いっぴきのねこがボクに好きといって抱きついた。
これが恋というものかな、ボクの中は赤くなった。
まいにち大きくなるボクをねこはやさしくほめる。
あなたしかいない、とねこは、ボクにキスをした。
うれしくて、ボクに黒いみごとな稲妻がはしった。
ボクのどこが好きなの?とボクはねこにたずねた。
大きくて形よくて緑が濃くて稲妻が綺麗なところ♡
ボクは有頂天になり、中が綺麗な赤になってゆく。
ねこが言う、まちどおしいくらいに、おいしそう。
え…???ボクは、硬直しみるみる顔が青ざめる。
あら、ちょうどいいくらいに青くなったじゃない。
カプッとかじって、おいしく食べてあげるからね。
えっ!?キミはボクに恋してるんじゃなかったの?
恋をしたわ、ただ、あなたを食べたくなっただけ。
大きく口をあけるねこは、とびっきり可愛かった。
ガブっ。そうボクは食べられてもいいほど好きだ。
ねこの口の中で、すいかは、瑞々しく甘く消えた。
※ 鉛筆、色鉛筆
去年、ラクガキをしていたのをみつけて描いてみた。
お雛様なので、これを飾ると。
ボクは描いてる隣で眠る。