「ワシも直ぐに往くけんの~」・・・
ず~っと一緒にいたご夫婦でした。
私は、仕事も辞められた後の姿しか知りませんが、何時お伺いしても2人で仲良くおられました。
長く、長~く連れ添う妻を見送るのですから・・・
辛いひと時です。
ご主人は、晩年足腰をかなり患っておられましたが、最近になって目も見え難くなってきたとのこと。
「ご院さん、声であなたと分かるが、影を見ると大分小さくなったようやが大丈夫かな・・・」
「オジサン、ありがとう!減量しよるだけだから心配いらんよ!」
そのような目の状態の中でのお別れ・・・
身内の方がオジサンの手を取り、「これが目よ・・・これが口よ・・・」
歯を食いしばりながら愛しい妻の顔を感じます・・・
「〇〇〇・・・」名を呼びながら・・・泣きながら・・・
「何か言わんか・・・」
愛する妻の声を聞くのでしょうね・・・
ず~っと寄り添ってくれた優しい声を・・・
オジサン・・・聞きたいよね、あの優しい声を・・・
「もう、蓋をしたのか・・・」
「ドン!」蓋を叩き崩れました。
崩れるお爺ちゃんの背中を擦るお孫さんの優しいおはたらき。
辛くも温かいご縁でした。
オジサン、これからも一緒だよ・・・
仏さまのおはたらきになってその背中、擦ってくれているから・・・
願生って生かさせていただこうね。
一緒にお参りさせていただいた坊守は帰る車の中で、「私が先になったら・・・」ってつぶやきます。
オジサンに私を重ねて見ていたのでしょうね・・・
何もできない私が・・・
崩れる私が・・・
偉そうに言っている手前、立ち上がらないとって思うものの・・・
仏さまの御手の中・・・安心して崩れます、私。