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畠山鈴香被告に無期懲役

2008年03月19日 10時11分00秒 | 社会・経済
秋田藤里町連続児童殺害事件で畠山鈴香被告に秋田地裁は19日、無期懲役の判決を下した。
焦点のひとつだった彩香さん殺害については、弁護側が主張する過失致死ではなく検察側主張の殺意があった殺人が認められた。にもかかわらず死刑ではなく無期懲役となった理由は、2名の殺害が計画的な殺害ではなく衝動的殺害と見なされたための模様。
証拠が乏しく(特に彩香さん殺害は初動ミスで物的証拠が殆ど無し)、自白もコロコロ変わるのであれば、裁判官としても極刑を言い渡すのは躊躇するだろう。それだけ、この事件に関する警察の捜査はお粗末過ぎた。
この事件について、次のようなストーリーが考えられた。
育児の煩わしさと再婚の邪魔になると考えて彩香さん殺害。
   ↓
能代署は事故死の方針で捜査。
   ↓
事故死でなく事件被害者であれば犯罪被害者給付金が受け取れる事を知った鈴香被告は秋田県警に捜査方針変更要請。
   ↓
秋田県警は捜査方針を変えず。
   ↓
子供がもう1人殺害されれば連続殺人事件として彩香さん事件も見直されると考えて米山豪憲くんを殺害。

こうした流れであれば、2人の子供の殺害動機がはっきりする。また最大の謎であった「真犯人が、なぜ事故死とされた彩香さんを殺人として再捜査するよう働きかけたのか?」が説明つく。
しかし残念ながら、ここまで調べて起訴できなかった。鈴香被告が自ら彩香さんを殺害した事を忘れたという主張すら取り沙汰された。

検察側は、鈴香被告が日ごろから彩香ちゃんの存在を疎ましく感じて殺害を決意し、橋から突き落としたと主張。豪憲君については、彩香ちゃん殺害を隠蔽(いんぺい)するため社会に情報提供を求めたが、無視されたため「事件を起こせば社会に思い知らせることができる」と考えて殺害した、としている。

「彩香ちゃん殺害を隠蔽するため社会に情報提供を求めた」って明らかにおかしいでしょ?
地方の子供の水死事件なんか全国的には全く話題にならない。しかし畠山鈴香被告が『TVのチカラ』などに出演したことで全国的な話題になった。「彩香ちゃん殺害を隠蔽するため」であれば、なにもしないのが最善だ。ここが崩れれば豪憲くん殺害動機も崩れてしまう。裁判官としては計画的殺害とは断じられない。

誤って実娘を過失死させてしまった母親が、その罪の意識から心神耗弱状態になってしまい、ふらふらと豪憲を殺害してしまった――弁護側が主張するストーリーも有り得る訳だ。少なくとも「彩香ちゃん殺害を隠蔽するため社会に情報提供を求めた」なんていう検察側の荒唐無稽なストーリーよりリアリティが感じられる。

三浦和義元社長が一美さん銃撃事件では無罪確定となる「推定無罪」、「疑わしきは被告人の利益に」という裁判の原則を適用すれば、この無期懲役判決は仕方ないだろう。決して鈴香被告を庇う訳ではない。重ねて言うが、警察・検察側の詰めが甘過ぎるのだから仕方ない。

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