かなりレトロなゲームになるが、PSソフト『ぼくの夏休み』はハマったゲームのひとつだった。内容は、主人公「ボクくん」が夏休みに親戚の家で過ごすゲーム。毎日、虫採りや魚釣り、朝顔の栽培や絵日記書きをする。何をやっても自由で極論では何もしなくても良い(笑)。周囲ではいくつかのハプニングが起きるが、アドベンチャー・ゲームとちがって解決しなくて構わない(ただしエンディングが変化する所が、かろうじてゲームらしさか)。その後にハマった『おいでよ、どうぶつの森』と共通点が多いスローライフ・ゲームだった。
『涼宮ハルヒの憂鬱』第12話「エンドレスエイト」は、まるで『ぼくの夏休み』をそのまま描いたような内容だった。8月17日の昼下がり、テレビで高校野球を見ているキョンに、ハルヒから電話が入る。
「今日あんたヒマでしょう。二時ジャストに駅前に全員集合だから。ちゃんと来なさいよ」
水着と金を持って自転車で来いと付け加えてハルヒの電話は一方的に切れる。
(何だろう、この夢の続きみたいな変な感覚は)と思いながらも、まったく何の予定もないキョンはいつものようにハルヒの言うまま、駅前へ行く。SOS団を従えて、ハルヒが向かった先は市民プールだった。
その後、ハルヒは今後のSOS団の夏休みスケジュールを決める。昆虫採集、盆踊り、花火大会、天体観測……。「ふと気付いたのよ。夏休みはもうあと二週間しかないのよね。愕然たる気分になったわ。ヤバイ! やり残したことがたくさんあるような気がするのに、それだけしか時間が残っていないわけ。ここからは巻きでいくわよ」
それから夏休みを楽しそうに遊びまくるハルヒと団員たち(ただし団員にとっては『ノルマ消化』っぽいが)。
8月30日。
「うーん。こんなんでよかったかしら」
ストローでコーラフロートのバニラアイスをつつき回しながらハルヒは煮え切らない様子だ。
「まあいいわ。この夏はいっぱい色んな事ができたわよね。色んな所に行ったし、浴衣も着たし、セミもたくさん採れたしね」
そして夏休み最終日の8月31日。連日遊び回っていたせいで、夏休みの課題が全く終わっていなかったキョン。やろうとするが、1日ではとても無理と諦めて妹とゲームしてしまうという「ベタなオチ(※と見えるところがうまさか)」で終わる。
暗殺者に殺されかけたり、閉鎖空間に閉じ込められたり、過去から戻れなくなったりと奇想天外なハルヒシリーズにしては、なんともマターリした物語。非現実的なことは何ひとつ起きず、第12話はこれで終わる。
ただし、そういうヌルい内容でも、長門が縁日でウルトラマンの面を買い、キョンが「宇宙人だけに何か波長の重なるものがあったんだろ」と独白したり、昆虫採集で捕まえたセミを「キャッチ・アンド・リリース」と言って逃がすハルヒに「美談っぽいが騙されないぞ。ただ捕まえて逃がしただけ」と心中で突っ込むキョンなどの小ネタが随所に散りばめられて、それはそれで楽しい。
もちろん原作を知ってる人間は「1話まるまる伏線にしたのか」と認識しているのだが、そうでない人間にとってもマターリほのぼので決して駄作とは言えない第12話であった。
翌週。『涼宮ハルヒの憂鬱』第13話「エンドレスエイト」。8月17日の昼下がり、テレビで高校野球を見ているキョンに、ハルヒから電話が入る。そのまま上をコピペしてもいいのだが、京アニ関係者ではないのでやめておく(笑)。物語の中盤にキョンに朝比奈みくるから電話が入る。先週はなかった部分だ。キョンが駆けつけるとみくる(未来人)と長門(宇宙人)と古泉(エスパー)が勢揃い。「未来がなくなってしまった」と彼らに聞かされるキョン。8月31日が終わると9月1日が来ないで、再び8月17日に戻る無限ループ。もちろん人々の記憶もリセットされて消える。しかし、そこからほんのこぼれた記憶のかけらが「何だろう、この夢の続きみたいな変な感覚は」だったのだ。みくるや古泉の記憶も消えていたが、情報統合思念体の対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースである長門有希にはそもそも時間の流れが無関係(統合されてるから)。長門が言うには、今回で1万5498回、8月17日から30日が繰り返されているらしい。ここで原作未読の視聴者もタイトルである「エンドレスエイト」の意味を、そして先週の放送が1話まるまるる前フリだったことを悟る。一方、原作を知る視聴者は「前・後編で解決」と安堵する。
が、しかし……。
8月30日。キョンは原作での正解を出せずに終わる。ブラウン管の向こうでは「な、なんだって!」と叫ぶ視聴者。もっとも現在、ブラウン管テレビがどれだけ残っているかは知らないが。結局、第13話「エンドレスエイト」で物語は完結しない。
「この話、三話も引っ張る必要あんのか」なんて書き込みが2ちゃんを埋める。「これだと『消失』こぼれんじゃね」
「京アニも大胆なことやるよな。エンドレス三部構成かよ」
『涼宮ハルビの憂鬱』第14話「エンドレスエイト」。8月17日の昼下がり、テレビで高校野球を見ているキョンに、ハルヒから電話が入る。そのまま上をコピペしてもいいのだが、京アニ関係者ではないのでやめておく(笑)。無限ループに気付くキョンたち。長門が言うには、今回で1万5499回、8月17日から30日が繰り返されているという。「ようやく正解を出して解決か」と溜息をつく視聴者。ところが……。
キョンたちは問題を解決できずに第14話が終わる。
現在、ここ。
さて来週はどうなるのでしょうか?
「脱出失敗でスレ住民大荒れ」
「そのエラーの原因が何なのか、わたしには不明」
「エンドレスエイト演出の意図を読み解いてみる」
蜂の巣を突付いたような大騒ぎ。
ハルヒの「どんな非常識なことでも思ったことを実現させる」能力は、アニメ番組という閉鎖空間を超越して現実のこの世界にまで及んでいるようだ(笑)。
これが京アニの壮大な実験なのか。あるいは単なる駄作なのか。
そんなことは凡人の筆者には到底認知できる範囲を超えた禁則事項である。
『涼宮ハルヒの憂鬱』第12話「エンドレスエイト」は、まるで『ぼくの夏休み』をそのまま描いたような内容だった。8月17日の昼下がり、テレビで高校野球を見ているキョンに、ハルヒから電話が入る。
「今日あんたヒマでしょう。二時ジャストに駅前に全員集合だから。ちゃんと来なさいよ」
水着と金を持って自転車で来いと付け加えてハルヒの電話は一方的に切れる。
(何だろう、この夢の続きみたいな変な感覚は)と思いながらも、まったく何の予定もないキョンはいつものようにハルヒの言うまま、駅前へ行く。SOS団を従えて、ハルヒが向かった先は市民プールだった。
その後、ハルヒは今後のSOS団の夏休みスケジュールを決める。昆虫採集、盆踊り、花火大会、天体観測……。「ふと気付いたのよ。夏休みはもうあと二週間しかないのよね。愕然たる気分になったわ。ヤバイ! やり残したことがたくさんあるような気がするのに、それだけしか時間が残っていないわけ。ここからは巻きでいくわよ」
それから夏休みを楽しそうに遊びまくるハルヒと団員たち(ただし団員にとっては『ノルマ消化』っぽいが)。
8月30日。
「うーん。こんなんでよかったかしら」
ストローでコーラフロートのバニラアイスをつつき回しながらハルヒは煮え切らない様子だ。
「まあいいわ。この夏はいっぱい色んな事ができたわよね。色んな所に行ったし、浴衣も着たし、セミもたくさん採れたしね」
そして夏休み最終日の8月31日。連日遊び回っていたせいで、夏休みの課題が全く終わっていなかったキョン。やろうとするが、1日ではとても無理と諦めて妹とゲームしてしまうという「ベタなオチ(※と見えるところがうまさか)」で終わる。
暗殺者に殺されかけたり、閉鎖空間に閉じ込められたり、過去から戻れなくなったりと奇想天外なハルヒシリーズにしては、なんともマターリした物語。非現実的なことは何ひとつ起きず、第12話はこれで終わる。
ただし、そういうヌルい内容でも、長門が縁日でウルトラマンの面を買い、キョンが「宇宙人だけに何か波長の重なるものがあったんだろ」と独白したり、昆虫採集で捕まえたセミを「キャッチ・アンド・リリース」と言って逃がすハルヒに「美談っぽいが騙されないぞ。ただ捕まえて逃がしただけ」と心中で突っ込むキョンなどの小ネタが随所に散りばめられて、それはそれで楽しい。
もちろん原作を知ってる人間は「1話まるまる伏線にしたのか」と認識しているのだが、そうでない人間にとってもマターリほのぼので決して駄作とは言えない第12話であった。
翌週。『涼宮ハルヒの憂鬱』第13話「エンドレスエイト」。8月17日の昼下がり、テレビで高校野球を見ているキョンに、ハルヒから電話が入る。そのまま上をコピペしてもいいのだが、京アニ関係者ではないのでやめておく(笑)。物語の中盤にキョンに朝比奈みくるから電話が入る。先週はなかった部分だ。キョンが駆けつけるとみくる(未来人)と長門(宇宙人)と古泉(エスパー)が勢揃い。「未来がなくなってしまった」と彼らに聞かされるキョン。8月31日が終わると9月1日が来ないで、再び8月17日に戻る無限ループ。もちろん人々の記憶もリセットされて消える。しかし、そこからほんのこぼれた記憶のかけらが「何だろう、この夢の続きみたいな変な感覚は」だったのだ。みくるや古泉の記憶も消えていたが、情報統合思念体の対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースである長門有希にはそもそも時間の流れが無関係(統合されてるから)。長門が言うには、今回で1万5498回、8月17日から30日が繰り返されているらしい。ここで原作未読の視聴者もタイトルである「エンドレスエイト」の意味を、そして先週の放送が1話まるまるる前フリだったことを悟る。一方、原作を知る視聴者は「前・後編で解決」と安堵する。
が、しかし……。
8月30日。キョンは原作での正解を出せずに終わる。ブラウン管の向こうでは「な、なんだって!」と叫ぶ視聴者。もっとも現在、ブラウン管テレビがどれだけ残っているかは知らないが。結局、第13話「エンドレスエイト」で物語は完結しない。
「この話、三話も引っ張る必要あんのか」なんて書き込みが2ちゃんを埋める。「これだと『消失』こぼれんじゃね」
「京アニも大胆なことやるよな。エンドレス三部構成かよ」
『涼宮ハルビの憂鬱』第14話「エンドレスエイト」。8月17日の昼下がり、テレビで高校野球を見ているキョンに、ハルヒから電話が入る。そのまま上をコピペしてもいいのだが、京アニ関係者ではないのでやめておく(笑)。無限ループに気付くキョンたち。長門が言うには、今回で1万5499回、8月17日から30日が繰り返されているという。「ようやく正解を出して解決か」と溜息をつく視聴者。ところが……。
キョンたちは問題を解決できずに第14話が終わる。
現在、ここ。
さて来週はどうなるのでしょうか?
「脱出失敗でスレ住民大荒れ」
「そのエラーの原因が何なのか、わたしには不明」
「エンドレスエイト演出の意図を読み解いてみる」
蜂の巣を突付いたような大騒ぎ。
ハルヒの「どんな非常識なことでも思ったことを実現させる」能力は、アニメ番組という閉鎖空間を超越して現実のこの世界にまで及んでいるようだ(笑)。
これが京アニの壮大な実験なのか。あるいは単なる駄作なのか。
そんなことは凡人の筆者には到底認知できる範囲を超えた禁則事項である。
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