「蚊が鳴くような音が・・・」
大きなマスクを着けられお参りされました。
「風邪をひいてしまって、その影響で中耳炎になってしまって聞こえ難くて・・・」
「痛かったでしょう、大変でしたね。」
「もう膿も出たので楽にはなったのですが・・・」
中耳炎・・・
これを聞くと切なくもやるせない出来事を思い出してしまいます。
幼かった息子が耳の痛みを訴える。
直ぐに耳鼻科に行ったまでは良かったのですが、寝台に横になったかと思いきや看護師さんが身体を拘束。
否応なく、切開された・・・
その痛みに息子が絶叫したとか・・・
その話を聞いた数日後、私も耳に痛みが・・・
耳鼻科に行くと、「中耳炎に成りかけています。切ると直ぐに治りますが薬でも治ります。どちらにしますか?」
即答です・・・
「薬で治します!」ときっぱり!
今でもそのことを思うんです・・・あの時、もし、切開していたら・・・
「分かるよ!あれ、痛いよな~!」って息子に寄り添えるのかもしれません。
しかし・・・コイツは、自らが受ける痛みから逃れたのです。
「だってそうだろ!選択肢が2つあり痛みを伴わないものがあるのならそっちを選ぶんじゃない?」って未だに家族と話すことがある。
改めて情けない親父を感じながらご縁に会わせていただいたことです。
あまり聞こえないとのこと・・・
私は平生から声を張って話しません。
「ハキハキと」って娘にいつも注意されることです。
当然、これでは聞こえんだろうと大きな声で法話も・・・
「聞こえますか?」って・・・
「はい。聞こえます。」
平生、声を張らない私は続きません・・・
いつもいつも、大きな声で喚び続けて下さっているのですね・・・
自分のことばかりのコイツの為に、ず~っと。
昨日の喚鐘の音を思い出しつつ・・・