月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

勧誘電話

2012年01月20日 20時40分17秒 | 仏々相念(住職日記)

「あ~っ!」・・・

 

親友との話の中で、「テレビでも観ようとスイッチを押そうとすると人が来る。それが度々重なると「あ~っ」って声が出る。」

「お父さん、立つ時に「あ~っ」って言うよね!」って息子さんに言われるとか・・・

 

私も言っています。

「あ~っ、っっっ!」って・・・

寒い時は尚更です。

そのクセ、居間の扉を開ける時には満面の笑みに顔が変わっているのですから・・・

 

今日の電話・・・

出る電話、出る電話悉くセールス。

示し合わせたように続く続く。

青汁は如何でしょうか・・・

コピー機は如何でしょうか・・・

法衣の洗濯は如何でしょうか・・・

健康通販ですが・・・

・・・

 

「『いらん』っちゅうんじゃ!」って言いはしませんが、「あ~っ!」状態です。

これも仕事なのでしょうが・・・少々イラッときます。

こちらも思いっきり外面トークになって出ている為、尚更です。

 

でも一応、寺の者ですから丁重にお断りをします。

「今、ウチの方では必要ありませんのでお断りします。」って。

丁寧に申し訳なさそうに言って切る方もいれば、私の言葉が終わらないうちに切る方もいる。

「必要ない」と言っているのにしつこく押してくる方もいる。

様々です。

 

顔が見えない相手に営業するのですから大変でしょうね。

そう思うのは私ぐらいでしょうか・・・

私は電話も大嫌いですので・・・

顔が見えないから出来るということもあるかもしれませんが・・・

 

営業トークってそれぞれにあるんでしょうね。

自分のリズムって言うか、流れって言うか・・・

いつもこういったことを思うとウチの車の世話をしてくれる友人を思うのです。

面白いほどの営業トークで・・・

「大袈裟な!」って出てしまうほどの彼のトーク。

これはこれで、彼が長年積み重ねて完成したモノなのだろうといつも思うのです。

 

いいモノを進めたい気持ちは分からんでもないのですが、必要としていないこちら側は迷惑この上ないのです。

でも、求めているものであれば聞いてみようって思うかもしれません。

 

ご縁いただいていろんな方々と一緒にひと時を過ごす。

でも、義理で来ていて何ら聞く気もない方においては長いお勤めや法話は苦痛でしかないのかもしれませんね。

かなりの年を重ねた方であっても落ち着きのない方もおられます。

家の隅々を見渡してみたり、平生は気にもしていない畳のゴミが気になったり、勿論、隣の方と話してみたり・・・

「簡単でいいですから!」なんて始めから言われたりするとしんどくなります。

「あ~、退屈で堪らんのやろうな~」って思うのです。

 

必要のないモノを紹介する営業トークに聞こえるのでしょうか・・・

聞く気になるような営業トークヨロシク流暢なお話でもできれば違うのかもしれません。

私においてはその都度、その都度、詰まりながら詰まりながらの言葉となります。

培ってきたリズムもなければ流れもありません。

ただただ、たどたどしくも阿弥陀さまが一緒にいて下さることを喜ばさせていただく事しかできません。

自分の中で必要だとかそうでないとか言って煩悩を掴む事しか考えないコイツと一緒にいてくださることを・・・

 

都合のいいことばっかり言うとる・・・

そう思われようとも、このことだけ聞いてよ!

「そんなあなたを追いかけて追いかけて抱きしめて下さっているんだって、この阿弥陀さん・・・何か嬉しいよね、涙が出るよ!オレは!」


さみしいとき・・・のはなし

2012年01月20日 11時00分36秒 | ふうわりふわり(坊守日記)

昨日からの雨は上がったものの、今日はどんよりとした曇り空です

私はさみしいときよく空を見上げます

昨夜は雨降りだったので、もちろんお月さまもにぎやかな冬の星座たちも見えません

それでも、雨の降る夜空を見上げました

雨雲の向こうでにぎやかにおしゃべりしている冬の星座たち・・・

勇者オリオンや、ふたご星のカストルとポルックス、御車に乗るアテネ王エリクトニオス、白く優雅な雄牛に変身したゼウス、美しいカシオペア妃とその娘であるアンドロメダ姫、彼女を助ける勇士ペルセウス、口元に青白いシリウスを輝かせる大犬と、まわりを駆け回る小犬・・・

想像するだけでも、結構楽しめるものです

 

ふっと思い出しました・・・亡き父との思い出

 

22歳の夏に母が急逝し、しばらく父とさみしい日々を寄り添うようにして過ごしていました

季節が過ぎ、冬になってもやっぱりさみしい日々が続きます

ある日、お寺の石段の下で父と二人で星空を見上げていました

「ほら、あれがオリオン座、あの二つ星はふたご座、全天一明るいシリウスはおおいぬ座、お父さんの車の会社スバルはプレアデス星団っていっておうし座のなかにあるんだよ」

なんて風に星座のはなしを父にしながら・・・ふと、たずねたのです

「ところで、お父さん、何座?」

・・・・・・

少しの沈黙のあと

「わしはうし年だがな~」

「お父さん・・・それ・・・干支でしょ・・・」

さみしくて見上げた星空の星たちが、クスッと笑って揺れたようでした

もちろん、私たちは大笑いしましたが・・・

 

昨日はちょうど父の誕生日

父は≪やぎ座≫でした

(もっとも星座占いなどはしませんが・・・)

 

そんな昔のことを思い出して、またクスッと笑う私です

 

さみしいとき・・・