みどり児のじんわり開く手夏蕨
(みどりごのじんわりあくてなつわらび)
生き老いて薹立つ己の身夏の独活
(いきおいてとうたつおのみなつのうど)
自虐句が多い最近です。
5月1日~10日のつぶやき句を32句にまとめました。
メーデーの血で築かれし歴史かな 野薊や人は善悪内に秘め
野薊や老いて棘なき人となり 野薊やひと皆憂ひ抱きつつ
鯛網や大漁祝いの浜酒場 鯛網や浜の女房の深情け
鯛網や古き演歌の流る浜 棘隠す美貌の女性や木瓜の花
誉め言葉過ぎれば棘に木瓜の花 揉み消した吸い殻一つ春名残
遠ざかるテールランプや春名残 陰日向人に別なく緑の日
緑の日画架に素描の女学生 巫女舞ひの翻る裳裾や夏に入る
巫女舞の剣一閃夏来る 卑弥呼めく巫女の舞かな夏に入る
凛々しくも子らの和太鼓端午の日 蟭螟の払へど消えず飛蚊症
蟭螟ややるべき時はやる男 蟭螟の五分の魂持たんかな
好きだよと言へず初恋踊子草 くるくるとドガの少女や踊子草
答出ぬ二人の恋や踊子草 八十爺にときめく余力夏衣
老いの日をローに切り替え風薫る 母の日や子無き夫婦の共白髪
おかっぱの少女おさげに夏衣 大阪はやはり豹柄夏衣
青春と言ふ名の真白夏衣 夢に出る君まだ少女草苺
純情のままに老いけり草苺 おんもへと出たがる幼女草苺