よけいな一言 その３

ずうっと昔、まだ父ちゃんが地元の

消防団にいて、髪もふさふさで

「近頃の若いもん」

と呼ばれてた頃の話です。

うちの田舎の消防団にいたのは、

父ちゃん以外のほぼ全員が

大酒飲みの人達でした。 

（例外的にいた、飲まない何人かは、

　飲み過ぎて肝臓を患った人たちです）

そんなんだから、夜の火事なんてことに

なると大変で、消火活動は晩酌し過ぎた

へべれけおやじ達の余興大会の様相を呈し、

作業終了後には、

「酔いが冷めちゃったねー」ってんで、

町の中華屋に集まってまた飲み直す。

という、目的を見失った集団でした。

かく言う父ちゃんは、と言えば、

お酒が苦手なので消防車の運転手をさせ

られてたんですが、極端にメカに弱く、

五年くらいやってたけど最後まで

水の出し方がわからないまま

というていたらくでしたね。

あるとき、そんなやる気のない父ちゃんに

ベテランの団員がイチャモンつけて来た事が

ありました。

水が出せないからじゃありません。

酒とたばこが嫌いなのが許せん！

という、たわ言です。

「俺が若い頃はなあ、

『飲めねえ奴は男じゃねえ！』ってんで、

　先輩に胸ぐらつかまれてひっぱたかれたもんだ」

って言うから、

「えー、それで飲みたくないのに

　飲んじゃったん？　それが男なん？」

と、至極まっとうな感想を漏らしたせいで、

ため息ついたおじさん達から

「近頃の若いもんは……」って言われる

事になったのです。

そんな父ちゃんですが、最近ビールを

飲む練習を始めたんですよ。

それで動くのが嫌になるので、自動的に

ブログの更新がマメになるというワケです。

些細な事だが気になるコト 牛丼のつゆ

都内に住んでた頃は、

牛丼屋さんにもよく行きました。

父ちゃんの身体は、牛丼で

出来ていると言っても過言では

ないほどです。

で、行くたびに気になって

しょうがなかったのが、作る人に

よって異なるつゆの量です。

どんなマニュアルが用意されてるのか

知りませんが、

「つゆの量は、各自自由にのびのびと、

　心のおもむくままに決めましょう」

ってな感じではないでしょうか。

なので、厨房にいるのはアーティストだと

思わなければなりません。

ヘタに「つゆだくで」なんて注文して、

作ってるのがつゆだく派のアーティスト

だった場合には、そこにさらにつゆが

加えられちゃうわけですから、

飲み物みたいな作品が出て来る

おそれもあるわけです。

べつにドキドキしたくて

通ってたわけじゃありませんからね。

商品価値が疑わしくなるほどの価格競争

とか、珍奇な新メニュー開発とかよりも、

つゆの量を一定にする為の企業努力を

してほしかったですね。