと考えながら仕事をしようと思う。