空気清浄機についての正しい知識。
万能ではないが、
必然の発生・発達の経緯・・・
そして、今、正しい活用法とは?
昨年の暮れも押し迫った日である。我が家に平成二代目の空気清浄機が届いた。一代目とはおさらばする。
昭和の時代、事務所で使用していた空気清浄機を一代目と考えれば、三代目である。正確には二代目とおさらばだ。
だから、
空気清浄機と投稿者は浅からぬ古い付き合いがある。昭和の時代に空気清浄機など使っている者はほとんどいなかった。好奇心の賜である。

<いざ、稼働!>
空気清浄機と言えば、あの公害の時代、工場群から出る煙が、工場地帯を有する都市を悲惨なスモッグとして日長、黄昏に染めていた時代に遡る。今はそれは思い描くもない。

<日本では一昔も二昔も前の光景だ>
電気集塵装置が活躍しているからである。昨今は、微粒子だけではなく、ガスまで除去している。それらは最先端技術で、おそらく日本が最も進んでいるものと思われる。
又、
投稿者は余り愉しまないが、モウモウと煙るタバコの煙の中にパチンコに興じた思いの方も多かろうと思う。そう、あのパチンコ屋さんが今ではスッキリとして、店の奥まで見通せる清潔場として変わった。空気清浄機の仕業である。
昭和の末代までは、そうではなかった。今では分煙も進んだことをあるが、パチンコ屋さんには女性客が大幅に増加した。
これは空気清浄機が大きく貢献している。
最近では、掃除機までにその空気清浄システムが応用されている。
空気清浄機は今では、基幹的なシステムである。何故、そんなことに詳しいかというと、投稿者は空気清浄機初発の頃から、仕事上、関わってきたからだ。
ところが中には、いかがわしいものもある。それは今回、問題外であるので、触れる時間はない。興味のある方は、飯山一郎さんが指弾しているからご覧に為られることをお奨めする。
放射能禍が発生したから、にわかに空気清浄機が登場した訳ではないのである。又、それに便乗する訳でもない。これは一つの重要な防御手段と考えるに到った。それは原発事故直後からである。
それにしても、先ずは空気清浄機に対する正しい認識が必要だと、考える。
空気清浄機には大きく分けて、3タイプがある。
- 電気集塵タイプ
- フィルタータイプ
- イオンタイプ
その他もあるかも知れないが、評価の対象ではない。ましてや、オカルティックな話は問題外である。
かつて、イオン式タイプが一世を風靡したが、あんまり効果は薄い。そのため、今は下火だが、ない訳ではない。室内のインテリアを兼ねる程度なら、それも良いだろう。お奨めは出来ない。
主流は1.と、2.である。1.の電気集塵タイプは大型で業務用のものが多い。
家庭用は2.のフィルタータイプが主流だ。メンテナンスがフィルターの交換で済むから、管理が極めて簡易だからである。重要なのは、適切なフィルター、そして、風量が必要だ。

空気清浄機は一義的にチリ・ホコリを取り除くことにある。タバコの煙も微粒子だがその部類に入る。だから、ほとんど取り除くことが出来る。だがガスは別である。ガスは取り除くことは出来ない。
従って、空気清浄機を設置したからと言って、炭酸ガスや一酸化炭素を取り除く訳ではないので注意が必要だ。やはり、換気は必要不可欠であろう。
放射能に関して言えば、セシウムやストロンチウム、はたまた、プルトニウムに対して同効果が期待されるかというと、考え方があろう。高温度で蒸散した直後のそれら核種は、ガス化しているであろうから、そんじょそこらのフィルターで遮断出来るかというと、疑問である。
だから、防毒マスクが必要となっている。ガスは防毒マスクでないと無理である。防毒マスクは活性炭等、ガスの吸着まで視野に入れている代物だからである。
ところが、今問題になっている内部被曝の危険は、核種はチリ・ホコリと共にある。それらが舞い上がり、流れ、貯まる。それは風や雨と共に移動し、又、舞い上がる。それを呼吸で吸い込むことは避けなくてはなるまい。
人の移動と共に室内にも貯まる。そして、舞い上がる。それらをチリ・ホコリを共に空気清浄機で除去することは期待出来る。むしろ、重要であろう。事に小さな子供の居る家庭に関しては、検討する必要がある。
勿論、空気清浄機だけで事が済むとは早計で、チリ・ホコリは沈殿し、あるいは壁などにくっついている訳であるから、それを除去するには通常の清掃は欠かすことが出来ない。それこそ、空気清浄システムのある掃除機などは重要だ。
空気清浄機の最も重要なのは、フィルターの性能だ。
フィルターにはプレフィルター、そして、本体のフィルターがある。又、付随的機能を期待するもう一つのフィルターがある。高性能なものには大体こうなる。
プレフィルターは大きなゴミ・綿屑とか言ったものを取り除く。メッシュの大きなものだ。これは空調などにも必ずある。
今回、三代目の空気清浄機の設置に到ったのは、これにゼオライトを用いて、少しでも放射能除去に貢献する機種が完成したからである。

本体フィルターが重要だと書いたが、高性能機種には多くはHEPA (High Efficiency Particulate Air Filter) フィルターが使用される。これは工業規格で
「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して、99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つ、エアフィルター」
と規定されているもので、クリーンルームを設置する場合に使用されるメインフィルターである。それ以上もフィルターもあるが、この場合、空気清浄機としては論外だろう。因みにULPAフィルターという。これについては論じない。
言うまでもないが、原子力発電所の排気筒にも放射能除去を目的に使用されるレベルである。
付随的機能を持つフィルターには、様々なものがあるが、特に重要な機能は脱臭とバクテリア・ウイルスの不活化機能だろう。これには活性炭や抗菌剤など用いられる。これが本体フィルターと合わせて、使用される。
第三のフィルターは、酸化チタンによる光触媒による抗菌・脱臭・清浄機能を持たせたものが使われる。これは交換不要で、自らが清浄機能を持っているので何時までも使用可能だ。最近の研究成果である。

<図をクリックすると作動する。>
少なくともこれくらいの機能を持っていることが、高性能空気清浄機としては必要だろう。これに加えて、先にも書いたゼオライトが付加された。ゼオライトは多孔質の鉱石で、焼成して使われる。チリ・ホコリだけでなく、蒸散した浮遊核種も捕獲出来るとされている。
実験的には、減衰効果が実証されている。
最後に、よく言われるマイナスイオンについて書いておきたい。これはちょっとあやふやに表現が横行している。流行と言えば流行であろうから、とやかく言うつもりはないが、いつの間にか、あまり、言われなくなった。
マイナスイオンを発生させれば、同時にプラスイオンも発生する訳で、そこがどのように機能するものか本当のところは分からないからである。誇大に吹聴されすぎた感が否めない。
やはり、確かなものしか世に残らないという典型であろう。
それでも、イオン化は電気的に簡単に出来る。イオン化された空気は、ラジカル化するので、微粒子に凝集する。当然の事ながら、バクテリア・ウィルスは微粒子の一つであるから、イオンが凝集すると、一瞬に不活化することは、又、間違いがない。

だから、昨今では、マイナスイオンの清浄化はあまり言われず、もっぱら、プラス、マイナス問わず、細菌類の不活化機能だけが注目されている。当然である。
先にも書いたように、マイナスイオンが出来ると言うことは、プラスイオンも同等程度生ずる訳であるから、マイナスイオンの効果だけを語るのは片手落ちと言うことになる。
従って、
イオン化されたら、瞬時に元に返す必要があるし、又、そうなる。その間に細菌類の不活化が可能かどうかと言うことだが、これは実証されている。
以上、空気清浄機について基本的な解説を試みた。
それが、放射能内部被曝防止に一定の役割を果たすと思われる。勿論、これだけに頼ることは出来ない。基本的なチリ・ホコリの除去が前提であろう。
これからの放射能はチリ・ホコリにくっついて空気中を漂う。それらを除去することは、恰も花粉症の花粉、アレルギーのダニ等を防御する以上に必要になってくる。
それには適切な使用が在ってこそ可能であろう。やっと準備が整った。
明日(1月20日)より期間限定特別頒布を開始したい。本日0時サイト掲載!
勿論、必要を感じない向きは、スルーして頂くようお願いする。