アムール(シベリヤ虎)の餌として、
檻の中に入れられた山羊のチムール・・・。
自らを餌として認識せず、
アムールに毅然と接したが故に、
食べられもせず、
奇妙な友情が育まれそうになった・・・が。
ついに、別れはきた様である。
先日、互いの友情(?)にもトラブルが生じ、
アムールから強烈なパンチを食らい、ついに入院となって居た。
退院したことはメデタイ・・・。
近く、元のサファリの檻に返されるようである。
しかし、
アムールとは同居ではない。
それが良かろう。
それを願っていたファンも多いだろう。
その一人である。
元々はアムールの生き餌であるとは言え、
これまでの関係性からして、
単なる餌で終わらせることは、
道義的にしっくりこないだろう。
自然界なら、
致し方が無いが、
動物園なら人間の尺度が重視されると考えていた。
再度、面会してアムールとチムールの関係性に、
興味を感じない訳ではないが、
それで単なる餌になって終わりでは、悔いが残る。
少なくとも、
チムールの毅然たる態度が、
アムールをして餌との認識を遥かの超えた存在として、
現存したことが窺える。
これはたかが山羊の話かもしれないが、
重要な話でもある。
チムールが、アムールに面会当初、
単に怯えて、逃げまどっていたら、
アムールは単なる餌として一撃のものとに倒していたであろう。
そして、
食べられていた。
そうならなかったのは、
チムールの自己認識が餌としては皆無であったからだ。
果敢にも抵抗した。
人間も、
奴隷であると自己認識すれば、その途端奴隷になる。
それは魂としての表現の違いで、
一個の個性ある魂として、
対等を主張すれば、
そうなるという確信を与える事件であった。
捉え方も人それぞれであろうから、
強く主張する意図はないが、
そう感じている。
【転載開始】
チムールは、来園者がトラたちの住むゾーンへ向かう途中に通る敷地に放たれた。8日、沿海地方サファリパークのメゼンツェフ園長が、タス通信の記者に語った。
園長によると、ヤギのチムールは「完全に元気になった」という。園長は、「チムールは今、トラたちが住むゾーンへ向かう途中に来園者たちが通る敷地で暮らしている。ヤギは来園者たちの中で自由に歩き回っている」と述べた。
ヤ ギのチムールとトラのアムールは約2か月前に友情を育み始めた。沿海地方サファリパークでは、トラが本能を失わないために通常週に2回、生きた動物がえさ として与えられている。トラのアムールは、ヤギやウサギを捕ることができる。しかしアムールは、11月末に「昼ごはん」として与えられたヤギのチムールの ことは食べようとしなかった。チムールは、アムールから逃げなかっただけでなく、勇敢さを発揮してアムールに反撃し、自らも攻撃した。その後、チムールと アムールの間に友情が芽生えた。チムールはアムールをリーダーとみなし、常にアムールの後を追いかけ、2頭は一緒に時間を過ごすようになり、一緒に遊ぶこ ともあった。しかし間もなくチムールはアムールを攻撃したり、角で突いたりするようになり、アムールはゆっくり休むことができなくなってしまった。そして 遂にアムールは我慢できなくなり、チムールは背中に軽い傷を負った。これがきっかけとなり、サファリパークの職員たちは、アムールとチムールを引き離すこ とに決め、チムールは治療を受けるために動物病院へ送られていたが、この度、元気になって退院した。