ジャパン・レクイエム:Requiem Japonica(24) 2005-08-17 | tale 頬を冷たく切るような寒風の中をアパートに戻ると、仲林欽二が勝手に上がりこんで、ストーブにあたっている。 「やあ、お帰り。部屋暖めておいたぜ」 宇八は欽二の表情に、おやと思ったが、それには触れずいつもの調子で応えた。 「人の家のストーブを勝手に使って暖めておいたもないもんだ。……それより現われたぜ、時木百合が、教会に。色っぽいぜ」 そう聞くと、欽二はくるりと90度回って、宇八に向き直って、 . . . 本文を読む