そろそろ咲く頃だろう… あなたに会いたくて、雨の森へ出かけた。 . . . 本文を読む
正確には夏至翌日の黄昏だった。
台風一過の山は、予報に反して急速に天候が回復してゆく。
昼の時間が一年で最も長いと云われる夏至前後数日の日照時間は、ほとんど変わらない。
そして、この日は満月の前日、月も大きく満ちてきている。 . . . 本文を読む
今日一日は、山羊さんに癒された。 草原の日向に寝そべり、目を細めたこの幸せそうな表情を見てほしい。 雨上がりの高原は、下界の過酷で不快な陽射しと違い、終始、爽やかな風が吹き渡る。 . . . 本文を読む
大きな風景に目が行かなくなった。 たぶん今は、そういう時期なんだろうと思う。 蛍の儚い命の飛翔を目撃した後、どんどん目線は小さな幽けき命たちへ向けられてゆく。 緑滴るこの初夏の風景も、小さな命たちの連鎖に支えられている… そう思うと、すべてが愛おしい… . . . 本文を読む
蛍の成虫になってからの一生は短いものだ。 ゲンジボタルの活動期は一週間から二週間だという。 一年に一度の「光の舞い」だ。 もう一度、命の飛翔を丁寧に撮り直したいと願った。 . . . 本文を読む
まだ山際の空に、暮色の残り香を留めるような時刻だった。 葦の葉陰に小さな光が灯った。 「あっ、あそこにも」と半時ばかり、川辺の草叢に灯る明かりは、緩慢にその数を増してゆく。 今年の発生数は、控えめに思えた。 ところが8時を廻った時刻から、それが爆発的に増した。 葦原の先にひらけた闇から無数の光が湧き上がってくる。 . . . 本文を読む