100歳を生きる人をセンテナリアンと云うそうだ。
その中でも健康長寿といわれる人がいる。
彼らの特徴は、加齢の必然的な疾病である慢性炎症を発症していないこと。
代謝機能が衰えると、日々更新されるはずの細胞が代謝されず老廃物として残ってしまう。
それが体内に溜まってくることで慢性的な炎症が起こるらしい。
生命現象の基本は代謝だ。
私たちの身体は日々、更新されてゆく。
代謝機能を正常に保っておくには、もちろんバランスのいい食生活と、
身体に一定の負荷を与え続ける運動量が必要になってくる。
そして心の健康も。
以前に最新脳科学の知見を紹介したが、やっぱりここでも同じデータが出ていた。
人がもっとも幸福を感じるのは、
美味しいものを食べるときでも、物欲を満足させたときでもない。
人のために手を差し伸べる利他的な行為を行ったときなのです。
裸のサルたちが進化の過程で辿り着いた適者生存の術(すべ)なのでしょう。
心の健康は難しい。
今、読んでいる本の中に、日本における箱庭療法の第一人者、木村晴子のカウンセリングの記録がある。
心理療法では被験者のことをクライアントという。
木村晴子のクライアントは全盲の女性だった。
箱庭療法はクライアント自らが、様々な玩具を使って心の中の世界を具現化する作業だ。
何も見えない全盲の人に、それが可能なのだろうか?
そして何より、出来上がった箱庭をクライアントが見ることで、
自分が抱える心の病と向き合うことが、この療法の前提だ。
そもそもの箱庭療法の前提が崩れている。
でも木村晴子は、玩具ひとつひとつの色や形をクライアントに説明することと、
視覚が閉ざされることで鋭敏になった触覚による手触りと、
その人が身につけた物を測る身体的なスケール感を活用する。
出来上がった箱庭の15回に及ぶ心療の過程は目を見張る。
外界にほとんど関心を示さない空疎な箱庭が、徐々に築き上げる世界の密度を濃くしてゆく。
最後に、このクライアントは箱庭の小高い砂山の上に生命の実のなる「いのちの樹」を創り上げる。
The Tree of Life 生命の樹だ。
美味しいものを食べるときでも、物欲を満足させたときでもない。
人のために手を差し伸べる利他的な行為を行ったときなのです。
五年間、心の赴くままに走って何が残ったのかと振り返っています。
何か大きな勘違いをしていたのかもしれません。
今、私は帰るべきところに帰ったのだと思うのです。
「まだ間に合うよ」
もう一人の私が答えました。
今、読んでいる最相葉月の「セラピスト」の「いのちの樹」と見事にリンクしました。
そしてインスピレーションは、以前にも何度か取り上げた田圃の中の一本の樹へと繋がりました。
http://blog.goo.ne.jp/toshiaki1982/e/27088aa25021a1e7e3bb70e6c9a69add
こういう天啓と巡り会うとブログ記事も書きやすい(笑)
misaさん、単なる思い付きです。
日本におけるカウンセリングはカール・ロジャースのキリスト教的寛容が最初にありました。
その人のありのままをそのまま受け入れるという姿勢です。
愛と寛容は、ハードルが高いよ。
学校におけるカウンセリングの役割も広く認知されてきましたよね。
新潮文庫の新刊、最相葉月の「セラピスト」はお薦めの一冊です。
最相葉月は、あの「絶対音感」で有名になったノンフィクション作家です。
日本のカウンセリングの実態に深く切り込んだ本作は面白いですよ。
心理学は、ちょっとしたブームですが、
おまじないや占いや自己啓発のレベルの怪しい心療医療の実態もあります。
優れた心療士は患者の話を予断を交えず、そのまま聞ける人ですね。
阿川佐和子のベストセラーのように。
The Tree of Life 生命の樹だ」で最後を締めくくっていた時は、完結してるいるのに、また巻頭の文から始まって何回も繰り返しそうで、額の髪の生え際がザワザワして震えましたよ。
最初の逆光の「生命の樹」が、最後の夕焼けに照らされた「いのちの樹」の姿になって現れた時、思わず合掌です。
関税撤廃や規制緩和されることで利益を上げるグローバル企業だけでしょう?
グローバリゼーションの波は、結局、人を豊かになるどころか不幸にするだけでした。
テクノロジーが発達して便利で快適になったはずなのに、
私たちは時間に追われ、効率化に追われ、ストレスを抱える毎日です。
こんな時代に、真面(まとも)でいられる方が不思議です。
なんとか、それとは違う、真っ当な?(無駄な)世界の物語を描きたい。
効率化とは真逆の壮大な無駄な逡巡の中にこそ叡智の欠片が覗いている。
ノーベル賞を受賞した大隅さんも、そう云っていたじゃないか。
http://toyokeizai.net/articles/-/142256
孤軍奮闘、風車に挑むドン・キホーテの気分(笑)
再放送も予定されていますが以下のYOUTUBEの動画を御覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=0t0vEOTevPo
連日TVで取り上げられる豊洲やオリンピック施設の問題なんて、
この、これから40年以上に亘って国民が負担しなければならない膨大な事故処理費用の東電と国の責任転嫁と較べると、
あの小池知事のパフォーマンス報道は目くらましにしか見えない。