走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

一生懸命なお客様

2009年02月13日 23時18分56秒 | その他
 私の職場には、いろいろな人が尋ねてきてくれます。
 名刺交換をして、一年間ずっと音信不通のお客様が突然、連絡をくれるということも珍しくありません。

 そして、昨日、珍しいお客様が尋ねてきてくれました。
 初めてお会いした時に、社会教育の必要性について熱く語ったような気がします。(何といい加減な!!)
 そんな私を覚えていてくれていたようで、相談に来てくれました。

 内容は、ある分野の地域社会システムを作るために社会教育活動を組み合わせないかということでした。

 相談にのるときに、私なりの判断基準を設けています。
 それは、次のようなものです。

 ①社会性や公益性の高いものか

 ②理念や哲学がしっかりしていて、ぶれない情熱を有しているか

 ③構築しようとしている地域社会システムの中の登場人物を的確に把握しているか
 また、その登場人物に何らかのウィンが発生するか

 ④視点が長期的かつ広角的で、さらに鳥瞰的に見ているか

アドバイスもこんな内容で進めるのですが、聞き上手な方だとこちらも図に乗ってついつい相手の迷惑も考えず、話し込んでしまいます。

 こんな私で本当によかつたのでしようかねぇ...

頼もしいお客様

2009年02月12日 23時00分20秒 | その他
 今日、愛媛大学の教育学部の男子学生が二人尋ねてきました。
 KY君とHS君。
 将来、先生を目指す若者である。

 尋ねてきてくれたのは、新年度、本市が進める子どもたちの健全育成に関連する事業を聞きつけ、自分たちに何か手伝えることができないかという、ありがたい申し入れでありました。

 まっすぐな若者たちでした。
 自分の学生時代と比べると、はるかに高邁な精神を有しているなというのが、偽ざる思いでした。
白松先生の後押しで来たのかもしれないと思いながらも、自ら一歩踏み出してきた彼らを、素直に褒めてあげたいと思います。

 一方で、彼らに何を返せるのか思いをはせながら、ともに子どもたちと過ごす時間を少しでも多く持つことで、お返ししようと思います。
時に私たちダメおやじたちを反面教師にしていただいて結構だと思います。

 彼らが素敵な先生になるよう、皆でいじろうと思っています。

教育サポーター事業

2009年02月11日 22時56分59秒 | その他
 今日、教育サポーター事業の研修に参加してきました。

 本事業は、文部科学省の地域の教育サポーターを育成する目的で立ち上がったものです。
私たちは、放課後子ども教室の需要が今後、増えていくことを予想すると、いかに多くの良質な学びの場を提供するかが今後課題になるとともに、良質な人材を提供することが大切だと考えました。
 そのためにはこの事業を活用して教育プログラムと人材育成プログラムを開発し、実際に人材育成のための研修を行うことで、その課題に対応していこうと思ったからです。

 また、私たちが目指す放課後子ども教室のコンセプトは、「子どもたちの笑顔があふれる場づくり」です。

 このことに共鳴してくれた愛媛大学の教育学部の若い先生たちが、今回、立ち上がってくれました。
先生たちと事前にさまざまな角度からお話をさせていただきました。
放課後子ども教室を活用して、子どもたちにさまざまな学校教育とは異なるユニークな教育プログラムを提供したいと。
また、社会環境の変化を受け入れるような教育プログラムも準備したいと。
 かなり欲張っているとは思ったのですが、とても大切なことだと思っています。
先生たちは難しいという前に、私たちのこのような取り組みをおもしろがってくれて、積極的に協力をいただけるようになりました。

 そして、今日、すでに放課後子ども教室に携わっている人たちや教員OB、愛大教育学部の学生さんたちにご参加いただき、開発した人材育成の研修プログラムを活用した研修を行いました。
 参加者の選び方は、現場でご苦労をされている方、教えるプロとこれから教えるプロを目指そうという人たちを一同に集めてシャッフルしたらどうなるか、挑戦的な行動だとは思いましたがやってみました。
でも、愛媛大学の先生たちの演出(??)のおかげもあり、老若男女が一つになって研修を受講してもらえたと思っています。
 また、この研修プログラムはちがったノウハウも入れたいということで、民間企業の人材育成手法も取り入れてもみました。
ここらあたりを柔軟に取り入れられるところに、放課後子ども教室のよさがあります。

 本当に無理難題を申し上げたにもかかわらず、このことに協力をいただきました愛媛大学教育学部の白松先生、日野先生、杉林先生、関係者の皆さま、この場をお借りしてお礼申し上げます。
 


 立石先生から、教育サポーターとしての使命が何であるかの説明をしていただきました。


 日野先生によるゲーム感覚を取り入れた体操です。これでそれぞれのチームの心が一気に一つになりました。これを活用すれば、子どもたちのつかみOKですね。


 白松先生の子どもたちの学びのマインドの高め方講座です。


 わかりやすく寸劇による手法は、受講生にかなり実感をもって受け入れてもらえていたように思います。

挨拶ができない

2009年02月10日 22時32分39秒 | その他
地元経済界の代表の方の話を拝聴していて、赤面したことがあります。

その方の話はこうである。
「わが社では、毎年、子どもたちの職場体験として多くの機会を提供しています。
 しかし、最近気づいたことがあります。
 それは、子どもたちがあいさつをしなくなったということです。
 なぜだろうと思っていたら、その原因がわかったような気がします。
 引率してきた先生があいさつをしないのです。
 これには、驚きました。
 そして、中にはきちんとあいさつできる先生もいらっしゃる。
 そういう先生の名前はすぐ覚えます。
 でも、冷静に考えると、前はあいさつすることが当たり前だったんです。
 それだけ、何かおかしくなったんですよね。」

思わず、
 「すみません。」と反射的に謝ってしまいました。
 「あいさつは大事です。」と私も部下たちに教えているつもりです。
 でも、本当にあいさつを返してこない部下がいるのが事実です。

 口が重いためかというと、仕事の説明をさせるときちんとできるのです。
 それだけに、「何で?」なのであります。

 ひょっとして、「あいさつをされたら、あいさつを返す」ということを誰も教えてない?
「まさか!?」
でも、そのまさかかもしれない。
教えられていないから、ずっとしなかった。
だからできなくなった。
...考えられる。

 常識を非常識と捉えなければならない時代なのであります。
 知らないことを怒るのではなく、知らないことを教えられる大人にならなければと思うようになりました。

 口やかましい親爺のススメ!!

 

技術だけでなく人間性を育てる

2009年02月09日 20時42分11秒 | その他
 昨夜、TBSの「夢の扉」を見ていて、この不況から脱出するためのヒントを見つけました。

 番組はあるホテルの備え付けの家具から始まります。
その部屋は家族向けの部屋でしたが、その家具は遊び心いっぱいです。
家具の下横には「トム&ジェリー」のジェリーが出てきそうなドアがついていたり、子どもたちが触れても大丈夫なように丸みを帯びていたりと、宿泊客が思わず欲しくなるような家具です。

 そして、その家具を作っているのがこの不況下で全く影響を受けていないという神奈川県横浜市にある秋山木工です。
その社長を務めるのが秋山利輝さん。

 秋山さんの会社で働く職人たちは、全て秋山さんが一から育てた職人ばかり。
会社は丁稚制度を甦らせ、もの作りに取り組む若手職人を育成し、世に送り出し続けています。
秋山社長の育て方は徹底しています。
新人に炊事当番をさせ、仕事前に社員全員で会社の周りを清掃させます。
掃除が中途半端だと徹底して怒る。
子どもたちは仕事と関係ないことで、なぜこれほどまでに怒られるのか、最初は気づかない。

 社長は続けて言う。
「技術は、そのうち身につく。大事なのは人間性。人間性が作品に出る。」
 だから人として何が大切かを教える。

 私たち大人はいつのころからか、子どもたちと真正面から向き合うことを避けるようになったような気がします。
 私たちの親たちが、あれほどまでに子どもたちに向き合ってくれていたのに。

 秋山社長を見ていて、何が大切かを教えられたような気がします。

北条地区文化祭

2009年02月08日 19時46分12秒 | その他
 今日は北条地区の文化祭に午前中行って来ました。
 この文化祭は、今年で3回目と歴史的には浅いのですが、ずっと見てきたものとしては、ずいぶんと定着してきたなというのが正直な気持ちです。
 当初は、地域の人たちになかなか受け入れてもらえなかったところもありますが、今はさまざまな人達が参画いただき、風物詩の一つになろうとしています。

 これも、最初は一人の公民館主事の熱い思いからスタートしたような感がありますが、見事につながったと思います。
 私たちの仕事は、決して歴史に名前を刻むような仕事ではありませんが、常に地域の縁の下の力持ちとしてやりがいのある仕事です。
 このことを理解して行動するか、理解しないまま行動するかで、自ずと得るものもちがってきます。
 このように継続して事業を見させていただくと、地域の人たちの思いや笑顔が伝わってきて、こちらもやりがいにつながります。
 この文化祭が、ずっと繋がっていきますことを祈っています。

 橋本公民館長をはじめ、関係役員の皆様、そして池田創作公民館主事お疲れ様でした。

 
 ロビーのパネル展です。


 すごい力作が目を引きます。帆船の模型です。


 盆栽もなかなかの力作が多かったです。


 折り紙細工、きれいでしたよ。


 干支が牛なので、今年は写真のような牧場が出来上がっていました。


 地元小学生によるコーラス①


 地元小学生によるコーラス②


 市内で一番小さな子どもたちの水軍太鼓演奏です。(北条幼稚園園児)

後輩の山口君の結婚式

2009年02月07日 21時42分29秒 | その他
 今日、平成18年の秋に臨時職員として当課に配属された山口君の結婚式でした。
彼は平成19年4月から私たちの後輩になりました。
彼の仕事ぶりは勤勉で、先輩たちの仕事を見聞きし、必死で覚えようという姿勢がありました。
 また、彼は毎日、誰よりも早く出勤し、みんなの机を拭いてくれました。
内心「続くのかな」と思ったのですが、最後まで続きました。

 今日から、山口君には沙織さんという強い味方ができます。
 もっともっと成長することでしょう。期待していますよ。

 末永く、お幸せに。

新郎・新婦入場です。

ケーキ入刀です。

仲睦まじく「あ~ん!!」

故郷の友人たちと急遽つくった「宇和ボンチーズ」の演奏

演奏のお返しに新婦から手づくりギタークッションのプレゼント

かわいいエンゼルからのお花のプレゼント

屋台村マジック

2009年02月06日 22時12分14秒 | その他
 場所文化フォーラムの後藤健市さん(http://www.mao2.net/tokachi/index_tokachi.html)と吉澤保幸さん(www.tocacino.com)と知己を得ました。
 お二人は、北海道は十勝帯広で「北の屋台村(http://www.kitanoyatai.com/)」を仕掛け、そのユニークで斬新な手法は全国の場所文化クリエーターの師匠とも言うべき存在です。
 そのお二人から、今回、さまざまなことを学びました。

 キーワードとしては、「円農(えんのう)」
 彼らは、単に飲食店を儲けさせるためだけの仕掛けをするというよりも、その地域の中で循環し、それにかかわる人たちが元気になるようなしくみづくりを行っています。
 そのことが、今回、直接お話を聴かせてもらいながらよくわかりました。
 また、その手法は現実的でさまざまな障害をチエと工夫を最大限活用しながら、かいくぐっていることもわかりました。

 農業生産者のモチベーションを上げるためには、まず彼らを自然の作品を創りあげるアーティストとして位置づけ、彼らに成功体験を積み上げさせることで「誇り」を持たせています。
 ここらあたりの視点がまったく違うなというのが、正直な感想です。

 私は、公民館活動をしていて、今、山間地域の中には「限界集落」に近い地域が増えてきていることが気にかかります。
しかし一方で、これらの地域でとれる農産物は本当においしいものばかりです。
そういった地域の元気を取り戻すためには、さまざまな行動を起こすべきだと思っています。
 今回、勉強会に参加し、お二人の話は本当に感動し、感心するものでした。

 そして次回、機会があれば、これらの地域をご案内しますと約束させていただきました。

 「やめやすいから、始めやすい」と「走りながら変わる」という言葉が心に残りました。

苦しいからこそ

2009年02月05日 22時48分10秒 | その他
 今夜、友人の紹介でまちづくりの勉強会に行ってきました。
 講師というか、アドバイザーには遠くから駆けつけてくれた吉澤さんと後藤さんという方たちが東京と北海道から駆けつけてくれていました。(内容については後日紹介)
 それに、地元飲食店でも積極的に店舗展開をされている若い経営者が加わり、なかなか楽しい時間をもてました。

 今、話題はどこにいっても、「苦しい」、「しんどい」という単語しか聞かない状況の中で、だからここそ今、必死でがんばるんだという熱き思いが伝わってきて、久しぶりに勉強になりました。

 一方、自宅のパソコンを開けると知人から、以下のような松下幸之助氏の言葉が送られてきていました。
なるほどなるほどと思いつつ、これを紹介しないてはないなと思い、記すことにしました。

■松下幸之助 商いの心得十カ条

第一条 商いは公事である
 商いは「私事」ではない。人のため、社会のために行なう「公事」である。その認識が基本にあってこそ、より力強い活動が可能となる。

第二条 お客様に愛される
 あの人がやっているのだから買ってあげようと思ってもらえるまでになりたい。そのためには、まずお客様に誠心誠意を尽くすことである。

第三条 商品はわが娘と考える
 お得意先をわが娘の嫁ぎ先と感じるまでの思いに立てば、お得意先とのつながりも、単なる商いを超えた、より深い信頼関係が生まれてくる。

第四条 商いは真剣勝負
 真剣勝負は切るか切られるかの二つに一つ、まさに文字通り真剣である。商いもそれほどの思いで取り組めば、必ずうまくいく。

第五条 堂々と儲ける
 利益は世の中への奉仕に対する報酬である。また、その利益によって納税もでき、社会の発展にも貢献できる。堂々と適正利益をあげたい。

第六条 お客様に手を合わす
 お客様が出て行く後ろ姿に心底ありがたく手を合わす。そういう心持ちの店には、人は自然と集まってくる。

第七条 商品はお金と同じ
 汚れていないか。ほこりをかぶっていないか。千円の商品は千円札と同じ。お金と同じ思いで商品を大切に扱おう。

第八条 商人に好不況はない
 常に商いの本道をふまえ、一つ一つの仕事をきちんと正しくやっていれば、好況だ不況だとあわてることはない。肝心なのは常日ごろである。

第九条 集金と支払いを確実にする
 お金にルーズになればなにもかもがルーズになる。日ごろから集金も支払いもきっちりする。そこから商売繁盛の道もひらけてくる。

第十条 反省なくして繁盛なし
 朝に発意、昼に実行、夕べに反省。日々のそうした地道な活動の積み重ねが商売繁盛につながっていく。
(PHP研究所刊 松下幸之助 商いの心得十カ条 より)


■松下幸之助 不況克服の心得十カ条

第一条 「不況またよし」と考える
 不況に直面して、ただ困った困ったと右往左往していないか。不況こそ改善、発展へのチャンスであると考える前向きの発想から、新たな道も開けてくる。

第二条 原点に返って、志を堅持する
 ともすれば厳しさに流されて判断を誤りやすい不況時にこそ、改めて原点に返り、基本の方針に照らして進むべき道を見定めよう。そこから正しい判断もうまれ、断固とした不況克服の勇気と力が涌いてくる。

第三条 再点検して、自らの力を正しくつかむ
 ふだんより冷静で念入りな自己評価を行ない、自分の実力、会社の経営力を正しくつかみたい。誤った評価が破綻を招くのである。

第四条 不退転の覚悟で取り組む
 なんとしてもこの困難を突破するのだという強い執念と勇気が、思いがけない大きな力を生み出す。不況を発展に変える原動力は烈々(れつれつ)たる気迫である。

第五条 旧来の慣習、慣行、常識を打ち破る
 常時ともいえる不況期は、過去の経験則だけでものごとを考え行動してもうまくはいかない。これまで当然のこととしてきた慣習や商売の仕方を、徹底的に見直したい。

第六条 時には一服して待つ
 あせってはならない。無理や無茶をすれば、深みにはまるばかりである。無理をせず、力を養おうと考えて、ちょっと一服しよう。そう腹を据えれば、痛手も少なくなる。終わらない不況はないのである。

第七条 人材育成に力を注ぐ
 「苦労は買ってでもせよ」というが、不況とはその貴重な苦労が買わずとも目の前にあるときである。好況のときにはできない人材育成の絶好の機会としたい。

第八条 「責任は我にあり」の自覚を
 業績低下を不況のせいにしてはいないか。どんな場合でも、やり方いかんで発展の道はある。うまくいかないのは、自らのやり方に当を得ないところがあるからである。

第九条 打てば響く組織づくりを進める
 外部環境の変化に対する敏感な対応は、よい情報も悪い情報も社員からどんどん上がってくる、お互いの意思が縦横に通いあう風通しのよい組織で
あってこそ可能となる。

第十条 日頃からなすべきをなしておく
 不況時は特に、品質、価格、サービスが吟味される。その吟味に耐えられるように、日ごろからなすべきことをなしていくことが必要である。
(PHP研究所刊 松下幸之助 不況克服の心得十カ条 より)

ささやかな送別会

2009年02月04日 23時31分55秒 | その他
 今日、N先輩とF先輩の送別会に出てきました。
 両先輩とも華美な催しを好まれないということで、内々で行うことにしました。
 主役を入れてちょうど10人。
 送別会としては、決して大きくない。

 司会進行役は、私が買って出ました。
 冒頭から、両先輩を故人扱いにしてしまうほど、大変失礼な行いが続出。
 途中からは誰が主役かわからない始末。

 昔の話に花が咲き、笑いの渦。
 両先輩に感謝の心すら感じられない。

 記念品拒否、会費割り勘の徹底ぶり。
 そんな先輩に育てられた。

 今日集まったのは、心から両先輩を慕うもの。
 いつか、この先輩を追い越したいと目標にした先輩。
 振り返った時に、自分がその立場に立っているかというと自信がない。

 いま思えば本当にわがままな先輩でした。
 無茶を言う先輩でした。
 でも、それを形にしたとき心から褒めてくれる先輩でした。

 だからこそ、今の自分がある。
 感謝しています。
 これからの第二の人生、まだまだ元気でがんばってくださいよ。

「ゆとり」教育からの転換

2009年02月03日 23時31分04秒 | その他
 教育ジャーナル2009 3月号を読んでいて教育ジャーナリスト勝方信一氏(元 読売新聞編集委員)が寄稿していた「教育の課題」~第3期に試行錯誤を続ける教育界/格差社会のセーフティーネットとしての学校の役割り~を読んでいてそのとおりだと思った箇所があるので抜粋して紹介します。


 「ゆとり」教育には、さまざまな要素が混在していた。
教育界からは、詰め込み学習からの脱却、自ら学び考える力の育成への願い、経済界からは、グローバル競争に打ち勝つ創造的な人材育成への期待が示されていた。
学校での授業時間、学習内容が減る分だけ、子どもの自発的な学び、学校外での学習が重視された。
家庭、地域の責任が強調され、学校機能縮小論も主張された。
素朴な子ども中心主義と、競争と自己責任を柱とする新自由主義的な考え方が混然一体となっていた。
 理想は高かった。
だが、理想通りにはいかなかった。
時宜を失してもいた。
受験加熱時代は既に終わり、受験が学習のモチベーションにはなりにくくなっていた。
 貧困や忙しさなどで親に構ってもらえない子どもは、学習習慣や学習意欲をなくし、学力の二極分化が進行した。
経済面で、富裕層、中間層、貧困層のうち、中間層から貧困層へ流れる人が増え、富の二極分化が進行したのと同じだった。

 (中略)

 授業時間と学習内容増加の戦後当初の30年、その後の削減の30年、そして再び増加に転じたいま。
戦後教育の流れの変わりようは、社会状況、人々の意識の変化を如実に反映する。
新しい酒は新しい革袋に入れなくてはならない。
だが、教育行政は新しい時代に対応したロジックとスキルを確立できず、もがいている。
教育現場も、大分の教育採用汚職に象徴されるように、前の時代の負の遺産を清算し切れないでいる。
過渡期の試行錯誤が続いている。
 時代の変化を鋭敏にとらえなければならない。
いま、アメリカ発の金融危機を迎え、世界を席巻していた自由競争、自己責任、市場原理重視の新自由主義が見直されている。
自由競争、自己責任に委ねる「小さな政府」ではなく、雇用創出や社会保障の整備などを担う「大きな政府」が求められている。
 教育においても同じことが言える。
学校の機能を縮小し、家庭格差を学力格差に直結させてしまった「ゆとり」ではなく、格差拡大社会のなかで格差是正を図る役割が学校には求められている。
富の二極分化に対応するかのように学力二極分化が進むいま、学校は格差社会のセーフティーネットとしての役割が求められている。
そうでなくては、子どもに格差が再生産されてしまう。


 以上のような内容ですが、抜粋なので作者の本旨から逸脱しているかもしれません。(スミマセン)
 しかしながら、最近、以上のような内容をさまざまな機会を通じてお話させていただいております。

 放課後子ども教室を一生懸命取り組み始めるきっかけになったのは、上記のような考え方が私自身の根底にあったからです。
世の中の動きはますます早くなるでしょう。
だからといって教育は時間をかけるものの意識に立ち、世の中の動き無視し、世の中が求める人材を育てなくてもいいのでしょうか。
国が繁栄するためには、優秀な人材を輩出することであり、その人材が活躍すれば国民も恩恵を受けるはずです。
 社会教育の立場にいて、学校教育だけにその任を背負わせるのではなく、私たちもこのことをしっかりと受け止め、できるところから始めようと思います。


白衣を着ない病院 - 初台リハビリテーション病院

2009年02月02日 23時05分21秒 | その他
 講談社発刊の「セオリー」2009 VOL.1 を手にして見ていたら、その中の特別企画「最高の病院を求めて」の中に酒向正春先生の初台リハビリテーション病院の紹介記事が出ていました。

 酒向先生は愛媛県出身で、「健康医療福祉都市構想」の生みの親でもあります。
 私たちは、それがご縁で超多忙な酒向先生に無理を言って、松山で勉強会を開催しています。
私の仕事とはジャンルがまったく異なるのですが、その勉強会に参加していると先生の話の見識の広さや経済的な感覚等など、新しい発見やさまざまな学びがあります。

 さて、酒向先生のおられる初台リハビリテーション病院がどんな病院かについて、ご紹介しましょう。
同病院は、2000年に回復期リハビリテーション制度ができ、全国のモデルケースとなるべく誕生した総合リハビリテーションの専門病院であります。
この病院は、長嶋茂雄氏やオシム氏の社会復帰に大きく貢献したことでも知られています。
 そして、酒向先生はこの病院を引っ張るリーダーであります。

 この記事で知ったのですが、同病院では白衣を着たスタッフが一人もいないということです。
制服はカラーシャツにスラックスという軽快ないでたちです。(写真で観ると)
これは、リハビリをする人自身に「患者」という意識をなくしてもらうためだというのです。
なんというきめ細かい演出でしょう。
でも、なんでもないことですが本当に大切なことだと思うのです。

 なによりもスタッフの充実ぶりが凄い。
酒向先生をはじめとする12名の病棟医師、リハビリ専門ナース・ケアワーカー157名、理学療法士83名、作業療法士76名、言語聴覚療法士28名という破格な数のセラピスト陣など、総勢416名という「圧倒的マンパワー」を擁しています。
初めてこの話を聴いた時には、本当に経営が成り立つのかと思ったのですが、ユニークな経営ノウハウが十分採算の取れる病院経営へとつなげておられます。

 またこの強力なマンパワーによって、「朝から晩まで病院生活すべてがリハビリ」という発想で、リハビリルームでの訓練に留まらず、実生活の環境を持ちこみ行動すべてが訓練になるようにしておられます。
私も、スウェーデンでリハビリ訓練を見たことがあるのですが、退院後のことが大事だと言っていたのが思いおこされました。
このことを実践している病院が日本にあるというのは驚きです。

 酒向先生の中には、絶対治す、絶対に寝たきりにさせない、そして再発を予防するという強い信念がいつも話の中に出てきます。
私は、こんな酒向先生が大好きですし、なんとか愛媛県の人たちにこの環境が味わえるようにお手伝いできればと思っています。

研修旅行 二日目

2009年02月01日 23時23分48秒 | その他
 今日の視察は、「亀老山展望公園」からでした。

「今治の観光ページ」より
 標高307.8mの亀老山展望公園は、大島の南端に位置し、瀬戸内海国立公園に指定されています。
パノラマ展望台ブリッジからは、世界初三連吊橋「来島海峡大橋」と日本三大急潮のひとつ「来島海峡」の潮流、晴れた日には四国山脈の中に連なる西日本高峰「石鎚山」を眺める事ができます。
頂上付近の道路沿いにあるテラスは、来島海峡を撮り続けている写真家「安藤喜多夫」氏(全日本写真連盟理事)が吉海町に提案し実現した、来島海峡大橋の絶好の写真撮影ポイントです。
様々な顔を持つ来島海峡大橋を撮影に、多くのカメラマンが訪れています。

 確かに私もカメラのシャッターを何度も切りました。

 そして、吉海の「いきいき館」に移動し、その前から出ている遊覧船に乗りました。
この季節に遊覧船を乗るのはかなりの勇気がいるのですが、日頃の行いが良いせいでしょうか天気に恵まれ、波も穏やかでなかなかのものでした。
乗船時間40分は長すぎず短すぎず、ちょうどいい加減でした。

遊覧船から見た瀬戸大橋は見ごたえがあります。

 遊覧船を降りるとお昼でしたので、いきいき館の七輪の海鮮バーベキューを食しました。(その七輪)

 観光の季節としてはオフにもかかわらず観光バスも何台も入り、たちまち満杯になりました。
その中で、中国語を話す子どもたち(中学生か高校生)がいたので関係者の人にどういうルートで来たのですかと尋ねたら、大阪港から東予港に着いてこちらに来たということでした。
 なるほど、そういうルートもあるのかと感心したのですが、その後、道後に来るのか広島に行くのかで松山の観光人口はちがってくるなと考えさせられました。
 また、このバーベキューを食べながら、シンプルに食べさすこと、設備は拘らなくてもいいことなどなど、自分なりにたくさんのことを学んできました。

 そして、この秋から放映されるNHK超大河ドラマ「坂の上の雲」がスタートすれば観光客は増えるでしょうが、来年スタートする「坂本竜馬」で高知も観光客が増えるでしょうから、例えば、高知・松山・しまなみといった観光ルートの開発も大事だなとつくづく思ってしまいました。