口づけの味忘れけりさくらんぼ
(くちづけのあじわすれけりさくらんぼ)
元句は「口づけの味忘れけり苺食む」でしたが、
写真に合わせて詠み替えました。
愚痴つても仕方ないこと桜桃忌
(ぐちってもしかたないことおうとうき)
太宰治の命日、桜桃忌は6月19日でした。
遅れましたが、写真を添えてアップします。
投稿句有難うございました。
犬過ぎて高く跳ねたり痩せ蛙 よしさん
6月11~20日ののツィッターでつぶやいた句をまとめました。
(一部省略 一部推敲)
梅雨晴れにブーケ宙舞ふ笑顔かな 豊かなる瑞穂の国の梅雨入りかな
梅雨寒や曇りガラスに書く名前 まあまあとするか半生茄子の花
茄子花や農婆の白き頬っ被り 変わらずの腹痛頭痛梅雨湿り
毬の手のそれててんてん青葉陰 焼酎に昔語らふカウンター
焼酎や昔の名前で出ています 焼酎やママの老ひたる赤提灯
焼酎もをみなも好きで純情派 びいどろや人生凹あり凸もあり
ビイドロを鳴らすをみなの口の紅 宮杜に遊びし日々や蝉の穴
宮杜の少年の日や蝉の穴 過疎里に蝉の生まるる子だくさん
コンクリの隙間に生れぬ蝉の穴 蝉生まれ逃亡生活果てにけり
青蛙八十路の歌の若やぎて 住む人の絶えたる庭や破れ傘
天気図の雨ばかりかな破れ傘 廃墟には沈黙ばかり破れ傘
シェルブールの恋古りにけり破れ傘 逢い別れ萩の花火の一夜かな
若き日の我に逢いたる梅雨の夢 海亀や乙姫のもう老ゆる頃
海亀の万年生きてこの星は 父知らず父にもなれず父の日と
釣り堀や団塊の背の居並びて 釣り堀や企業戦士を退きて
まだ恋の夢見る余力明易し 愛の歌の楽譜枕に明易し
柔肌を抱く刹那の明易し 導眠剤使へど寝れず明易し
愚痴っても始まらぬこと桜桃忌 花南天つひに我が背を越しにけり
さながらに巫女の舞ふ鈴花南天 故郷の庭に咲く頃花南天
南天の花の小さき主張かな 浅井氏の天守の跡や草いきれ