走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

熱血!ホンキ応援団

2010年06月12日 23時20分58秒 | ちょっといい話
 皆さんは、土曜日の19時からテレビ朝日系で「熱血!ホンキ応援団(番組ホームページ  http://www.tv-asahi.co.jp/nekketsu/)」という番組が放映されているのをご存知でしょうか?
 この番組は、ホンキで頑張っている人をホンキで応援する、ドキュメントバラエティです。

 今日は、『赤字の洋食店を立て直したい!』そんな62歳の吉祥寺の洋食店店主・怱那義昭さんのために、人気シェフ川越達也が立ちあがるというもの。

 忽那さんは、約30年前に、アメリカで人気店を経営していたことがある実力の持ち主。
しかし現在では、時代の流れにのれず赤字経営が続いていた…

 そこへ、人気シェフ川越達也が店の再建を目指し訪れる。

 川越シェフは、忽那さんにお客さんが遠のいたわけを自分なりに見つけ出させるところから始めました。
ここからスタートしたのは、「今のお客さんの嗜好はこのような味です」と教えるのは簡単ですが、それでは一過性で終わると判断したためだと思うのです。

 まず、店の前に定点カメラを備え付け店の前を通る通行人の年代を自ら集計させたのです。
今までの「おいしいものをつくっておれば、お客さんの方からやって来る」といった待ちの姿勢をかえる必要性もあると判断したからでしょう。
川越シェフは、何よりも忽那さんの意識改革にこだわったところがあります。

 次に、忽那さんのつくる料理を試食してみて、「料理が枯れている!」と川越シェフは言い放つ。
その味が現代人にそぐわないことを自ら売れている料理を作り比較させたのであります。
そしてただ一言、「今の若い女性が好む味はこういう味です」と言い放つ。
しかし、レシピは教えない。
それは、川越シェフが忽那さんを一流のシェフだと認めていたからでありましょう。

 忽那さんにとって料理の味を変えるということは、過去の栄光とプライドをすべて捨てることだったのです。
そのことを悩む彼を奥さんが「今のお客さんに合わせて味を変えたらいいんじゃないの」と後押しをします。
その一言に、忽那さんはすべて捨て去ることを決断します。

 そうと決めたら、実力のある忽那さんの動きはモーレツでありました。
そして、「女の料理」と「男の料理」の二通りを創りあげます。
メニューを二つ創りあげたのも忽那さんがきちんとターゲットにあわせて何をしなければならないか、しっかりと受けとめていたからでありましょう。

 そして、試食の日、川越シェフが「女の料理」を食べて納得をし、続いて「男の料理」を食べ終わると涙をこぼし始めます。
「今まで大変えらそうなことを言いまして失礼しました。最高においしいです」
職人の意地にも似た、男と男の真剣勝負だったからこそ自然と出てきた涙でしょう。

 また店再建の裏に怱那親子の感動秘話も隠されていました。
忽那さん夫婦は子どもさんに恵まれなかったために5歳の子どもを養子にしていました。
その息子さんも19歳。
今は消防学校に入り、消防士を目指しています。
そして、リニュアールオープンの日、最後のお客さんはその息子さんでした。
息子さんは、食べ終わると
「おいしかったです。
 5歳の時にこの家に来た時から父さんは厨房で調理していました。
 その背中をずっと見ながら『かっこいい』と思っていました。
 僕も父さんのような人になりたいと思いました。
 (今は、道はちがうけれど)私が消防士としていつか父さんを支えます。
 どうか、それまでがんばってください」と

 この親子の歴史を顧みたとき、忽那さんがどれほど真摯に仕事をしてきたかがわかります。
でも現実は、そんなに甘くないのです。
外部環境の変化やお客様のライフスタイルの変化などなど、変わらなければならない部分があるのです。
それを自覚した忽那さんの勇気と努力に敬服するとともに、今後の繁盛を願いたいと思います。