月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

石器時代

2011年04月24日 20時51分17秒 | 仏々相念(住職日記)

ごんごんごんごんごんごんごん、ご~んご~ん、ご~ん・・・

 

午前のご縁が長くなり、これはマズイやろ・・・

「すいません、ギリギリになります・・・否、10分程遅れるかも・・・」ってニコニコに乗り込むなり電話連絡。

50分しかありません・・・カッとびモードです。

裏道を通り、ニコニコにしんどい思いをかけます。

午後1時丁度でした・・・

「遅れるって聞いてたけど1時キッカリやな!飛ばしたんやろ!」

「すいません、ご心配をおかけしました!」

 

優しいひと時をいただき帰ります。

「気を付けて帰ってください!くれぐれも飛ばさんように・・・」

「は~い、そうしま~す!」

お昼からのご縁は八幡浜でした。

宇和から八幡浜に向かうバイパスは「土器ドキ街道」と呼ばれています。

田園広がる気持ちのいいところで、ここから古来の土器が出土しているのでしょう。

このレンゲ畑でこの月末に「レンゲ祭り」が毎年開催されるようです。

そのイベントの一つなのでしょうか、わらで出来たマンモス「ムサ美くん」がレンゲ畑に出現しています。

何度もこの道を通り、側で見たいな~って思いながらも通り過ぎていたのですが、

今日、帰り道に止まってみました。

上手に作っておられます。

マンモスと言えば、「はじめ人間ギャートルズ」ですよね!

ニコニコから降り、マンモスに向かう50メートル程の距離、

お坊さんがギャートルズの歌を口ずさみながら歩いて行きます。

ウチの方では田畑に足を踏み入れることってありません・・・

あ~なんか久しぶりだな~この感触・・・

大きなマンモスを間近に感じながら、暫し私も自然のひとつであることを感じていました。

 

今日は、おかしな天気です。

カラっと晴れているかと思えばパラパラ雨が降る・・・

つくしんぼうでも探したかったのですが雨が落ちてきました。

ニコニコさんが待ってくれています。

ボツボツ帰ろ~か・・・ニコニコ!

今日は、無理したね・・・しんどかったやろ、ありがとう!

 


母之微笑

2011年04月23日 19時56分34秒 | 仏々相念(住職日記)

その言葉・・・

 

来年で17年忌を迎えるお母さんのご祥月のご縁でした。

遠方から毎年この時期にお参り下さいます。

「お母さんがお亡くなりになられた時って何才だったのですか?」

「25歳です。今年でもう40になります。」

爽やかな体育会系の笑顔です。

 

あの頃のことってあまり覚えていないんです。

どうやって乗り越えて来たんだろう・・・

 

あの日、母から連絡があり、数日後のご法事のためにお婆ちゃんが大変そうだから先に行くねって・・・

ちょっと待ってよ!あと2,3時間で仕事が終わるから・・・ホントにもう・・・

ケンカ別れの状態で母は先に里へと出発しました。

次に掛かってきた電話では・・・もう、交通事故で亡くなっているのです。

 

あの時から「死」ということに敏感に・・・

今の子どもって簡単に「死」を口にするじゃないですか・・・

そんな会話の最中に「死んだらいい」ってことを小学生の息子さんが言うのです。

怒りました、「お母さんは、その言葉が一番嫌いって言ってるでしょ!」

そんな別れをして、本当に死を通して別れなければならなくなったしんどさを痛いほど知っておられるのです。

「もう、あんまり腹が立つからほっぺを抓っちゃろうと思うのですが、ハツハツのほっぺで抓ることができないんです!」

って優しく爽やかに微笑まれます。

可愛くて仕方がないんですね・・・

死の別れを辛い程知っているから、愛おしくてたまらないのでしょうね。

とってもいいお母さんになられました。

 

ごく稀に私も坊守とケンカしたりします。

いやいや、ケンカではなく私が一人でイライラして心配かけてしまっているだけなのですが、

イライラしている時は、ほっておいてもらったらいいのですが、優しい坊守はほっとくことができないのでしょうね。

そんな時の私でも出掛けるときにはいつもと変わらずちゃんと見送ってくださいます。

「気を付けていってらっしゃい!」

なにも言わない私に「これが最後かもしれんよ・・・」って坊守。

心では、本当にそうだよなって思いながらもムスっと出ていってしまう私。

 

坊守も知っているのです、命のはかなさを・・・

あっと言う間に別れなければならない一瞬がくることを・・・

 

できることであれば、いがみ合うより手を握り合いながら大切に生き抜きたいですね!

 


私之態度

2011年04月22日 19時56分57秒 | 仏々相念(住職日記)

「もう帰るんですか?」・・・

 

昨日、震災に遭われた方々のところに管総理が訪問された。

別に管さんに対して好意的なものがある訳ではないのですが、

その姿を見ると気の毒に思えてなりませんでした。

 

どうしていいやら、何を言っていいやら・・・

早くこの場を立ち去りたい、そんな思いだったのかもしれません。

会場を立ち去ろうとするとき、「もう帰るんですか?待ってたんですけど・・・」

素通りされたのか、言葉もなく通り過ぎたのか分かりませんが、管さんを引き止めました。

「そんなつもりはありません・・・」

謝罪の気持ちは皆さんに対して持たれているのでしょう・・・

申し訳ない気持ちであの場に行かれたことは間違いないと思うのです、否、そう思いたいのです。

勿論、声を荒げて意見される気持ちも最もだと思います。

 

私も一応住職として徳正寺を護持させていただいています。

多くのご門徒の方々に住職としてどう接していこう・・・

「オレが住職だ!」って偉そうにいくのか・・・流石にこれは違うやろ・・・って私みたいな者でも思う。

すれば、どうやって・・・

私の心の師は、誰とでもどのような人でも同じように接して下さいます。

勿論、私みたいな者にでも優しくして下さいます。

そうだ、こうやって接していこう!

レベルは違えども真似事でもそうしよう!

外面だけを飾り、どこまでも心から優しく出来るような私ではないのですが、

誰とでもどのような方でも年上でも年下でも同じ様に接していこう・・・

時には腹の中が煮えくりかえるようなようなこともありますが・・・

 

いつだったか、ご門徒に言われた、

「住職は、私とあの人との接し方が違う。あの人には親しくするが私には・・・」

そんなつもりもなく、その方に嫌悪感を持ったこともないのですが・・・

えっ、なんじゃそりゃ!って思い、「そんな気持ちはありません!」

って言うも聞いてくれず、「何を言うか!」っていう態度。

それでも頭を下げて帰ったことがありました。

何かそう感じることが私の態度にあったのでしょうね・・・

否、腹の中が見えたのかもしれません。

 

でも、正直これ以上のことを望まれても・・・

これが私にできるいっぱいいっぱいなのです。

お飾り住職のいっぱいいっぱい・・・

 

こんな住職で申し訳ない・・・


おさがりさんのはなし

2011年04月21日 21時35分48秒 | ふうわりふわり(坊守日記)

ここのところ、毎日子どもたちが遊びに来てくれます。

今日は三年生の女の子が3人。

本堂でピアノを弾いたり、でんぐり返りをしたり、

いっぽんばしゲームや、うちわで扇ぐボートレースをしたり・・・

まあ、きゃっきゃ、きゃっきゃとにぎやかです。

たくさん走って、たくさん笑ったので・・・

「そろそろおやつにしようね!」

 

残念ながら、今日はアイスクリームがないのでパフェはできません。

(もしかすると、ちょっとだけ期待してたかもしれませんね・・・)

でも、ご法事のおさがりさんでいただいた果物があったので、それをおやつにしました。

鐘楼堂に座って早速いただきます!

「おいし~い!」

「ほとけさまからいただいたおさがりさんよ」

「ふ~ん」

「ほとけさまって、わたしのすきなものしっとるんかな~」

「きっと、なんでもお見通しよ」

「へ~、すっご~い!」

「ごちそうさまでした~」

 

お寺に遊びに来る子どもたちは、ご門徒さまのお宅の子ばかりではありません。

なかなかお寺で遊ぶということもないでしょう。

なにをしていても、どこにいても、阿弥陀さまというやさしいほとけさまは、

ちゃんとみんなのことを見ていてくださるよ・・・。知っていてくださるよ・・・。

と、そう伝えたくて・・・

 

ほぼ毎日、寺子屋の門は開けてま~す!

後期アラフォーの身体にもムチ打って、本気で鬼ごっこもしま~す!

何気に楽しんでいる、お寺のおばちゃんでした!

 

 


無料通話

2011年04月21日 20時39分16秒 | 仏々相念(住職日記)

助かる・・・

 

私が学生の頃は、電話と言えば固定電話でした。

電話を携帯するなんて考えてもいなかったことです。

よく分かりませんが、この固定電話って多額の権利金みたいなものが必要なのですね。

流石に今となってはそれも安くなっているそうなのですが・・・

 

長距離長電話でもしようものなら大変なことになっていました。

そんなこと無口な私にとって稀なことではありましたが・・・

 

今日、ウチの子と同年の子どもがいる同級生のセールスマンが来ました。

暫く話すのに、やっぱり子どもを案じている様子。

「携帯電話の家族間無料って助かるね~・・・」

そこは男の子なので電話もそれほどでもないとのことなのですが、

ウチは本当に本当に助かります。

安心させてやろうと頻繁に電話を掛けてくださる娘・・・

この電話のお陰で寂しさも癒されることですが、これに当たり前に通話料が掛かったら恐ろしいことになります。

 

私は、こんな状態ですから親に電話することもなかったですし、掛かってきても必要最小限の会話。

「うん・・・うん・・・食べた食べた・・・うん・・・ほんじゃ・・・」

今思えば親も切なかったろうと思います。

 

どこで間違ったのか、私の子と思えないほどの口のまわり様・・・

ベラベラベラベラ話してくれる電話が待ち遠しく、今日も携帯携帯の住職でした。