鬼百合のくるり振り向く笑顔かな
(おにゆりのくるりふりむくえがおかな)
鬼百合や小悪魔めけるピンナップ
(おにゆりやこあくまめけるぴんなっぷ)
7月6日~20日までのつぶやき句を34句にまとめました。
一枚を羽織りて覚めし小暑かな 小康のまず有り難き小暑かな
雑草と言へども名あり蚊帳吊草 特急が残して行けり青田波
一陣の龍の足跡青田面 故郷の峪駆け下る青田風
梅雨の猫今宵の宿の憂ひかな ナイターやピンチを迎へ消すテレビ
ナイターや減らぬ借金減る貯金 ナイターの無くて平穏なる夜かな
荒草に沈む碑晩夏かな 野仏に傘をさしたき晩夏かな
また一つ恋を忘るる晩夏かな くちなわの布団に落ちて覚めにけり
天井を這う音ざわり青大将 清姫の怒りの化せる蛇体かな
くちなわや魑魅魍魎の夜叉が池 故郷へ越える峠や合歓の花
初恋は告げずに終わり合歓の花 憂鬱にがつんと一つかき氷
口づけの味忘れけりかき氷 胃薬の世話になりつつかき氷
四畳半一間の恋や大西日 こま犬の開いたる口に大西日
夏バテや恋の古傷なほ疼き 夏負けと言い訳しつつ酒二合
夏痩せや商店街の細りゆき 焼茄子や焼け木杭に火付く恋
シンと飲む独り酒かな焼茄子 蓮咲きぬ浄土の便り届くげに
しづしづと巫女の白衣や蓮の花 花蓮や無住の寺の無縁墓
土用太郎恋する老いの片瀬波 胸を張る裸婦の素描や土用太郎