風薫るは五月の季語。 桜も散って、日増しに緑が濃くなる四月の爽やかな青空の下、 若葉の萌える色と香しい風を身体いっぱい感じながら疾駆する、 自転車の季節到来。 . . . 本文を読む
今年最後の桜は、この場所で撮りたいと願っていた。 山間を縫う旧い街道筋の外れに、ひっそりと建つ木造校舎。 その校庭には、きっともう桜の花が咲いているだろう。 はらはらと舞い散る桜の樹の下に佇んだなら、 遠いあの日に還れるかもしれない… . . . 本文を読む
雨上がりの晴天。 ひんやり肌寒い朝だった。 桜の頃の寒気を花冷えというが、もう桜は何処も散ってしまっていた。 標高の高い処ならと目星をつけていた池畔の桜もダメだった。 池周りを周回して畦道を辿ると、その桜と出会った。 まだ辛うじて落花の間際で踏み止まった名残の花が。 一面の花片を敷きつめて… 傾いた西陽の中で最期の想いを伝えていた。 . . . 本文を読む