「いい話を」・・・
お仏壇がないお家でした。
奥様のご遺体をベットの上にご安置され、ベットサイドに経机を置いておられました。
懐中名号をお飾りさせていただいてお勤めさせていただきます。
白布を除けておられましたのでお顔を見ながら私自身もいろんなことを思わさせていただいたことです。
あまりお会いしたこともないお方ですので、間の休みでご主人様に奥様のことをお尋ねした。
30年の闘病でした・・・
それはそれは、「よく、ガンバられた!」と思わず言葉が出るような時の流れ。
目に涙を浮かべられ優しい微笑みで語るご主人様。
あ~、この涙と微笑みで支えられ願生られたんだ・・・
そんな思いをお話させていただいたことです。
「それでは、失礼します・・・」と玄関へ。
ご主人と2人の娘さんと1人の息子さんにお見送りをいただいた。
長女さんがおっしゃってくださるのです、「いい話をしていただいて・・・」って泣きながら。
そんなお言葉をいただく度に思うのです、辛かったけどしんどかったけど思い出しながら泣けるおはたらきの中であなたが生かさせていただいてよかったな~って。
私はいい話なんてできません、ただ、間で聞かせていただいたことをそのまんまお話させていただいただけです。
泣けるような母の願生る姿だったのでしょう・・・
そんなお母さんで良かったですね!
安心して泣いていいですよ・・・