夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

題詠:夜顔

2006-08-15 | poetry


   夜顔

夜に咲く花は強く匂う
 汗ばんだ浴衣が裾にまとわりつく
色は白く月明かりに映える
 男たちが振り返り息を潜める
蔓を長く伸ばし絡みつく
 鼻緒がきつく素足に食い込む

飛ぶ虫、這う虫が集まる
 あたしの腕はいつも冷たい
短い夜を味わい尽くすように
 指が探り当てるどこよりも
物静かに出入りする
 誰でもない誰かを抱く

湿り気をたっぷりと含んだ 
 そうは見えないでしょうね
都会の薄明るい夜空を
 可憐な見かけを裏切る素顔は
夏の雲がなまめかしく動いている
 あなたの欲望の化身かもしれない




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4 コメント

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やだなあ (ぽけっと)
2006-08-15 18:02:14
金子みすずの夕顔、ていう詩が素敵、て思ったばかりなのに。

これだけ違うものになると、正に「裏切る素顔」て感じで感心してしまいます。

これは歌になりそうですね。(青字の部分ですが)
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ふふふ (夢のもつれ)
2006-08-15 22:42:04
夕顔はかんぴょうになって役に立ちますが、私の夜顔は良からぬ幻想を巻き散らして、顰蹙をかうだけです。



夜顔の英語名はmoon flowerだそうですが、fleur lunaireって名前だったらシェーンベルクみたいでいいなと思いますね。
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シェーンベルクよりも (ぽけっと)
2006-08-15 23:19:11
やっぱり私はベルクの歌曲の感じがしました、ジェシー・ノーマンとかの。

最初に思ったのはサムソンとデリラなんですけどねっ。

独仏濃厚対決になっちゃいましたね、ますますみすずさんからは遠のいてゆく~
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また師弟対決ですかw (夢のもつれ)
2006-08-16 00:20:45
いまだにベルクは勉強不足なんで何にも言えないです。



いかがわしくも狂ったpierrotネタってわかってるんでしょうし。
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