ショップ ダンケ

ドイツ雑貨「ショップ ダンケ」のオフィシャル・ブログ

師走

2003-12-19 00:00:00 | インポート
カッチイが、更新をさぼっている間(笑)師走に入り、世の中を、ぎょっとさせる出来事が起きたね。フセイン元大統領拘束!

アメリカは、彼を、生け捕りにした。それにしても故郷ティクリート近郊の農家の穴蔵に潜んでいたとは。アメリカは「We got him 彼を捕えた」に始まる実に用意周到な会見を行った。ひげぼうぼうの男が、歯の検査を無抵抗に受けるさまを映し出し、イラクを長きに支配者の末路を、世界に見せ付けた。

日本円にして7000万円の現金とピストルを持っていた彼のやつれた姿を見て、8年前のオウム真理教の教祖逮捕を、思い浮かべた日本人は、多かったのではないだろうか?

これから、どのようになっていくのだろうか?フセインは、法廷に引き出され、裁かれていくのだろうが、日本のカルト宗教者の教祖のような不毛な裁判より、もっと厳しいものになるだろう。虐殺と圧政の犠牲者であるイラク国民が、彼を裁いていくべきなのに、アメリカの干渉の手は、ゆるまないだろう。

留学科の世界地理で、西アジアの部分は、大沢たかおの第2巻「西へ、ユーラシア編」のビデオを学生に見せた。(講師の趣味を十二分に出しております)デリーからパキスタン、アフガニスタン。そしてイランへの砂漠地帯へ過酷な旅をする大沢くんの顔は、だんだんひきしまってくる。私たちが経験しないハードな旅のなかに、西アジアの人々の暮らしが、映し出される。学生が、目を輝かせて見ていたのが印象的だった。

中年の旅なれないオジサンが、大沢くんの一時の旅の同行者となって彼を悩ませるのだが、オジサンは、実はリストラされて家庭崩壊したあげくの一人旅であることを告白して、旅を途中で断念する。別れ際、大沢くんに旅の退屈しのぎにと「ペルシア詩集」を手渡したが、バスのなかの再びの一人旅で、大沢君は、そこに、200ドルと「老いては旅をすることは賢明でない」文章のところに線がひいてあることに気づく。

大沢くんの引き立て役にしか思えなかった中年オジサンの愚直な振る舞いや言動がやけに、身にしみた。学生は、笑っていたんだけどね。体調を崩して、自分の体力の限界や、疲れを、悲しいことによく共感できるからだ。