ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

パソコン講習とソフト開発をしています。自作小説も掲載しています。ネット情報発信基地(上野博隆)Hirotaka Ueno

第Ⅰ章。「序章」0003話、山の奥の裂けた入口。「~失望と愛~導かれし悪魔の未都市。」0003

2021年04月26日 20時11分36秒 | 「~失望と愛~導かれし悪魔の未都市。」【R15】(自作小説)

0003_山の奥の裂けた入口

--山の奥の裂けた入口--

デミュクは、森を奥へ奥へ進む。
もう、進む足元に道はない。
元々、人は立ち入らない。(人ではなく悪魔だが)
草が腰まで伸びている。
デミュクを探す追手(おって)の声は、遠(とお)のいていく。
山へ山の火口へ。
ふと周りを見る。
(そうだ、子供の時、入って怒られたっけ)

(何の木だろうか?
 ブナの木?
 何千年?万年か?
 老齢に曲がりくねった幹。
 だが、上部には葉が生い茂っている。
 そこにいつまでいるのだろう?)

棘(とげ)をもつ蔓(つる)が巻き付いている。
(靴を履いていて良かった)
手や体は、擦(す)り傷だらけになる。

疲れた。
木の曲がって空いた幹の隙間に蹲(うずくま)って座り込む。

静かにしていれば、やり過ごせる。
でも、人界への入口はどこにあるのだろう?
暗い。
追手の声は、聞こえない。
疲労で瞼(まぶた)が重い。
眠ってはいけない。
(いけない。 い けなぃ)
デミュクは、眠気に負けた。
眠りにつく。

はっと!目覚(めざ)める。
月に替(か)わり、
青い光を放つ金環食の太陽がでている。
悪魔の世界の太陽である。
月と同様、太陽の真ん中を黒い影が覆(おお)っている。
人間界の地球の影なのか?


茂(しげ)みがざわつく。
黙り込んでいるものが静かに手探りして茂みの中を歩いている。
甲冑(かっちゅう)の音がする。
デミュクは、口を押えた。
気配を消した。

「白(しら)みつくしに探せ。
 いないぞ。見つけ出さねばならない。
 我々の命がかかっている」
話し声が聞こえる。
(追手だ)
静かに進む。
「バキィ」
枝を踏んだ。

「いるぞ!向こうから音がした」


デミュクは、走りだす。
「ザザァザァザ」

「あそこだ!あそこだ!」
追手に完全に見つかった。

追手は、甲冑で重い。動きが鈍い。
だが、デミュクは、素である。
森は、障害で覆(おお)われている。

茂みをかき分けるが思うように進めない。
棘(とげ)が痛い。
しかし、必死でかき分け進む。
追いつ追われつ、暫く時間が経過した。

辺りが暗い。
「まだ昼?」と言うのに。
(本当に昼か?)
山のどこかも分からない。
(木々が光を遮(さえぎ)っているのか?)

ついに追い詰められる。
周りを追手が囲(かこ)む。
「もう。逃げられないぞ。
 観念(かんねん)しろ」

(囲まれた)

「殺すようにいわれたよな。
 そう、面倒だ」

一斉(いっせい)に追手が槍(やり)を投げる。
数本の槍が飛んでくる。
デミュクは両腕(りょううで)を顔の前にかざして防御する。
顔に向かう槍は防ぐことが出来た。
「グサ」
だが、左腹(はら)に一本の槍が刺さった。
「うぅ」
デミュクは、槍を掴(つか)み傷口を抑(おさ)えた。
手に血が滲(にじ)む。
そして、何かが口をついて出る。静かに呟(つぶや)く。
「ゴンドリヤ。イゲ。オフマイワーゲデ」
(何の意味?)
デミュクの血筋につたわる悪魔の古い言葉。
無意識にでた言葉だ。
意味は、分からない。
(支配されている。誰かに?)
『窮地(きゅうち)に至(いた)った時に唱えなさい』とおばあ様に幼少時に教わった気がする。
おばあ様は、死んだの?
悪魔に寿命はあるの?
今は、そんなことを考えてる余裕はない。

そして、血の付いた指で十字を切る。

『開こーぞ』
天空から声が響いた。

足元に裂(さ)け目が現れる。
「ガガァガァ」
追手は、恐れおののき慌(あわ)てて後ずさる。

裂(さ)け目の底は、黒い黒い。暗黒である。
裂け目の壁は、岩肌にどす茶色の土と白い石が剥(む)き出しである。
良く底を見ると何かが渦(うず)を巻いていた。
(吸い込まれそうである)
デミュクは、裂け目の上、宙に浮いていた。
そして、意を決して飛び込む。

それは、簡単な事だった。
力を抜くだけで良かった。
体が吸い込まれ落ちて行く。
暗い。明かりが無くなる。
そして、空気が薄くなる。
(息がしにくい)
何かが体を通り抜ける。

暗いが木の香りがする。
目に風景がひらけてくる。
月が見える。
まん丸く光った月。
足の下に地面を感じる。

(森!人間界?
 満光(まんこう)の月。
 でもなぜか同じ!
 同じ森。
 でも、追手がいない)

(灯りが見える)

(助けを求めるべきか?)

ふらふら、足は、進む。
血が滲(にじ)んでいた。
森の向こうに畑が見える。
民家の灯(あか)りが見える。
(意識が、出血のせいぃぃ ぃ)
膝(ひざ)からゆっくり崩(くず)れて行く。
森の外(はず)れで気を失った。

つづく。 次回(初めて見る人の女)話名は、変わるかも知れません。ご容赦ください。

次回は、第Ⅱ章。「現れし古に伝わりし指輪」です。

 

#自作小説 #~失望と愛~ #導かれし悪魔の未都市 #デミュク #導かれし未都市

 

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(Yuya's adventure)0085_Demon King⑩→0088⑬

2021年04月26日 11時53分35秒 | Yuya's adventure.(Original novel)

(Yuya's adventure)0085_Demon King⑩→0088⑬

--King of Demon (010) --

Aries went on to talk.

"And Yuya.
I found out that you were chanting the name of Jesus.

This person.
I was convinced that I was resurrected for this person.

I prayed to Jesus.
I want you to do something about this country.
Then, I heard a voice.
(Yuya will definitely solve it.
He will come to this country tomorrow)
 I understand.
I nodded to God.
And I met you today.

It is God's will.
Amen " 

Yuya heard the story.
Why they were born. Why was I called to this place again?
He knew the reason. 

--King of Demon (011) --

"Father Aries. Please lend me a Buddhist altar for a while."
(What is Yuya going to do?
Are you willing to talk to God? )
I had such a feeling. 

"Please. Please use."
Aries gladly accepted Yuya's request.

Yuya quietly sat in front of the Buddhist altar.
The Buddhist altar was made of red cherry blossom trees.
The statue of Jesus is enshrined.
It is a statue of Jesus crucified.
His feet and hands are stakeout painfully.
However. It looks like he has a happy expression with his face facing heaven.
Behind it is a hanging scroll of "Nanmu Myōhō Renkakyo".
The hanging scroll is the light and shadow of the Lord.
Yes, I was taught in Tibet.
And Yuya calmed down and thought about him.
(Jesus. Please help me.)
After a while,
(Ailia. Princess of the demons. Answer)
Yuya repeatedly thought about it several times. Then
(Yuya? You are safe, aren't you?
I'm Ayria) 

--King of Demon (012) --

(Princess of the demons. Why. Kill people)
Yuya asked Ayria. 

Ayria replied.
(When we died last time,
I vowed to believe in Buddhism.
Therefore, unnecessary killing is not possible.
The same is true for the Queen.
However, the Queen's sister is different.
The Queen first wanted to revive her many relatives.
And she revived her Medi.
Medi is the first time she has revived.
She had not lost the evil blood in the demons.
Those who have been revived by evil have evil blood.
Now, Medi is in control of her country and is free to do whatever she wants.
Yuya. What should i do) 

Yuya thought about this for a moment.

--King of Demon (013) --

Yuya said after thinking a little.
(I will preach Buddhism to Medi) 

(Can you do that?
The castle is in the same place as in the past.
Open the west gate.
Please come around 8 pm today. )
Ayria decides to prepare to welcome Yuya. 

(OK) Yuya promised.

But he is not confident that he can persuade Medi.

(May be a conflict)
(Jesus. Thank you.)
Yuya has finished communicating his mind.

to be continued. Next time (King of Demon (014)) 

--魔族の王(010)--

アリエスは話を続けた。

「そして、裕也。
 あなたが、イエスの名を唱えているのを知りました。

 この人だ。
 この人のために、私は蘇ったのだと確信しました。

 私は、イエスに祈りました。
 この国を何とかしてほしいと。
 すると、声が聞こえてきました。
 (裕也なら必ず。解決してくれます。
 彼は、明日、ここの国に来ます)
 分かりました。
 私は、神に頷(うなず)きました。
 そして、今日、あなたに会えました。

 神の思し召しです。
 アーメン」

裕也は、話を聞いた。
なぜ、彼らが生まれ。なぜ、自分が、また、この地に呼び出されたのか。
彼は、その理由を知った。

--魔族の王(011)--

「アリエス神父。私に仏間を少しの間お貸しください」
(裕也は、何をする気なのか?
 神と話す気なの?)
そんな思いをいだいた。

「どうぞ。お使いください」
アリエスは、裕也の頼みを快く了承した。

裕也は、静かに仏壇の前に座った。
仏壇は、赤いく桜の木で出来ていた。
イエスの像が安置されている。
十字架にかけられたイエスの像である。
痛々しく足と手を杭で打ち付けられている。
しかし。顔を天に向け幸せな表情をしちるように見える。
その後ろに「南無妙法蓮華経」の掛け軸が掛けてある。
その掛け軸は、主の光と影である。
そう、チベットで教わった。
そして、裕也は、心を落ち着け、念じた。
(イエス様。どうぞ力をお貸しください。)
少し間を空けて、
(アイリア。魔族の王女よ。答えたまえ)
裕也は、数回繰り返し念じた。すると、
(裕也ですか?あなたは無事なのですね。
 私はアイリアです)

--魔族の王(012)--

(魔族の王女よ。なぜ。人を殺す)
裕也は、アイリアに問いかけた。

アイリアは、答えた。
(私たちは、前回、死んだとき、
 仏法を信じると誓いました。
 だから、無用の殺生は出来ません。
 女王もそうです。
 しかし、女王の妹は、違うです。
 女王は、始に多くの親族を蘇らせようと思いました。
 そして、メディを蘇らせました。
 メディは、今回、初めて蘇ったのです。
 彼女は、魔族の中の悪の血が消えていませんでした。
 悪に蘇らせられた者は、悪の血が宿る。
 今、メディが国の実権を握り、やりたい放題です。
 裕也。どうしたら良いのでしょう)

裕也は、少し考えた。

--魔族の王(013)--

裕也は、少し考えてから言った。
(私がメディに仏法を説きましょう)

(そうしてくれますか。
 城は、過去と同じ場所にあります。
 西の門を開けておきます。
 今日、夜8時ごろに来てください。)
アイリアは、裕也を迎え入れる準備をすることにした。

(分かりました)裕也は、約束した。

しかし、彼にはメディを説得出来る自信はない。

(争いになるかもしれない)
(イエス様。有難うございました)
裕也は、心の通信を終わった。

つづく。 次回(魔族の王(014))

#Yuya #adventur #YuyaAdoventur #King_of_Demon  #⑩⑪⑫⑬ #English

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