トーネードの無職生活

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同一労働同一賃金などと言っていますが

2016-01-23 07:06:56 | 日記
 安倍首相は同一労働同一賃金などと、昔の労働組合が言うようなことを言っています。単純に考えると賃金が上がるように思えますが、たぶん大きな落とし穴が待っていると思います。

 賃金の差には、会社の規模の差。会社の財務的な体力の差。会社の業績の差。勤めている人にとっても、年齢による差。男女の差。雇用形態に寄り、正社員、嘱託、パート、アルバイト、派遣との差。などなどざっとあげただけでも色々な差が賃金には影響しています。これを同一賃金にするというとどうなるのか。

 例えば50歳で子供の教育費がかかり、住宅ローンを抱えている人が50万円の給料をもらっていたとします。また、30歳の人が独身で賃貸のアパートで生活していて30万円の給料だとします。そしてこの二人が生み出す仕事の成果が同じで、標準的にいってその仕事の成果に値する給料が35万円だったとしたら、同一賃金ですから50歳の人も30歳の人も35万円の給料となります。

 50歳の人が子供の教育費がかかろうが住宅ローンを払おうが、それは仕事から生み出される価値には関係ないことなので、公平なのはその仕事で生み出される標準的な価値である35万円の給料が公平だからです。ですから、同一賃金にすると低い賃金の人は賃金が上がる可能性はありますが、高い給料の人の賃金は低くくなる方向に収斂されると思います。

 安倍首相は裁量労働の拡大を言っていますから、そのことも考えてみると、今、会社で働いている人達のうち、現場で流れ作業で物づくりをしている作業者だとか、事務職でルーチンワークで毎日同じような仕事をしている人とか、営業でもルート営業の繰り返しだったりする人とか、技術者でも似たような設計の繰り返しだったりする人とかは、いっぱひとっからげで単純労働にくくって賃金を下げようと考えているようです。

 そして全く新規の研究開発をしている人とか、全く新しい事業を企画している人とかには成果報酬を基本にした高額の賃金がでる仕組みに変えたいと思っているように見受けられます。

 これまで書いてきたことはちょっと極端な書き方をしましたが、安倍首相の考え方には、みんな中流社会という考え方はなく、高いか低いか二極にわかれることもやむなしという考え方であるように思います。

 ということで、安倍首相の言うことを単純に信じてしまうと、後から取り返しのつかないことにもなりかねないと思うのでした。


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