月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

涙之仕事

2013年03月23日 20時09分58秒 | 仏々相念(住職日記)

その瞳の中に・・・

 

一年の歩みを振り返ります。

「この一年、あっという間でした・・・」

見つめなければならない現実を他に置いといて過ごしていました。

バタバタと忙しく・・・

今になって寂しさが・・・

 

凄い人だったんだと・・・

偉大な人だったんだと・・・

いいことばっかりが思い出されます。

 

生前中は、怒ってばっかりだったのに、

もっと違う接し方があったのかも・・・

って、涙を浮かべつつ微笑まれる。

 

あ~、今も尚寂しさの中で耐えておられるのだと感じました。

 

「一年前はこんなになるなんて思ってもなかった・・・」

穏やかで、優しく、そして賑やかな空気。

切ないご縁でしたので不安があったのでしょう。

 

この一年の間、

ジッとお立ちの阿弥陀さまの前に向かわれ寂しさと向かい合う・・・

父が握ったハンドルを握りしめながら辛さと向き合う・・・

大切な人を亡くし涙する方に自分を重ねつつ向き合う・・・

そんな時間が流れたのでしょうか・・・

今日のひと日は優しき温もりが包み込んでいました。

 

そんな中にコイツも混ぜていただきます。

我が子のように・・・

我がきょうだいのように接してくださいます。

ざっくばらんに・・・

 

どの方もどの方も優しく接してくださる。

大好きなモノを忘れてくださらずに至れり尽くせり。

 

「プリンセス・プリンセスの東京ドーム、どうでしたか?」

お盆の時のご縁でしたでしょうか、ご夫妻で行かれることを聞いていました。

思い出したコイツは、思い出したように訊くのです。

「行ってきました!アリーナ席の20列目ほどで観てきました!真ん前で・・・」ってご主人。

「もう、ノリノリでした~」って奥さん。

ライブ、いいですよね~

コイツも大好きです!

やっぱ、生でしょう!!!

 

こんな感じで和気藹々と時が流れます。

 

お参りされた中には4000を超える体重で生まれたビッグベビーも・・・

お姉ちゃんがしっかりと面倒を見ているのにびっくりしました。

重たい弟を上手に抱っこしたりあやしたり・・・

でも、途中で慣れない雰囲気にちょっと愚図ります。

その泣き声聞くなり、

「あ~、この声を聞くと安心する。泣くことが仕事だもんね。」ってお参りになられた方の一言。

「あ~、そうか・・・」っていろいろと思わせていただいたことです。

 

赤ちゃんは泣くことによって意思表示をします。

お腹が空いた~・・・

オムツが汚れた~・・・

眠たいよ~・・・

その泣く声を聞きつつ安心するのです。

生きているんだと・・・

お前の人生を支えていこう!

そこに喜びを見ながら・・・

 

でも、親も一生懸命です、

辛さ、しんどさを抱えながらも泣き声を聞くのです。

私が抱きしめなかったら・・・って愛しき温もりを感じつつ安心するのでしょう。

 

って、コイツは聞かせていただいたのです。

 

コイツの人生も泣くことばかり。

赤ちゃんのように可愛くもなく悍ましさすら漂う感じですが、

いまだに・・・

この年になっても何ら変わりません。

自分の欲望抱えて右往左往・・・

儘ならん現実に涙する。

恥ずかしき人生。

 

生きるということの為に一生懸命になっているコイツ。

オレがワシがとどこまでも生きているコイツ。

こんなコイツの人生を「尊いいのち」と抱きしめて下さる阿弥陀さま。

そんな温もりから逃げるコイツの背中から追いかけて追いかけて抱きしめて下さる阿弥陀さま。

あなたもやっぱりコイツの泣き声聞いてジッとしておれないのでしょう・・・

支えずにはおかない・・・

必ず救うまかせよと・・・

おはたらきくださる。

 

目に涙いっぱい潤ませながら生き抜いてくれよと・・・

口に微笑を浮かべながら支えているよとおはたらきくださる。

 

そんな瞳に・・・

申し訳ありませんと慚愧するコイツ。

ほれぼれと手を合わさせていただくコイツ。

 

 

さあ、失礼します・・・

そうご挨拶して外へ・・・

すると皆さんがお見送りしてくださいます。

「どうぞ休まれて下さ~い」って言うものの出て来てくださる皆さんの微笑が有難い。

「ニコニコ車、見ようね~」って娘さん親子の会話。

「あ~~~、すいませ~ん・・・今日、代車なんです。ちょっと入院してまして・・・」

「あ~、残念やったね~。また、きっと直って来てくれるよ!」

「ハイ!必ず復活しますから!!!」

有難いことです・・・

ニコニコまでも案じて下さいました。

 

温か~い眼差しの中でしあわせです、コイツ。


家庭之力

2013年03月22日 19時41分49秒 | 仏々相念(住職日記)

お家(うち)におる・・・

 

先日、南海大地震等の被害予測が公表されていました。

すごいことになりそうです。

新聞見ながら、娘と「すごいね」って話しました。

「起きたら起きた時よ!」って言ったものの・・・

怖いです、正直。

 

何が怖いのか・・・

 

自分の命が亡くなるのか・・・

痛い思いをするのか・・・

大切な人を失うのか・・・

大切な人が苦しむ姿を見るのか・・・

財産を失くすことか・・・

飲み食いができなくなるのか・・・

何もかも失いどうなるのか・・・

生きていけるのか・・・

何れも何れも辛いことです。

 

でも、これ・・・

震災でなくても起きることですもんね。

必ず・・・

 

夕方、いつものように本堂のお荘厳をさせていただきます。

最近はカセットに録音されている法話をお聴聞しつつ。

いろんな方々のカセットがあるのですが、如何せんラベル書きをしていません。

これ誰のかな~・・・

なんて聞き始めます。

 

今日聞かせていただいたのは、坊守のお父さんの法話でした。

義父の法話カセットは全部坊守に渡したように思っていたのですが・・・

「おぅ・・・まだあったんか~。懐かしいな~・・・」

話の内容は勿論、声・話し方・笑い方・咳払い・間の取り方・・・懐かしいものです。

録音されている声の向こうには幼きウチの2人の子どもの楽しそうな声もします。

只今、布教真っ最中の坊守に届けたくなるような思いでした。

「一本、出てきたよ~」って・・・

喜ぶのにな~・・・って独り言。

 

コイツの少年時代にあった「日本沈没」っていうテレビドラマ。

コイツは見たことがなかったのですが、

坊守の里では当時皆で見ていたとか・・・

 

強烈な内容だったのでしょう・・・

幼き坊守は姉に言ったのだそうだ、「お姉ちゃん、日本が沈没したらどうする?」

「どうするって言ったって沈没せんところに逃げるだろ~。お前はどうするの?」

「逃げるって言ってもどこも沈没するんだろ…だったらお家におる」

 

義父曰く、それは家のお家ではなく皆が一緒におるという家庭のことなのでしょう・・・

 

「お家におる・・・」

いい響きだな~って自分でつぶやいてみました。

そう言わしめる温もりがそこにはあるのでしょう。

無条件で抱きしめてくれる温もりが・・・

怖いけど、震えるけど・・・

その温もりが大丈夫だと気付かせてくれる。

 

依り所を胸におくってそういうことなのでしょう。

 

真実の親である阿弥陀さま・・・

あったか~い、ほとけさま。

 

いつでもどこでも、ぎゅ~って抱きしめてくださっていました。

あなたと共に歩まさせていただきます。

安心して苦しき人生を・・・

 

願生ろう。


非難之的

2013年03月21日 19時50分02秒 | 仏々相念(住職日記)

何が楽しいのやら・・・

 

ある国でのサーバー攻撃と見られる報道がされています。

嫌ですね~

この先、大変なことにならなければいいのですが・・・

 

朝、パッと見たテレビ番組では他の人に成りすましてフェイスブックだかツイッターだか知りませんがしていたとか・・・

芸能人の方が仰っていましたが、

「私らはある意味そんなことがあっても仕方ないのですが・・・」

って仰っていたので一般の人の話だったのでしょうか・・・

 

何が面白いのやら・・・

暗すぎるよ。

根暗のコイツが思うのですからよっぽど・・・

 

朝、坊守と電話していました。

坊守も昼からのご縁始まりだったので少し時間があった様子。

長電話でもないのですがコイツにとっては結構な時間だっような気がします。

ちょっと嬉しかったりして・・・

 

ネットの世界って怖いね~って話。

誰に何を言われているか分かりません。

気にしなかったらなんでもないのですが、

テレビのコメンテーターの方が「自分のことが書かれてあると次から次へと気になり探してしまう」って仰ってて・・・

 

ま~、コイツにおいては話題にも上がらないのでしょうから安心なんですが、

でも、一応こんなブログでも毎日更新しているともしかしたら…なんて思ったりもして。

 

「ふざけたオッサンですよ!」なんて言われた暁には当たってるだけに腹が・・・

それ承知で書いてるつもりなのですが・・・

いけませんね・・・コイツ。

 

あまり気にせんように・・・

このブログ、こじんまりと続けていきます。

 

今日、何があったかな~・・・

誰にあったかな~・・・

どんなこと話したかな~・・・

 

なるべく人を傷つけないようにしよう・・・

言葉・・・

態度・・・

気を付けて、気を付けて。

 

でも、気付かずに傷つけていることもあります。

確かにあります。

 

そんなことを気付けるこのひと時・・・

すいません、いっぱいに・・・

申し訳ない、いっぱいに・・・

 

大事に、大切に・・・

 

「御仏はおはします」


定番昼食

2013年03月20日 19時02分29秒 | 仏々相念(住職日記)

また来た・・・

 

冒険しないっていうか、

用心深いっていうか、

行動も何かの選択も決まったものばかり。

新しいモノを開拓してってことは余程のことがない限りしません、コイツ。

 

息子じゃないけど菓子パン大好きです、コイツ。

美味しいですよね~・・・

でも、選ぶものって決まっていて・・・

 

最近は几帳面に三度の食事を取るようになりました。

その時間になれば欲してしまいます。

でも、一人で食堂に入るのはあまり好きではありませんし、

法衣を身に着けていると尚更です。

故に、そんな時は必然的にパンを求めます。

 

ご縁とご縁との空き時間。

次のご門徒宅に直ぐに行けばいいのでしょうが、

あまり早くお伺いしてもご心配をお掛けしますので適当に時間をつぶします。

 

ここ数日そういう状況が続き、

まったく同じドラッグストアーでまったく同じ棚からまったく同じ菓子パンとミルクティーを手に持ちます。

偶々、同じレジの方でして少々コイツみたいなものでも恥ずかしくなりました。

私服なら分からないでしょうが・・・

このお坊さん・・・って思われたことでしょう。

 

まだニコニコが帰って来ないものですから

ストレスがたまる代車に乗り込み一人菓子パンの袋を開けます。

何となく落ち着かないっていうか、サマにならないっていうか、

嫌ですね・・・他人の車。

 

せめて食べる場所くらいって何回かは変えたのですが、

それすらややこしく思いドラッグストアーの駐車場でランチです。

駐車場に入ってくる車を見つつ・・・

この車、楽しそうな顔だな~・・・

この車、疲れた顔してるよな~・・・

なんてことを思いつつ。

 

お彼岸の中日でしたね。

生憎の雨で夕焼けを望むことができませんでしたね。

 

コイツが帰る家が仕立て上げられている。

コイツを迎えに来てくれている親がいる。

案ずることはなにもない・・・

共に・・・

一緒に歩んでくださる。

しあわせなのです、コイツ。

 

さあ、お腹も満たされ好きな車を見つつ身体も休めました・・・

「OK! Let's go!」

 

みほとけも父母もまします美しき くにおもわるる夕映えの色

 

ひとりじゃない・・・

願生ろう!


清楚簡潔

2013年03月19日 19時55分38秒 | 仏々相念(住職日記)

きれいなもんだな~・・・

 

山々に明るい桜色がチラホラチラホラ。

こちらまで明るくなれるような気がします。

 

競い合いでも争い事でもありません。

ただただ、自然の恵みをいただいて生かされている・・・

「あ~、今生にいのちの華を咲かせていただきました~」って輝き。

だからこちらもほっこりさせていただけるのでしょう。

その輝きに照らされて・・・

 

そんな光をいただいたら手を合わさせていただきながら生かさせていただきましょう。

おかげさま・・・

そんな想いを胸いっぱいに・・・

 

昨日の酷い雨風に負けずに咲く花々を観つつ、

今日を生かさせていただきました。

明日は散るかもしれない命を大切に過ごさせていただきました。

 

明日も願生ります。

 

ありがとうございます。