銀河のサンマ

何でもあり

秋茄子

2021-09-27 | 銀河食堂

 

 

 

 

 

やっと晴天に恵まれた。

今年は鼠色の夏空が多かった気がする。

朝起きる前の4時半ごろ、ちょっぴり寒いようで目が覚め布団を掛け直すけど夜中は未だ暑かったりする。

ぐすん。。。少し鼻風邪。

4時半ごろまでは布団が僕から随分遠くに離れてしまっている、きっと掛け布団は小さな反抗期なんだと思う。

ゔー…ぐすんっ!

鼻水がぁぁぁぁ〜伸びていく〜…ティーシュっ!!

と後ろに手をやり、箱に手をかけたと思ったら、ガラガラガラガラガラ…すてん。

僕はそのまま後ろに転げてしまい「おぃ、何やってんだ」

仰向けに転んだ僕を不思議そうに覗きこむ店主がしゃがんでいた。

はっ!!銀河食堂だっ!

「今から札かけようって時に、普通に入ってきてくんなっせ」と店主は立ちあがり札をかけた。

ー季節の移ろい冷えに注意しながら営業中ー

どうやらテッシュに箱を掴んだつもりが、店の戸を掴んでしまったようだった。

何故そうなったのかもわからず、僕は起きお尻をパンっとはたいた。

「座んない」

はい、と小さく呟き椅子をひき座った。

「茄子の胡麻大蒜醤油酢のちょっと他入れたもんだ、さっぱりしてるが秋茄子が甘いきのう」

はい、僕は箸をとり頂きますと一礼する。

「おぅ、茄子が甘いっ!酸いすぎず大蒜の味ほとんどしないね、うーっ美味しいっ」

「ほうか、良かった、良かった」店主はうんうんと大きく頷き満足な笑みを浮かべ続ける。

「乾いた風が吹くな、涼しいと思って窓を大きく開けて寝る時期は過ぎたから気をつけない」

はい。と僕は店主の言葉にキチンと耳を傾けながら半分まで食べたところだった。

「おっと秋茄子は嫁に食わすな、というだろが?お前さんは嫁ではないが冷性だからこれぐらいまでだ」 と店主が僕の食べてる器をサッと取りあげた。

「え?もうちょっと駄目な…ゔ〜…ぐすんっ!あ〜鼻水がぁぁぁ」

「お、おぃ、ほら、もう冷えちまったんかのう、チリ紙っ!チリ紙っ!」

店主は少々焦りながらチリ紙をもってきた。

店主からチリ紙を受けとると長い鼻水を拭おうとしたが、僕は長い鼻水と一緒に揺れだした。

「あ…もうかい…」店主の溜息まじりの声が聞こえた。

ついでに「はーーーっクショーーーンっ!!」

いてててててて…僕は自分の部屋でテッシュの箱をとり損なって転けている。

そうだ、僕は転げたままだったよね?

えーと…おや…?

僕の手に確かにさっき店主からもらったチリ紙を掴んでいる。

そのチリ紙を転んだまま、まじまじと見つめた。

懐かしい。

僕の実家で誰かがチリ紙を使っていた記憶がある。

それが誰だか思いだせない。

 

 

 

 

 

※ 昨日の朝食風景

 

 

 

 

 

 

 

 

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