長引く梅雨

梅雨明けは８月に入ってからになりそうだ。
関西の梅雨明けは私の生地の東北に比べると通常は早い。
東北は通常７月末が梅雨明けだ。
８月の初旬を狙って登山の計画なんかを組んだりしたのを思い出す。

「今日は冷房は要らないよ」
と女房が冷房のスイッチを切った。
窓を開けると風邪が舞い込む。
あわせて蝉の声がドッと入り込んでくる。
蝉の短い命は梅雨明けを待っているわけにはいかない。

やっと地上に出てきた１０日間あまりを最大限有効に過ごさなくてはならない。
飛び回り大声で音を発し交尾して命をつなぐ営みをして過ごす。

出かける準備を終えた女房が黒のスプレーをカラカラ振りながら
「はい、お願い」
といってやってくる。
白髪の目立つ分け目に白髪隠しのスプレーだ。
用事を言いつけて出て行った。
「１時になったらラジオをつけて録音タンを押してね、セットしてあるから」
新曲演歌の放送がある。